厄 ヤク・わざわい 厂部
①
②
①轅(ながえ)の先の左右の軛(くびき)、②軛(くびき)をつけた車


馬車と馭者 https://www.sohu.com/a/451706403_120429368
解字 金文と秦(BC3世紀)は、馬の軛くびきの象形。軛くびきとは、車箱から前につき出た轅ながえの先についた横木の左右にとりつける馬の首もとを固定する道具。下の半円形に馬の首をいれ、上の T 字は轅の先と横木(衡)、途中の半円は馬の轡くつわからのびる手綱が横木からはずれないように通す金具と思われる(図①に描かれている)。この字形で軛くびき・横木・手綱通し金具の三つをまとめて描いた。篆文になると字形がまったく変化した厄になった。[説文解字]の許慎は「科厄カヤク、木の節也」とするが意味不明。この字は現在、「厂(がけ)+卩セツの変形⇒㔾(ひざまずいた人)」の会意。ガケに臨んで人が進退に窮したさまを示し、行きづまる・わざわい・苦しむ意と解釈されている。
意味 (1)行きどまる。つかえる。ふさがる。「厄塞ヤクソク」(ふさがる) (2)わざわい(厄)。苦しむ。「災厄サイヤク」「厄難ヤクナン」 (2)[国]やく(厄)。不吉なめぐりあわせ。「厄年ヤクどし」「大厄タイヤク」
イメージ
「わざわい・ゆきどまる」(厄・阨)
くびきの変化した形で「くびき」(扼・軛)
音の変化 ヤク:厄・扼・軛 ヤク・アイ:阨
わざわい・ゆきどまる
阨 ヤク・アイ・ふさがる・せまい・くるしむ 阝部こざと
解字 「阝(おか)+厄(ゆきどまる)」の会意形声。阝(おか)に阻まれ、ゆきどまること。また、苦しむこと。なお、アイの発音で隘アイ(せまい。隘路アイロ)に通じ、阝(おか)の道がせまく、両側がけわしい意となる。
意味 (1)ヤクの発音。ふさがる(阨がる)。ふさぐ。けわしい地形。「阨塞ヤクソク」(地形が険しい要害の地) (2)くるしむ(阨しむ)。行きづまる。「窮阨キュウヤク」(動きがとれずくるしむ)「阨困ヤクコン」(くるしみ困る) (2)アイの発音。せまい(阨い)。せまく険しい。「狭阨キョウアイ」「嶮阨ケンアイ」
くびき
扼 ヤク・おさえる 扌部
解字 「扌(手)+厄(くびき)」の会意形声。くびきを手でつける意。馬にくびきをつけ、はずれないように左右両端の曲がったところで幅広の革ひもでしっかり固定すること。おさえる。しめつける意となる。
意味 おさえる(扼える)。しめつける。「扼喉ヤクコウ」(のどをしめつける。相手の急所をおさえること)「扼殺ヤクサツ」(のどをおさえてしめころす)「扼腕ヤクワン」(自分の腕をおさえて悔しがる)「切歯扼腕セッシヤクワン」(歯ぎしりし自分の腕をおさえて、悔しがること)
軛 ヤク・くびき 車部
解字 「車(くるま)+厄(くびき)」の会意形声。車のくびきをいう。馬のくび元にあてて車をひかせる道具。
意味 (1)くびき(軛)。頸木とも書く。車の轅(ながえ)の先に付け、馬のくびもとにあてて車をひかせる道具。牛車にも用いる。「車軛シャヤク」(車のくびき)「軛衡ヤクコウ」(くびきとくびきが固定されている横木)「金軛キンヤク」(褒美として賜わる金で飾ったくびき) (2)自由を束縛するもの。「軛から解き放たれる」
<紫色は常用漢字>
図版引用先 厄の①『中国古代車輿馬具』(丙申書房)の表紙の一部。 厄の②、中国ネットの検索サイトより(原サイトなし)。
戹 ヤク <厄の別体>
戹 ヤク・わざわい 戸部

解字 金文と秦(BC3世紀)は、馬の軛くびきの象形で厄の金文・秦と同じ、篆文の説文解字で「厄」の別体として「戸+乙」の戹ヤクが出現し現在につづく。この字体は金文・秦の字体と近く、本来ならこの字が厄の代わりとなる字だが、別体として扱われている。したがって、この字を音符とする以下の字もすべて別体となっている。
阸 ヤク・アイ・ふさがる・せまい・くるしむ <阨の別体>
㧖 ヤク・おさえる <扼ヤクの別体>
軶 ヤク・くびき <軛ヤクの別体>
バックナンバーの検索方法
※一般の検索サイト(グーグル・ヤフーなど)で、「漢字の音符」と入れてから、調べたい漢字1字を入力して検索すると、その漢字の音符ページが上位で表示されます。


①轅(ながえ)の先の左右の軛(くびき)、②軛(くびき)をつけた車


馬車と馭者 https://www.sohu.com/a/451706403_120429368
解字 金文と秦(BC3世紀)は、馬の軛くびきの象形。軛くびきとは、車箱から前につき出た轅ながえの先についた横木の左右にとりつける馬の首もとを固定する道具。下の半円形に馬の首をいれ、上の T 字は轅の先と横木(衡)、途中の半円は馬の轡くつわからのびる手綱が横木からはずれないように通す金具と思われる(図①に描かれている)。この字形で軛くびき・横木・手綱通し金具の三つをまとめて描いた。篆文になると字形がまったく変化した厄になった。[説文解字]の許慎は「科厄カヤク、木の節也」とするが意味不明。この字は現在、「厂(がけ)+卩セツの変形⇒㔾(ひざまずいた人)」の会意。ガケに臨んで人が進退に窮したさまを示し、行きづまる・わざわい・苦しむ意と解釈されている。
意味 (1)行きどまる。つかえる。ふさがる。「厄塞ヤクソク」(ふさがる) (2)わざわい(厄)。苦しむ。「災厄サイヤク」「厄難ヤクナン」 (2)[国]やく(厄)。不吉なめぐりあわせ。「厄年ヤクどし」「大厄タイヤク」
イメージ
「わざわい・ゆきどまる」(厄・阨)
くびきの変化した形で「くびき」(扼・軛)
音の変化 ヤク:厄・扼・軛 ヤク・アイ:阨
わざわい・ゆきどまる
阨 ヤク・アイ・ふさがる・せまい・くるしむ 阝部こざと
解字 「阝(おか)+厄(ゆきどまる)」の会意形声。阝(おか)に阻まれ、ゆきどまること。また、苦しむこと。なお、アイの発音で隘アイ(せまい。隘路アイロ)に通じ、阝(おか)の道がせまく、両側がけわしい意となる。
意味 (1)ヤクの発音。ふさがる(阨がる)。ふさぐ。けわしい地形。「阨塞ヤクソク」(地形が険しい要害の地) (2)くるしむ(阨しむ)。行きづまる。「窮阨キュウヤク」(動きがとれずくるしむ)「阨困ヤクコン」(くるしみ困る) (2)アイの発音。せまい(阨い)。せまく険しい。「狭阨キョウアイ」「嶮阨ケンアイ」
くびき
扼 ヤク・おさえる 扌部
解字 「扌(手)+厄(くびき)」の会意形声。くびきを手でつける意。馬にくびきをつけ、はずれないように左右両端の曲がったところで幅広の革ひもでしっかり固定すること。おさえる。しめつける意となる。
意味 おさえる(扼える)。しめつける。「扼喉ヤクコウ」(のどをしめつける。相手の急所をおさえること)「扼殺ヤクサツ」(のどをおさえてしめころす)「扼腕ヤクワン」(自分の腕をおさえて悔しがる)「切歯扼腕セッシヤクワン」(歯ぎしりし自分の腕をおさえて、悔しがること)
軛 ヤク・くびき 車部
解字 「車(くるま)+厄(くびき)」の会意形声。車のくびきをいう。馬のくび元にあてて車をひかせる道具。
意味 (1)くびき(軛)。頸木とも書く。車の轅(ながえ)の先に付け、馬のくびもとにあてて車をひかせる道具。牛車にも用いる。「車軛シャヤク」(車のくびき)「軛衡ヤクコウ」(くびきとくびきが固定されている横木)「金軛キンヤク」(褒美として賜わる金で飾ったくびき) (2)自由を束縛するもの。「軛から解き放たれる」
<紫色は常用漢字>
図版引用先 厄の①『中国古代車輿馬具』(丙申書房)の表紙の一部。 厄の②、中国ネットの検索サイトより(原サイトなし)。
戹 ヤク <厄の別体>
戹 ヤク・わざわい 戸部

解字 金文と秦(BC3世紀)は、馬の軛くびきの象形で厄の金文・秦と同じ、篆文の説文解字で「厄」の別体として「戸+乙」の戹ヤクが出現し現在につづく。この字体は金文・秦の字体と近く、本来ならこの字が厄の代わりとなる字だが、別体として扱われている。したがって、この字を音符とする以下の字もすべて別体となっている。
阸 ヤク・アイ・ふさがる・せまい・くるしむ <阨の別体>
㧖 ヤク・おさえる <扼ヤクの別体>
軶 ヤク・くびき <軛ヤクの別体>
バックナンバーの検索方法
※一般の検索サイト(グーグル・ヤフーなど)で、「漢字の音符」と入れてから、調べたい漢字1字を入力して検索すると、その漢字の音符ページが上位で表示されます。