太宰治の未完の小説「グッド・バイ」のオマージュとして書かれた小説。
主人公である星野一彦は、<あのバス>で連れていかれることが決まっており、彼を監視している体型から態度まで規格外の繭美と一緒に、五股をかけていた5人の女性に、連れていかれる前に最後に別れ話をしに行くというストーリー。
五股をかけているというとんでもない主人公。おそらく実際にいたらめちゃくちゃ腹が立つだろう、まわりの迷惑も屁ともしないほどむかつく言動を繰り返す繭美。その二人とも嫌味を感じさせず、どうにも憎めない描き方で、二人は次どんな行動を取るのだろうと好奇心を刺激させられる。こういうのって伊坂幸太郎が得意とするところだな。
それにしても、それぞれ5人との女性のエピソードが、ほんと面白い。笑いあり、涙ありと、最後まで飽きさせず、楽しく読めちゃうね。
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