あまがえるが、雨のふる前などによろこび勇んで
クワックワッとなく声はあひるに似てる。
それも、あひるが威嚇するガーガーではなく
餌をやったときに嬉しがるクワクワとそっくり。
田に水うるおう産卵期に、オスがメスをよぶ声は、
ゲコゲコゲコ…。
童謡『かえるのうた』は丁寧に観察されていると思った。
人間、ともすれば、目のまえに唯一無二のめくるめく現実に、
好きな世界観のフィルターをかぶせて表現してしまうきらいがある。
ことばはいつも、それを表すのにつきづきしいものを
ゆたかに謙虚に思いはかってつむぎ出すこと
こそがよろこびと醍醐味なのに、お好きな決まり文句ばかりで
一掃しちまう書き手も案外いることだろう。
それでは、せっかく今の息吹きにありながら、妄想の壁の中。
世界観は帯びても過去の二番煎じ。
定番の昔話を繰りかえすようになったらきをつけよう。
洗練はされても、今とリンクしている創造性がない。
| Trackback ( 0 )
|