7月28日(土)午後、神戸市長田区の神戸定住外国人支援センターで開催された研修会で「音符を活用した漢字の学習方法」というテーマで話をさせていただきました。
集まったのは神戸に住む外国人に日本語学習を支援しているボランティアの方々13名。最初に私が強調したのは、漢字は絵文字から始まっているので基本漢字は絵文字から説明すると分かりやすい、ということです。私は常日頃から外国人に漢字を教えるのは絵文字から教えるのが一番効果があると思っていました。ですから、今回ボランティアの方々にもこの点を強調させていただいた次第です。木および木から派生した未、末、また水・川・女・母、それから又(もと右手の意)などについて絵文字から漢字への変遷をお話しました。
神戸定住外国人支援センターで
漢字音符とは何か
続いて漢字音符の説明です。漢字音符は「部首+音符」の形で現れるのが普通です。そこで、一つの例として橋キョウの字の音符である喬キョウを取り上げました。この字の成り立ちから、①たかい。②たかく曲がる。③まがる、という音符イメージ(メッセージ)があることを説明し、①のイメージでは、喬キョウ・驕キョウ、②では、橋キョウ・僑キョウ・嬌キョウ・蕎キョウ、③では矯キョウ、などの字が導かれることを説明しました。
このうち常用漢字は橋だけですが、音符イメージと部首を組み合わせると、合計7つの漢字が芋づる式に覚えられ、しかもこの音符の場合、発音がすべてキョウです。こんなおいしい覚え方は他にありません。最初、すこし固い表情だった参加者のみなさんも徐々になごんできました。
このあと、同じ音符でも発音が全くことなった字となる会意という結合方法は、音符としての役割を果たさないが、音符の意味が継続されるので準音符として扱うことを説明しました。(例:音符牙ガの芽ガ:雅ガは形声文字、一方、邪ジャ・穿センは会意文字)
テキスト「人の姿の音符1」を使って
ここまでが前半の1時間。後半は私が作成した資料「人の姿の音符1」をテキストとして進めさせていただきました。このテキストは人の立った姿や坐った姿だけを集めた音符ですが、例えば人のなかには、前後に並んだ从ジュウ(從の原字)、右向きに並んだ比ヒ、二人が背をむけた北ホク、立った人と逆さになった人が組み合わさった化カなどがあり、坐った人の姿には卩セツ、欠ケン(口をあけた形)、旡キ(後ろをむいて口をあけた形で既キの原字)など、合計35の音符を収録してあります。
このテキストを最初から最後まで説明すると、通常の授業の4~5回分となりますので、この日は最初の目次に出ている基本音符の横に古代文字を書き込んでいただきながら、簡単に成り立ちを説明するかたちにしました。一通り説明して残りの時間で、音符の中から化カ(かわる・かえる)と夾キョウ(はさむ・はさまれる)を選んで本文の説明をしました。このころになるとみなさん説明にひとつづつ頷いてくれる方が多く、漢字音符をご理解いただいたんだなと嬉しくなりました。研修終了後、ボランティアの方々から、「今まで部首を中心に漢字を教えていたが、音符の役割がよく分り大変参考になりました」という感想をいただきました。
本研修では、当支援センターの日本語コーディネーター・奥優伽子さんにお世話になりました。御礼を申し上げます。
集まったのは神戸に住む外国人に日本語学習を支援しているボランティアの方々13名。最初に私が強調したのは、漢字は絵文字から始まっているので基本漢字は絵文字から説明すると分かりやすい、ということです。私は常日頃から外国人に漢字を教えるのは絵文字から教えるのが一番効果があると思っていました。ですから、今回ボランティアの方々にもこの点を強調させていただいた次第です。木および木から派生した未、末、また水・川・女・母、それから又(もと右手の意)などについて絵文字から漢字への変遷をお話しました。
神戸定住外国人支援センターで
漢字音符とは何か
続いて漢字音符の説明です。漢字音符は「部首+音符」の形で現れるのが普通です。そこで、一つの例として橋キョウの字の音符である喬キョウを取り上げました。この字の成り立ちから、①たかい。②たかく曲がる。③まがる、という音符イメージ(メッセージ)があることを説明し、①のイメージでは、喬キョウ・驕キョウ、②では、橋キョウ・僑キョウ・嬌キョウ・蕎キョウ、③では矯キョウ、などの字が導かれることを説明しました。
このうち常用漢字は橋だけですが、音符イメージと部首を組み合わせると、合計7つの漢字が芋づる式に覚えられ、しかもこの音符の場合、発音がすべてキョウです。こんなおいしい覚え方は他にありません。最初、すこし固い表情だった参加者のみなさんも徐々になごんできました。
このあと、同じ音符でも発音が全くことなった字となる会意という結合方法は、音符としての役割を果たさないが、音符の意味が継続されるので準音符として扱うことを説明しました。(例:音符牙ガの芽ガ:雅ガは形声文字、一方、邪ジャ・穿センは会意文字)
テキスト「人の姿の音符1」を使って
ここまでが前半の1時間。後半は私が作成した資料「人の姿の音符1」をテキストとして進めさせていただきました。このテキストは人の立った姿や坐った姿だけを集めた音符ですが、例えば人のなかには、前後に並んだ从ジュウ(從の原字)、右向きに並んだ比ヒ、二人が背をむけた北ホク、立った人と逆さになった人が組み合わさった化カなどがあり、坐った人の姿には卩セツ、欠ケン(口をあけた形)、旡キ(後ろをむいて口をあけた形で既キの原字)など、合計35の音符を収録してあります。
このテキストを最初から最後まで説明すると、通常の授業の4~5回分となりますので、この日は最初の目次に出ている基本音符の横に古代文字を書き込んでいただきながら、簡単に成り立ちを説明するかたちにしました。一通り説明して残りの時間で、音符の中から化カ(かわる・かえる)と夾キョウ(はさむ・はさまれる)を選んで本文の説明をしました。このころになるとみなさん説明にひとつづつ頷いてくれる方が多く、漢字音符をご理解いただいたんだなと嬉しくなりました。研修終了後、ボランティアの方々から、「今まで部首を中心に漢字を教えていたが、音符の役割がよく分り大変参考になりました」という感想をいただきました。
本研修では、当支援センターの日本語コーディネーター・奥優伽子さんにお世話になりました。御礼を申し上げます。
実際に日本語教育に携わる方々にも受け入れられたようで(「みなさん説明にひとつづつ頷いてくれる方が多く」)、ふわふわしたいたモノが少し形になった気がしました。
ありがとうございました。