刂の名称である「りっとう」とは立刀リットウの意味で、刀が立つこと。刀が立つとなぜ「刂」になるのだろうか。
まず、「刂りっとう」の元の形である「刀トウ」を見てゆこう。
刀 トウ・かたな 刀部
解字 刃の反った片刃のかたなを描いた象形。甲骨文字の上部が反った刀身で、下部の二股になったところが手にもつ柄を表わす。篆文で上部の刃が短くなり、隷書レイショ(漢代の役人が主に用いた字)で、刃先の部分がほとんどなくなり現代字は刀になった。「かたな」の意味で音符ともなる。
意味 (1)かたな(刀)。刃がそった刀やナイフの総称。両刃でまっすぐな刀を剣という。「刀剣トウケン」「刀工トウコウ」「太刀たち」 (2)刀の形をした中国古代の貨幣「刀銭トウセン」
甲骨文字の刀は、なぜ二股になっている方が柄なのか?
中国の古代刀は鍔(つば)の部分が伸びて柄の手を保護するようになっているものがあり、甲骨文字の刀はこのような鍔を描いているのかもしれない。[古代刀の検索サイトから]
部首としての刀 刀は部首「刀かたな」になる。漢字の右辺(旁つくり)や下部について刃物や、刃物を使う意を表す。
常用漢字 6字
刀トウ(部首)
刃ジン・は(㇏+刀の会意)
分ブン(八+刀の会意)
初ショ(衤ころも+刀の会意)
券ケン(刀をふくむ会意)
切セツ(刀+音符「七シチ」)
「刂りっとう(立刀)」の成立
「制セイ」の字にみる立刀の変化
下が各字体における制セイの変化、上がそこから刀を抜きだしたもの
制セイは篆文で「未+刀」、未(木の枝葉)を刀で切りそろえる形。篆文で刀は元のかたちが使われているが、隷書レイショ(漢代の役人が主に使用した文字)の第1字は刀が90度回転し、ヒが反転したかたちとなり、第2字では反転したヒの横線が分離を始め、現代の楷書にいたり、分離した横線および残りの部分とも、タテの線に変化した。
部首「刂りっとう」は、刀が右辺(旁つくり)に置かれたとき変化した形。常用漢字では26字、約14,600字を収録する『新漢語林』では94字が収録されている。
常用漢字 26字
刈ガイ・かる( 刂+音符「乂ガイ」)
割カツ・わる(刂+音符「害ガイ」)
刊カン・けずる(刂+音符「干カン」)
刑ケイ・しおき(刂+音符「开ケイ」)
劇ゲキ・はげしい(刂+音符「豦キョ」)
剣ケン・つるぎ(刂+音符「㑒ケン」)
剛ゴウ・つよし(刂+音符「岡コウ」)
刻コク・きざむ(刂+音符「亥ガイ」)
剤ザイ(刂+音符「斉サイ」)
削サク・けずる(刂+音符「肖ショウ」)
刷サツ・はく(刂+「尸+巾」の会意)
刹サツ(刂+音符「殺の略」)
刺シ・さす(刂+音符「朿シ」)
剰ジョウ・あまる(刂+音符「乗ジョウ」)
制セイ・おさえる(刂+「未の変化形」の会意)
前ゼン・まえ(刂をふくむ会意)
創ソウ・つくる(刂+音符「倉ソウ」)
則ソク・のり(刂+貝の会意)
到トウ・いたる(刂「部首・音符」+至)
剝ハク・はぐ(刂+音符「彔ロク」)
判ハン・(刂+音符「半ハン」)
副フク・そう(刂+音符「畐フク」)
別ベツ・わかれる(刂を含む会意)
剖ボウ・さく(刂+音符「咅バイ」)
利リ(刂+禾の会意)
列レツ・つらなる(刂+歹の会意)
お知らせ
本ブログ掲載の漢字を選りすぐった「音符順 精選漢字学習字典」販売中!です。
まず、「刂りっとう」の元の形である「刀トウ」を見てゆこう。
刀 トウ・かたな 刀部
解字 刃の反った片刃のかたなを描いた象形。甲骨文字の上部が反った刀身で、下部の二股になったところが手にもつ柄を表わす。篆文で上部の刃が短くなり、隷書レイショ(漢代の役人が主に用いた字)で、刃先の部分がほとんどなくなり現代字は刀になった。「かたな」の意味で音符ともなる。
意味 (1)かたな(刀)。刃がそった刀やナイフの総称。両刃でまっすぐな刀を剣という。「刀剣トウケン」「刀工トウコウ」「太刀たち」 (2)刀の形をした中国古代の貨幣「刀銭トウセン」
甲骨文字の刀は、なぜ二股になっている方が柄なのか?
中国の古代刀は鍔(つば)の部分が伸びて柄の手を保護するようになっているものがあり、甲骨文字の刀はこのような鍔を描いているのかもしれない。[古代刀の検索サイトから]
部首としての刀 刀は部首「刀かたな」になる。漢字の右辺(旁つくり)や下部について刃物や、刃物を使う意を表す。
常用漢字 6字
刀トウ(部首)
刃ジン・は(㇏+刀の会意)
分ブン(八+刀の会意)
初ショ(衤ころも+刀の会意)
券ケン(刀をふくむ会意)
切セツ(刀+音符「七シチ」)
「刂りっとう(立刀)」の成立
「制セイ」の字にみる立刀の変化
下が各字体における制セイの変化、上がそこから刀を抜きだしたもの
制セイは篆文で「未+刀」、未(木の枝葉)を刀で切りそろえる形。篆文で刀は元のかたちが使われているが、隷書レイショ(漢代の役人が主に使用した文字)の第1字は刀が90度回転し、ヒが反転したかたちとなり、第2字では反転したヒの横線が分離を始め、現代の楷書にいたり、分離した横線および残りの部分とも、タテの線に変化した。
部首「刂りっとう」は、刀が右辺(旁つくり)に置かれたとき変化した形。常用漢字では26字、約14,600字を収録する『新漢語林』では94字が収録されている。
常用漢字 26字
刈ガイ・かる( 刂+音符「乂ガイ」)
割カツ・わる(刂+音符「害ガイ」)
刊カン・けずる(刂+音符「干カン」)
刑ケイ・しおき(刂+音符「开ケイ」)
劇ゲキ・はげしい(刂+音符「豦キョ」)
剣ケン・つるぎ(刂+音符「㑒ケン」)
剛ゴウ・つよし(刂+音符「岡コウ」)
刻コク・きざむ(刂+音符「亥ガイ」)
剤ザイ(刂+音符「斉サイ」)
削サク・けずる(刂+音符「肖ショウ」)
刷サツ・はく(刂+「尸+巾」の会意)
刹サツ(刂+音符「殺の略」)
刺シ・さす(刂+音符「朿シ」)
剰ジョウ・あまる(刂+音符「乗ジョウ」)
制セイ・おさえる(刂+「未の変化形」の会意)
前ゼン・まえ(刂をふくむ会意)
創ソウ・つくる(刂+音符「倉ソウ」)
則ソク・のり(刂+貝の会意)
到トウ・いたる(刂「部首・音符」+至)
剝ハク・はぐ(刂+音符「彔ロク」)
判ハン・(刂+音符「半ハン」)
副フク・そう(刂+音符「畐フク」)
別ベツ・わかれる(刂を含む会意)
剖ボウ・さく(刂+音符「咅バイ」)
利リ(刂+禾の会意)
列レツ・つらなる(刂+歹の会意)
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