朝日新聞 2012年07月17日
■アイヌ民族副読本 編集委で合意
アイヌ民族の歴史や文化を扱った副読本の「修整」問題は、16日開かれた編集委員会で、発行元の財団法人「アイヌ文化振興・研究推進機構」(札幌市)による修整箇所を再検討した結果、主要部分は修整前の表現に戻すことなどで、編集委と財団側が合意した。財団は、遅れている今年度版を9月上旬をめどに発行し、小中学校に配布する。
財団が道内外の教育委員会などに通知した修整は小4用6カ所、中2用5カ所。修整では、明治政府が北海道を「(アイヌ民族に)ことわりなく、一方的に日本の一部とした」との表現が削除されたが、復活が決まった。「歴史の改ざん」と編集委員らの反発が強かった。
この部分を含めて4カ所は元の表現に戻し、7カ所は補足したり表現を改めたりすることになった。
16日の編集委後、記者会見した財団の西田俊夫・事務局長は、修整の際に編集委を開催せず反発や混乱を招いたことを「おわびする」と謝罪。8月2日に開く臨時理事会で、編集委の結果を報告し、了承を得るとした。
編集委員長の阿部一司・北海道アイヌ協会副理事長は「基本的に修整を元に戻す形となり、子どもたちの学習する権利も確保できた」と一定の評価をした。
ただ、来年度版以降の副読本は財団側が新たな編集委員による作成を決めている。阿部氏は「(副読本の内容と編集委員を)変える必要はない。アンケートでも今の副読本は活用しやすいという回答が7割を超えている」と指摘した。次の理事会では、この点も協議される。(泉賢司)
http://mytown.asahi.com/hokkaido/news.php?k_id=01000001207170002
■アイヌ民族副読本 編集委で合意
アイヌ民族の歴史や文化を扱った副読本の「修整」問題は、16日開かれた編集委員会で、発行元の財団法人「アイヌ文化振興・研究推進機構」(札幌市)による修整箇所を再検討した結果、主要部分は修整前の表現に戻すことなどで、編集委と財団側が合意した。財団は、遅れている今年度版を9月上旬をめどに発行し、小中学校に配布する。
財団が道内外の教育委員会などに通知した修整は小4用6カ所、中2用5カ所。修整では、明治政府が北海道を「(アイヌ民族に)ことわりなく、一方的に日本の一部とした」との表現が削除されたが、復活が決まった。「歴史の改ざん」と編集委員らの反発が強かった。
この部分を含めて4カ所は元の表現に戻し、7カ所は補足したり表現を改めたりすることになった。
16日の編集委後、記者会見した財団の西田俊夫・事務局長は、修整の際に編集委を開催せず反発や混乱を招いたことを「おわびする」と謝罪。8月2日に開く臨時理事会で、編集委の結果を報告し、了承を得るとした。
編集委員長の阿部一司・北海道アイヌ協会副理事長は「基本的に修整を元に戻す形となり、子どもたちの学習する権利も確保できた」と一定の評価をした。
ただ、来年度版以降の副読本は財団側が新たな編集委員による作成を決めている。阿部氏は「(副読本の内容と編集委員を)変える必要はない。アンケートでも今の副読本は活用しやすいという回答が7割を超えている」と指摘した。次の理事会では、この点も協議される。(泉賢司)
http://mytown.asahi.com/hokkaido/news.php?k_id=01000001207170002