餬コ・蝴コを追加しました。
胡 コ・ゴ・ウ・えびす・なんぞ 月部にく
老牛のあごから垂れるように続く肉。
解字 「月(にく)+古(ふるい・年を経た)」の会意形声。老牛のあごの下から前足にかけて、垂れさがるように出てくる肉のこと(上の写真)。転じて、人のあご髭(ひげ)をさす。中国の北方・西方に住む異民族は、あご髭を生やす人が多いので、胡とよばれた。
意味 (1)あごひげ。「胡鬚コシュ」(ひげ。胡も鬚も、ひげの意) (2)えびす(胡)。中国の北方や西方に住む遊牧民族の総称。また、その産物。「胡人コジン」「胡瓜きゅうり」「胡弓コキュウ」「胡桃くるみ=山胡桃」「胡旋舞コセンブ」(胡人が踊る旋回する舞) (3)でたらめ。うたがわしいこと。(胡人の言葉や行動が漢民族と異なっていたことから)「胡散ウサン臭い」(何となく疑わしい)「胡論ウロン」(乱雑なこと。疑わしいこと) (4)なんぞ(胡ぞ)。なに。なんの。いずくんぞ。疑問・反語を表す助字。 (5)姓のひとつ。「胡錦涛コキントウ」(中国の第6代国家主席)
イメージ
あご髭の印象から「表面をおおう」(胡・湖・糊・餬・醐・瑚)
「形声字」(蝴)
音の変化 コ:胡・湖・糊・餬・蝴 ゴ:醐・瑚
表面をおおう
湖 コ・みずうみ 氵部
解字 「氵(水)+胡(表面をおおう)」の会意形声。大地の表面を広くおおう水。水のうみ(海)。
意味 みずうみ(湖)。「湖畔コハン」「湖月コゲツ」「湖上コジョウ」「琵琶湖びわこ」
糊 コ・のり 米部
解字 「米(こめ)+胡(表面をおおう)」の会意形声。ご飯をすりつぶしたものを表面にのばしてぬること。ぬる意が原義。「のり」の意味の場合は、通常、余ったご飯に水を多くいれて炊いた粥(かゆ)をすりつぶし、布で濾した汁をいう。障子紙などの接着に使う他、着物の洗い張りといって洗った着物の布地にのりをつけて板に貼り付けて乾かすのにも使う。この薄いのりを口にすすることを「糊口を凌ぐ」という。
意味 (1)ぬる。「糊塗コト」(糊も塗も、ぬる意。表面を塗ってごまかす。その場を取り繕うこと) (2)(表面をぬると)ぼんやりする。「模糊モコ」(ぼんやりしてよく見えない)「曖昧模糊アイマイモコ」 (3)のり(糊)。のりづけする。「糊代のりしろ」(糊をつける部分) (4)糊のような粥をすする。「糊口ココウを凌(しの)ぐ」(糊をすすってなんとか暮らす)
餬 コ・かゆ 食部
解字 「食(たべる)+糊の略体(のりのような粥)」の会意形声。糊には粥の意味があり、この意味を表すため、米の代わりに食偏をつけた字。
意味 かゆ(餬)。米にたっぷりの水をいれ、やわらかく煮たもの。「餬口ココウ」(①かゆを食べて生活する。②寄食する。居候いそうろうする。=糊口) (2)貧しくくらす。「餬口の計ケイ」(生活を維持するやりかた) (3)のり。=糊。「餬紙コシ」(紙貼り)
醐 ゴ 酉部
解字 「酉(発酵する)+胡(表面をおおう)」の会意形声。牛乳を温めて攪拌し、表層にでるバタークリームを熟成させたもの。
意味 「醍醐ダイゴ」に用いられる字。醍醐とは、発酵乳製品のうち最も美味なもの。仏教の最高真理に例えられる。「醍醐寺ダイゴジ」(京都にある真言宗醍醐派の総本山)「醍醐味ダイゴミ」(深い味わい。本当の面白さ)
瑚 ゴ・コ 玉部
解字 「王(玉)+胡(表面をおおう)」の会意形声。表面がサンゴ虫の石灰質でおおわれた宝石。
珊瑚の置物(通販サイトから)
意味 (1)「珊瑚サンゴ」に使われる字。珊瑚とは、熱帯の海中に住むサンゴ虫の石灰質が集積して塊状をなしたもの。珊サンは「王(玉)+冊(=柵。さく)」で、木の柵のように生える枝状のサンゴの意。「珊瑚礁サンゴショウ」(サンゴ虫の群体が堆積してできた岩礁や島)「赤珊瑚あかサンゴ」(赤い色の宝石珊瑚) (2)瑚は、古代で穀物を盛って祖先の廟(みたまや)に供える祭器の名。「瑚璉コレン」(瑚は夏の時代、璉は殷の時代の名称という)
形声字
蝴 コ 虫部
解字 「虫(むし)+胡(コ)」の形声。コという名の虫。「蝴蝶コチョウ」に用いる字。中国では蝶チョウを表す字の前につけ「蝴蝶コチョウ」で、日本の蝶の意味で用いる。中国語は漢字一字で表すと同音が多いので、名詞はほとんど二字にして表す。日本でも蝶を「蝶々ちょうちょ」と発音するのに似ている。なお、「胡蝶コチョウ」は中国で人名(女性)。胡が姓、蝶が名。日本では蝴蝶の代わりに用いる(例:胡蝶蘭)。
意味 「蝴蝶コチョウ」とは中国での蝶の正式名称。日本では蝶の美称として用いる。「蝴蝶蘭コチョウラン」(蝶に似た白い花をつける洋蘭。=胡蝶蘭)「蝴蝶装コチョウソウ」(文字を書いた紙面を二つ折りにし、折り目を重ね合わせて糊で貼り、表紙をつけた装丁方法。開くと蝶が羽をひろげた形になる。=胡蝶装)「蝴蝶紋コチョウモン」(蝶が羽をひろげた形の家紋。=胡蝶紋)「蝴蝶結びコチョウむすび」(蝶々結び。=胡蝶結び)
<紫色は常用漢字>
バックナンバーの検索方法
※一般の検索サイト(グーグル・ヤフーなど)で、「漢字の音符」と入れてから、調べたい漢字1字を入力して検索すると、その漢字の音符ページが上位で表示されます。
胡 コ・ゴ・ウ・えびす・なんぞ 月部にく
老牛のあごから垂れるように続く肉。
解字 「月(にく)+古(ふるい・年を経た)」の会意形声。老牛のあごの下から前足にかけて、垂れさがるように出てくる肉のこと(上の写真)。転じて、人のあご髭(ひげ)をさす。中国の北方・西方に住む異民族は、あご髭を生やす人が多いので、胡とよばれた。
意味 (1)あごひげ。「胡鬚コシュ」(ひげ。胡も鬚も、ひげの意) (2)えびす(胡)。中国の北方や西方に住む遊牧民族の総称。また、その産物。「胡人コジン」「胡瓜きゅうり」「胡弓コキュウ」「胡桃くるみ=山胡桃」「胡旋舞コセンブ」(胡人が踊る旋回する舞) (3)でたらめ。うたがわしいこと。(胡人の言葉や行動が漢民族と異なっていたことから)「胡散ウサン臭い」(何となく疑わしい)「胡論ウロン」(乱雑なこと。疑わしいこと) (4)なんぞ(胡ぞ)。なに。なんの。いずくんぞ。疑問・反語を表す助字。 (5)姓のひとつ。「胡錦涛コキントウ」(中国の第6代国家主席)
イメージ
あご髭の印象から「表面をおおう」(胡・湖・糊・餬・醐・瑚)
「形声字」(蝴)
音の変化 コ:胡・湖・糊・餬・蝴 ゴ:醐・瑚
表面をおおう
湖 コ・みずうみ 氵部
解字 「氵(水)+胡(表面をおおう)」の会意形声。大地の表面を広くおおう水。水のうみ(海)。
意味 みずうみ(湖)。「湖畔コハン」「湖月コゲツ」「湖上コジョウ」「琵琶湖びわこ」
糊 コ・のり 米部
解字 「米(こめ)+胡(表面をおおう)」の会意形声。ご飯をすりつぶしたものを表面にのばしてぬること。ぬる意が原義。「のり」の意味の場合は、通常、余ったご飯に水を多くいれて炊いた粥(かゆ)をすりつぶし、布で濾した汁をいう。障子紙などの接着に使う他、着物の洗い張りといって洗った着物の布地にのりをつけて板に貼り付けて乾かすのにも使う。この薄いのりを口にすすることを「糊口を凌ぐ」という。
意味 (1)ぬる。「糊塗コト」(糊も塗も、ぬる意。表面を塗ってごまかす。その場を取り繕うこと) (2)(表面をぬると)ぼんやりする。「模糊モコ」(ぼんやりしてよく見えない)「曖昧模糊アイマイモコ」 (3)のり(糊)。のりづけする。「糊代のりしろ」(糊をつける部分) (4)糊のような粥をすする。「糊口ココウを凌(しの)ぐ」(糊をすすってなんとか暮らす)
餬 コ・かゆ 食部
解字 「食(たべる)+糊の略体(のりのような粥)」の会意形声。糊には粥の意味があり、この意味を表すため、米の代わりに食偏をつけた字。
意味 かゆ(餬)。米にたっぷりの水をいれ、やわらかく煮たもの。「餬口ココウ」(①かゆを食べて生活する。②寄食する。居候いそうろうする。=糊口) (2)貧しくくらす。「餬口の計ケイ」(生活を維持するやりかた) (3)のり。=糊。「餬紙コシ」(紙貼り)
醐 ゴ 酉部
解字 「酉(発酵する)+胡(表面をおおう)」の会意形声。牛乳を温めて攪拌し、表層にでるバタークリームを熟成させたもの。
意味 「醍醐ダイゴ」に用いられる字。醍醐とは、発酵乳製品のうち最も美味なもの。仏教の最高真理に例えられる。「醍醐寺ダイゴジ」(京都にある真言宗醍醐派の総本山)「醍醐味ダイゴミ」(深い味わい。本当の面白さ)
瑚 ゴ・コ 玉部
解字 「王(玉)+胡(表面をおおう)」の会意形声。表面がサンゴ虫の石灰質でおおわれた宝石。
珊瑚の置物(通販サイトから)
意味 (1)「珊瑚サンゴ」に使われる字。珊瑚とは、熱帯の海中に住むサンゴ虫の石灰質が集積して塊状をなしたもの。珊サンは「王(玉)+冊(=柵。さく)」で、木の柵のように生える枝状のサンゴの意。「珊瑚礁サンゴショウ」(サンゴ虫の群体が堆積してできた岩礁や島)「赤珊瑚あかサンゴ」(赤い色の宝石珊瑚) (2)瑚は、古代で穀物を盛って祖先の廟(みたまや)に供える祭器の名。「瑚璉コレン」(瑚は夏の時代、璉は殷の時代の名称という)
形声字
蝴 コ 虫部
解字 「虫(むし)+胡(コ)」の形声。コという名の虫。「蝴蝶コチョウ」に用いる字。中国では蝶チョウを表す字の前につけ「蝴蝶コチョウ」で、日本の蝶の意味で用いる。中国語は漢字一字で表すと同音が多いので、名詞はほとんど二字にして表す。日本でも蝶を「蝶々ちょうちょ」と発音するのに似ている。なお、「胡蝶コチョウ」は中国で人名(女性)。胡が姓、蝶が名。日本では蝴蝶の代わりに用いる(例:胡蝶蘭)。
意味 「蝴蝶コチョウ」とは中国での蝶の正式名称。日本では蝶の美称として用いる。「蝴蝶蘭コチョウラン」(蝶に似た白い花をつける洋蘭。=胡蝶蘭)「蝴蝶装コチョウソウ」(文字を書いた紙面を二つ折りにし、折り目を重ね合わせて糊で貼り、表紙をつけた装丁方法。開くと蝶が羽をひろげた形になる。=胡蝶装)「蝴蝶紋コチョウモン」(蝶が羽をひろげた形の家紋。=胡蝶紋)「蝴蝶結びコチョウむすび」(蝶々結び。=胡蝶結び)
<紫色は常用漢字>
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※一般の検索サイト(グーグル・ヤフーなど)で、「漢字の音符」と入れてから、調べたい漢字1字を入力して検索すると、その漢字の音符ページが上位で表示されます。