近頃サイクリングはいつも淀川を遡って枚方のスパー堤防まで行って帰るコースを走っている。往復すると丁度20Kmで切りがいいからである。
しかし、今日は買い物の必要があって西向きに桜ノ宮公園まで走っていた。同公園は春は桜の花で秋はその桜の紅葉が楽しめる。もう大分落葉が進んで裸に成りかけの木も多く、道の上に落ち葉も多く溜まりその上を自転車で走るとチャリチャリと音がして心地良い。
そんな走行を楽しんでいたら、散歩している婆さんに出会った。年の甲なら80歳前後というところだろう。側を通った時、大きな声で「チンチン」といわれた、一瞬何のことか、つい男性の持ち物を想像したが、続けて婆さんは「チンチンが来たよ」
どうやらチンチンとは自転車のことらしい。「危ないからそっちへ寄り~」声を出している方向をみると10mほど先から柴犬ような雑種のような老犬がヒョコヒョコ婆さんのいる方へ歩いて来る。太りすぎて動作も緩慢、首にはスカーフを巻いている。とても婆さんの言葉を理解しているようには思えない。
近頃は孤独な老人が多いが、婆さんにとってあの老犬が唯一の友なのかも知れない。