今日12月10日は世界人権デー、1948年国連で人権宣言が採択されたのを記念して制定されたものである。
人権というものは果たしてあるものだろうか。そもそも「権」という字は「仮」のものという意味で、人が約束の上で認め合ったものに過ぎない。権利、権力、人権等皆そうである。
人権の最も重要なものはやはり生存権であろうが、「俺には生きる権利がある」と言ってもそれを認めてくれる人がいなければないのと同じである。山中で出会った熊には通じない、目の前に殺しに来た無法者にも通じない。北朝鮮のような軍事独裁国家では通じない。我が日本国には死刑制度があって国家によって処刑されることもある。
人権は歴史的過程の中で権力者から獲得してきたものだが、それぞれの権力によって認める範囲が違っている。日本で認められることが人権後進国の中国では認められない。
日本でも憲法に基本的人権の定めがあるが、それがきちんと守られているかといえばそうでもない。
所詮は約束事の地盤の上の話であることをよく承知しておかねばならない。約束というものは守られるとは限らない、破られることも多いということである。アテにできる範囲しかアテにならないのである。そんな時どうするか。腹を決めておかなければならない。宗教が必要な時はそういう時である。