云 ウン・いう ニ部
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/71/4d/eaecd685fc0fe51a14526274426d478d.jpg)
解字 横の二線が天を表し、曲線は雲が巻いてのぼるさまを表す。甲骨文から雲の意味で使われており雲の原字。のち雨をつけて雲となり、もとの形の云は、「いう」「ここに」のように別の意義にもちいる。
意味 (1)いう(云う)。いわく。~という。「云為ウンイ」(言うこととすること)「云云ウンヌン」(しかじか。続きの言葉を省略する) (2)ここに。語調をととのえる語。
イメージ
「雲のかたち」(云・雲・曇)
雲が「たちのぼる・ただよう」(魂・芸・耘)
「同音代替」(壜)
音の変化 ウン:云・雲・芸・耘 コン:魂 タン:壜 ドン:曇
くも
雲 ウン・くも 雨部
解字 「雨(あめ)+云(くも)」の会意形声。云が「いう」意味に使われるようになったので、雨をつけて「くも」の意を表した。雨をもたらす雲の意。
意味 (1)くも(雲)。「雲海ウンカイ」 (2)雲のような。「星雲セイウン」 (3)そら。「青雲セイウン」
曇 ドン・タン・くもる 日部
解字 「日(太陽)+雲(くも)」の会意。雲が空をおおい日の光りをさえぎること。
意味 (1)くもる(曇る)。くもり(曇)。「曇天ドンテン」「晴曇セイドン」(晴れと曇り) (2)音訳字。「悉曇シッタン」(古代インドの梵語・シッダム(siddham)の音訳字。完成したものの意で書体の一つ。転じてサンスクリット学の意味になった)
たちのぼる・ただよう
魂 コン・たましい 鬼部
解字 「鬼(死者)+云(たちのぼる)」の会意形声。鬼は人の亡霊を描いた象形で、魂は死者からもやもやと立ちのぼるたましい(魂)の意。人の魂は死後に死体を離れ、雲気となって浮遊すると考えられていた[字統]。
意味 (1)たましい(魂)。人の生命をつかさどる精気。「招魂ショウコン」「鎮魂チンコン」 (2)こころ。思い。精神。「商魂ショウコン」「魂胆コンタン」
芸 ウン 艸部
解字 「艸(くさ)+云(たちのぼる・ただよう)」の会意形声。草の立ちのぼるように生い茂るさま。また、香りがただよう香草の意味で用いる。正式な字は草かんむりが「十十」の形(ネットではうまく出ない)。※ 芸術の「芸」とは別の字。
意味 (1)草木の生い茂るさま。「芸芸ウンウン」(①草木が生い茂る。②もやもやして数がおおいさま) (2)香草の名。ミカン科の多年草。香草で書物の虫除けに用いる。ヘンルーダ。「芸香ウンコウ」(香草の名。転じて、蔵書・書斎)「芸閣ウンカク」(書庫。書斎) (3)くさぎる。草を刈る。(耘ウンに通じた字)
耘 ウン・くさぎる 耒部
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解字 篆文の或体(同義の別の字)は、「耒(スキ)+芸(草が生い茂る)」の会意形声。生い茂る草をスキでたがやし「くさぎる」こと。雑草を除き去る意となる。隷書(漢代)から、艸が省かれた耘となった。
意味 (1)くさぎる(耘る)。田畑の雑草を除きさる。「耘鋤ウンジョ」(くさぎり、すく。鋤はスキ)「耘藝ウンゲイ」(雑草を除き作物を植える)「耘耨ウンドウ」(くさぎる。耘も耨も、くさぎる意) (2)たがやす。つちかう。「耘耘ウンウン」(耕作のさかんなさま)「耕耘機コウウンキ」(土壌をすきおこす機械)
同音代替
壜[罎] タン・ドン・かめ 土部
解字 「土(つち)+曇(タン)」の形声。タンは覃タン(ふかい)に通じ、口のすぼんだ底のふかい土製(陶器)の酒かめをいう。日本では、ガラス製の「びん」に用いる。「缶フ(素焼きの器)+曇」の罎タンは異体字。
意味 (1)かめ。大きい酒かめ。口のすぼみ胴の大きい陶製のかめ。「酒壜シュタン」(酒かめ)(2)[国]びん(罎)。ガラス製の容器。
<紫色は常用漢字>
<参考>
芸[藝] ゲイ・わざ・うえる 艸部
解字 旧字は藝で「艸(くさ)+埶ゲイ(草木を植え育てる)+云(=耘ウン。雑草を取り除く)」の会意形声。人が植物を植え、雑草を取り除いて草木を育てる意。のち、園芸の意味から転じて、人が身につけたさまざまな「わざ」の意になった。新字体は旧字から埶を省いた芸。これにより、この字の基本となる音符部分がすっぽり抜けてしまった。おまけに出来上がった新字体は、以前からある芸ウンと同じ字体になってしまった。出来のよくない新字体である。「文藝春秋」がいまだに旧字体を使う意味がよく理解できる。私が新字体をつくるなら、甲骨文字に里帰りして、埶の部分を⇒「木丸」にする。
意味 (1)わざ(芸)。身につけたわざ。技能。学問。「芸術ゲイジュツ」「芸能ゲイノウ」「芸苑ゲイエン」(学芸の世界) (2)うえる(芸える)。草木を植え育てる。「園芸エンゲイ」「農芸ノウゲイ」
なお、音符「埶ゲイ」も参照してください。
バックナンバーの検索方法
※一般の検索サイト(グーグル・ヤフーなど)で、「漢字の音符」と入れてから、調べたい漢字1字を入力して検索すると、その漢字の音符ページが上位で表示されます。
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解字 横の二線が天を表し、曲線は雲が巻いてのぼるさまを表す。甲骨文から雲の意味で使われており雲の原字。のち雨をつけて雲となり、もとの形の云は、「いう」「ここに」のように別の意義にもちいる。
意味 (1)いう(云う)。いわく。~という。「云為ウンイ」(言うこととすること)「云云ウンヌン」(しかじか。続きの言葉を省略する) (2)ここに。語調をととのえる語。
イメージ
「雲のかたち」(云・雲・曇)
雲が「たちのぼる・ただよう」(魂・芸・耘)
「同音代替」(壜)
音の変化 ウン:云・雲・芸・耘 コン:魂 タン:壜 ドン:曇
くも
雲 ウン・くも 雨部
解字 「雨(あめ)+云(くも)」の会意形声。云が「いう」意味に使われるようになったので、雨をつけて「くも」の意を表した。雨をもたらす雲の意。
意味 (1)くも(雲)。「雲海ウンカイ」 (2)雲のような。「星雲セイウン」 (3)そら。「青雲セイウン」
曇 ドン・タン・くもる 日部
解字 「日(太陽)+雲(くも)」の会意。雲が空をおおい日の光りをさえぎること。
意味 (1)くもる(曇る)。くもり(曇)。「曇天ドンテン」「晴曇セイドン」(晴れと曇り) (2)音訳字。「悉曇シッタン」(古代インドの梵語・シッダム(siddham)の音訳字。完成したものの意で書体の一つ。転じてサンスクリット学の意味になった)
たちのぼる・ただよう
魂 コン・たましい 鬼部
解字 「鬼(死者)+云(たちのぼる)」の会意形声。鬼は人の亡霊を描いた象形で、魂は死者からもやもやと立ちのぼるたましい(魂)の意。人の魂は死後に死体を離れ、雲気となって浮遊すると考えられていた[字統]。
意味 (1)たましい(魂)。人の生命をつかさどる精気。「招魂ショウコン」「鎮魂チンコン」 (2)こころ。思い。精神。「商魂ショウコン」「魂胆コンタン」
芸 ウン 艸部
解字 「艸(くさ)+云(たちのぼる・ただよう)」の会意形声。草の立ちのぼるように生い茂るさま。また、香りがただよう香草の意味で用いる。正式な字は草かんむりが「十十」の形(ネットではうまく出ない)。※ 芸術の「芸」とは別の字。
意味 (1)草木の生い茂るさま。「芸芸ウンウン」(①草木が生い茂る。②もやもやして数がおおいさま) (2)香草の名。ミカン科の多年草。香草で書物の虫除けに用いる。ヘンルーダ。「芸香ウンコウ」(香草の名。転じて、蔵書・書斎)「芸閣ウンカク」(書庫。書斎) (3)くさぎる。草を刈る。(耘ウンに通じた字)
耘 ウン・くさぎる 耒部
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解字 篆文の或体(同義の別の字)は、「耒(スキ)+芸(草が生い茂る)」の会意形声。生い茂る草をスキでたがやし「くさぎる」こと。雑草を除き去る意となる。隷書(漢代)から、艸が省かれた耘となった。
意味 (1)くさぎる(耘る)。田畑の雑草を除きさる。「耘鋤ウンジョ」(くさぎり、すく。鋤はスキ)「耘藝ウンゲイ」(雑草を除き作物を植える)「耘耨ウンドウ」(くさぎる。耘も耨も、くさぎる意) (2)たがやす。つちかう。「耘耘ウンウン」(耕作のさかんなさま)「耕耘機コウウンキ」(土壌をすきおこす機械)
同音代替
壜[罎] タン・ドン・かめ 土部
解字 「土(つち)+曇(タン)」の形声。タンは覃タン(ふかい)に通じ、口のすぼんだ底のふかい土製(陶器)の酒かめをいう。日本では、ガラス製の「びん」に用いる。「缶フ(素焼きの器)+曇」の罎タンは異体字。
意味 (1)かめ。大きい酒かめ。口のすぼみ胴の大きい陶製のかめ。「酒壜シュタン」(酒かめ)(2)[国]びん(罎)。ガラス製の容器。
<紫色は常用漢字>
<参考>
芸[藝] ゲイ・わざ・うえる 艸部
解字 旧字は藝で「艸(くさ)+埶ゲイ(草木を植え育てる)+云(=耘ウン。雑草を取り除く)」の会意形声。人が植物を植え、雑草を取り除いて草木を育てる意。のち、園芸の意味から転じて、人が身につけたさまざまな「わざ」の意になった。新字体は旧字から埶を省いた芸。これにより、この字の基本となる音符部分がすっぽり抜けてしまった。おまけに出来上がった新字体は、以前からある芸ウンと同じ字体になってしまった。出来のよくない新字体である。「文藝春秋」がいまだに旧字体を使う意味がよく理解できる。私が新字体をつくるなら、甲骨文字に里帰りして、埶の部分を⇒「木丸」にする。
意味 (1)わざ(芸)。身につけたわざ。技能。学問。「芸術ゲイジュツ」「芸能ゲイノウ」「芸苑ゲイエン」(学芸の世界) (2)うえる(芸える)。草木を植え育てる。「園芸エンゲイ」「農芸ノウゲイ」
なお、音符「埶ゲイ」も参照してください。
バックナンバーの検索方法
※一般の検索サイト(グーグル・ヤフーなど)で、「漢字の音符」と入れてから、調べたい漢字1字を入力して検索すると、その漢字の音符ページが上位で表示されます。