ふろしきの結び方を自分で考えたと述べたことはなく、
他の本に無いものでも「再発見した」と表現している。
なぜなら、四角い布じたいは縄文時代から、
葛や麻で織っているわけで、その包み方、むすび方は
江戸時代も含め、長い間にやり尽くされていると考えるから。
僕も風呂敷を暮らしにとり入れはじめてから、
はや18年目となり、もうやり尽くしたと言えそうなものの、
それでも毎年のように、知らなかったむすびがぽんと
生じるので、改めて風呂敷の底も天井もないことに驚く。
はじめの頃は、20代の野宿ひとり旅や
自分で工夫するシンプルな日々の中で、
必要に迫られて結び出されていた。
30代になって家族がふえると、自分以外の人の必要や
子どもの遊びがヒントで産まれることがふえている。
昨日も、小風呂敷によるウエストポーチは、
ズボンのベルトやベルト通しなど引っかける部分が必要のため、
無ければもう1枚を斜め折りにした帯をつないで
新しいポーチにしようとしたが、ただ腰に回すために
伸ばすだけでなく、どうせなら2つのポケットをつなごうと思いつく。
容量も倍で、使い分ける機能もふくらみ、仮にダブルポケットと名付けた
(ダブルは二重の印象あるから、ツインポケットかも)。
頭をかきむしって考えるのではなく、夏は
ズボンのポケットの中も蒸れやすいから
外付けポーチが欲しい。しかも誰でも簡単には使えるもの、
という希みに沿って試行錯誤したものだから、
ふろしきという材料がここにあれば、環境や情況によって
かたちは自然と発生されていく。
次回の風呂敷講座からさっそく、メニューに取り入れていきたい。
毎年いくつかの結びが突然変異的に生じているならば、
数十年後にもし風呂敷講座をしているなら
どんなレパートリーになっているんだろうか。
現在もまた、10年前の講座とは7割方
ラインナップが変わっている。
だんだんと、便利で簡単でシンプルなものに
安定してきている。
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