呑む気オヤジ/蔵王山麓蓬莱庵便り

訳アリで山暮らしから都会に戻ったオヤジの日記。合唱も映画もドライブも温泉も、たまには俳句も・・・😄

呑む気父さんの読書感想文・その35「隠し剣秋風抄」

2006-11-26 | 本の話
隠し剣秋風抄

文藝春秋

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♪「隠し剣秋風抄」藤沢周平著 文春文庫

木村拓哉主演映画「武士の一分」の原作である「盲目剣谺返し」も収録した短編集。
地方の小藩の30~70石の下級武士が主人公だ。
このくらいの石高だと、せいぜい女中と下男を一人ずつ賄うぐらいにしかならない。
しかしいずれも剣士としては一流で、それぞれ代々受け継がれる秘剣技を持っている。
そんな主人公が、呑兵衛だったり、女好きだったり、女房に逃げられたり
仇として果し合いを迫られたり、盲目になって女房を寝取られたりする。
どの話しにも下級武士の懊悩や葛藤が溢れていて胸に迫るものがある。

一話目の「酒乱剣石割り」は、剣の腕は立つが大酒のみで酒乱のために
今ひとつ評判がよろしくない武士の話。
家老から、悪政を敷く側用人の成敗と、使命終了までの禁酒を命じられる。
城内で相手を待ち受けるが、ここ暫く酒を呑んでおらず
身も心も緊張で凝り固まり成敗どころではない。
それでなくても相手は相当な剣の遣い手・・・。
居ても立ってもいられず、お屋敷の台所に駆け込み
給仕役に酒を出させ一気に呷る!
さすれば強張った心も体もしなやかに目覚めてぇ~!・・・。
いやぁ、呑兵衛侍の気持ちが手に取るように分かるね。

そして最後は「盲目剣谺返し」だ。
泣けたねぇ、いい話だねぇ・・・。
盲目の武士に木村拓哉がダブるけど、全く違和感がないな。
不自由になった体と妻女の不貞の疑いに対する苛立ちや悲哀などを
凛として体の奥に隠す若侍。
彼は目が不自由でも妻女をたばかった上役を許す訳に行かなかった。

「勝つことがすべてではない。武士の一分が立てばそれでよい・・・」

かっこいい~!!
キムタクはさぞや天晴れに演じ切ったんだろうなぁ。
映画が楽しみだ。

藤沢周平はいいなぁ。池波正太郎よりも、いいね!

ところでこの文庫の表紙絵を描いている画家さんは
最近時代小説には、なくてはならない存在になりつつあるね。
いい絵だよねぇ。名前もいいねぇ・・・(?)
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「五穀五菜酒家・陸風(ルーフン)」

2006-11-26 | 食べ物・お酒の話

♪横浜駅東口 スカイビル「陸風」

Kっつぁんの職場の先輩Tさんは父さんの元上司、そしてO嬢の昔の上司でもある。
以前にその話になって、Oが「Tさんに会いた~い!」というので
Kっつぁんがセッティングしてくれた。
Oが横須賀なので東京では可愛そう、ということで横浜にした。
店はPJTで行ったことのある「陸風(ルーフン)」を予約しておいた。
父さんはTさんとは3年ぶりぐらいか・・・。
Oとは数年前に一度会ったらしいが、なにせ一緒だったのは15~16年前だって!

「陸風」は創作中華料理(?)の店だ。
四川とか広東などの区別はないが、結構美味しい料理が出る。
みなとみらいの夜景が望め、カップル向きかな?
多少高いけど、たまにはこういう店もいいでしょう。
TさんとKっつぁんは「いつも桜水産だから、こんな高級店は久しぶりだ!」だって。
ここの「黒酢酢豚」はなかなか美味い。
最近でこそ、いろんなところで黒酢酢豚が食べられるけど、前は珍しかったよね。
昔話に花を咲かせ、10時半ごろにはお開きとした。

父さんとKっつぁんは呑み足らず、終電までもう一軒・・・。
Oも行きたそうだったけれど、Tさんが「改札口まで送ろう」と言い出したので
素直に帰ったようだ。(昔はよく送ってもらったって)
Kっつぁんの奥さんは、元銀行員で(Kも元仙台の銀行員)
なんと父さんが新人の頃営業で通っていた支店にいたらしい。
25~26年前に銀行の窓口で会っているかもしれない。
人間の繋がりって、面白いもんだよねぇ~。

旧社は社員も3~4千名だったから、結構いろいろなところでつながりがあり
共通の知り合いも多い。
今は1万数千人もいるため、どこの誰だかほとんどわからない。
向こうの旧社のバブル期世代は、同期が400名以上いるんだって。
同期の絆もあったもんじゃないよねぇ。

(画像はスカイビル入口のイルミネーション)

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