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♪「隠し剣秋風抄」藤沢周平著 文春文庫
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木村拓哉主演映画「武士の一分」の原作である「盲目剣谺返し」も収録した短編集。
地方の小藩の30~70石の下級武士が主人公だ。
このくらいの石高だと、せいぜい女中と下男を一人ずつ賄うぐらいにしかならない。
しかしいずれも剣士としては一流で、それぞれ代々受け継がれる秘剣技を持っている。
そんな主人公が、呑兵衛だったり、女好きだったり、女房に逃げられたり
仇として果し合いを迫られたり、盲目になって女房を寝取られたりする。
どの話しにも下級武士の懊悩や葛藤が溢れていて胸に迫るものがある。
一話目の「酒乱剣石割り」は、剣の腕は立つが大酒のみで酒乱のために
今ひとつ評判がよろしくない武士の話。
家老から、悪政を敷く側用人の成敗と、使命終了までの禁酒を命じられる。
城内で相手を待ち受けるが、ここ暫く酒を呑んでおらず
身も心も緊張で凝り固まり成敗どころではない。
それでなくても相手は相当な剣の遣い手・・・。
居ても立ってもいられず、お屋敷の台所に駆け込み
給仕役に酒を出させ一気に呷る!
さすれば強張った心も体もしなやかに目覚めてぇ~!・・・。
いやぁ、呑兵衛侍の気持ちが手に取るように分かるね。
そして最後は「盲目剣谺返し」だ。
泣けたねぇ、いい話だねぇ・・・。
盲目の武士に木村拓哉がダブるけど、全く違和感がないな。
不自由になった体と妻女の不貞の疑いに対する苛立ちや悲哀などを
凛として体の奥に隠す若侍。
彼は目が不自由でも妻女をたばかった上役を許す訳に行かなかった。
「勝つことがすべてではない。武士の一分が立てばそれでよい・・・」
かっこいい~!!
キムタクはさぞや天晴れに演じ切ったんだろうなぁ。
映画が楽しみだ。
藤沢周平はいいなぁ。池波正太郎よりも、いいね!
ところでこの文庫の表紙絵を描いている画家さんは
最近時代小説には、なくてはならない存在になりつつあるね。
いい絵だよねぇ。名前もいいねぇ・・・(?)