以前紹介した内山老師の講演録の中にあった「長空、白雲の飛ぶを礙へず」を今日実感する風景があった。
ママチャリで街中を走っていて空を見上げると、周辺にいろんな形の雲が漂っていたが真上の広い部分は真っ青な空が広がっていた。西の空に大きな雲の塊があり、そこから白いちぎれ雲が強い風に運ばれて真っ青な北の空を東の方へ次々と流されて行く。雲は流れにつれて姿を変えていく。ちぎれ雲のさらにちぎれて消えて行くものもある。
煩悩の雲がいのちという大空の中に現れて流れては消えていく。石頭和尚の教えは実に素晴らしい。
内山老師はアタマ手放しの坐禅を勧められていたが、坐禅しない、坐禅できない時は雲を見るとよいと言われていたのである。
雲一つない空、雲だらけの空もそれぞれの風情はあるが、青空の中に雲の浮かぶ風景がよい。今日は空が澄んだ青空だったから格別の印象があったのかも知れない。