犬が部首になるとき、犬の形のままと、犭に変化する場合がある。犭は偏(左辺)についたとき変化するかたちで「けものへん」と呼ばれる。
まず、もとの形である犬の変遷を見てゆこう。
犬 ケン・いぬ 犬部
解字 甲骨文・金文は動物の「いぬ」を描いた象形。上にあたま、中が脚と胴、下に巻いた尻尾を描いている。篆文はおおきく形が変わり、隷書(漢代の役人が主に用いた書体)で大の右端が上に曲がった形になり、現代字で大に点がついた犬になった。当初はいぬの意味だけに使われたが、のちに組み合わせ漢字で偏(左辺)にくるとき、犬以外の「けもの」も表すようになった。
意味 (1)いぬ(犬)。子犬は狗クと書く。「番犬バンケン」「犬猿ケンエン」 (2)[国]いぬ(犬)。①まわし者。スパイ。②むだなこと。「犬死いぬじに」
参考 犬は、部首「犬いぬ」になる。漢字の右辺について犬の意味を表す。常用漢字で4字あり、部首の犬のほか、状[狀]ジョウ(犬+音符「爿ショウ」)、献コン(犬+南の会意)、獣ジュウ(単+口+犬の会意)、がある。
「犭けものへん」の成立
狩シュにみる「犭けものへん」の変遷
下図は篆文~現代(楷書)の狩シュの変遷。上に犬の部分を抜き出した。
狩の字で篆文の犬は元の字とほぼ同じ。隷書はタテ長になったため形がおおきく変り上下に弧状の線が通るようになった。現代の「犭けものへん」は、隷書の第1画⇒左はらいに変化して「犭」になった。
部首「犭けものへん」は、犬が左辺(偏へん)に置かれたとき変化した形。意味は①犬に関すること、②犬以外のけもの、③人間の悪い行動、をあらわす。常用漢字では13字、約14,600字を収録する[新漢語林]では127字が収録されている。主な字は以下のとおり。
犯ハン(犭+音符「㔾ハン」)、狂キョウ(犭+音符「王オウ」)、狙ソ(犭+音符「且ソ」)
狩シュ(犭+音符「守シュ」)、独[獨]ドク(犭+音符「蜀ショク」)、狭[狹]キョウ(犭+音符「夾キョウ」)
猛モウ(犭+音符「孟モウ」)、猫ビョウ(犭+音符「苗ビョウ」)、猿エン(犭+音符「袁エン」
猶ユウ「犭+音符「酋ユウ」」 、獲カク「犭+音符「蒦カク」」、獄ゴク(犭+言+犬の会意)
狐コ(犭+音符「狐コ」)、猪チョ(犭+音符「者シャ」)、狼ロウ(犭+音符「良リョウ」)
まず、もとの形である犬の変遷を見てゆこう。
犬 ケン・いぬ 犬部
解字 甲骨文・金文は動物の「いぬ」を描いた象形。上にあたま、中が脚と胴、下に巻いた尻尾を描いている。篆文はおおきく形が変わり、隷書(漢代の役人が主に用いた書体)で大の右端が上に曲がった形になり、現代字で大に点がついた犬になった。当初はいぬの意味だけに使われたが、のちに組み合わせ漢字で偏(左辺)にくるとき、犬以外の「けもの」も表すようになった。
意味 (1)いぬ(犬)。子犬は狗クと書く。「番犬バンケン」「犬猿ケンエン」 (2)[国]いぬ(犬)。①まわし者。スパイ。②むだなこと。「犬死いぬじに」
参考 犬は、部首「犬いぬ」になる。漢字の右辺について犬の意味を表す。常用漢字で4字あり、部首の犬のほか、状[狀]ジョウ(犬+音符「爿ショウ」)、献コン(犬+南の会意)、獣ジュウ(単+口+犬の会意)、がある。
「犭けものへん」の成立
狩シュにみる「犭けものへん」の変遷
下図は篆文~現代(楷書)の狩シュの変遷。上に犬の部分を抜き出した。
狩の字で篆文の犬は元の字とほぼ同じ。隷書はタテ長になったため形がおおきく変り上下に弧状の線が通るようになった。現代の「犭けものへん」は、隷書の第1画⇒左はらいに変化して「犭」になった。
部首「犭けものへん」は、犬が左辺(偏へん)に置かれたとき変化した形。意味は①犬に関すること、②犬以外のけもの、③人間の悪い行動、をあらわす。常用漢字では13字、約14,600字を収録する[新漢語林]では127字が収録されている。主な字は以下のとおり。
犯ハン(犭+音符「㔾ハン」)、狂キョウ(犭+音符「王オウ」)、狙ソ(犭+音符「且ソ」)
狩シュ(犭+音符「守シュ」)、独[獨]ドク(犭+音符「蜀ショク」)、狭[狹]キョウ(犭+音符「夾キョウ」)
猛モウ(犭+音符「孟モウ」)、猫ビョウ(犭+音符「苗ビョウ」)、猿エン(犭+音符「袁エン」
猶ユウ「犭+音符「酋ユウ」」 、獲カク「犭+音符「蒦カク」」、獄ゴク(犭+言+犬の会意)
狐コ(犭+音符「狐コ」)、猪チョ(犭+音符「者シャ」)、狼ロウ(犭+音符「良リョウ」)
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