朝日新聞 2012年07月02日
■札幌で3日まで
ささやぶの向こうでヒグマの目が鋭く光る。暗闇の中、シマフクロウがたくましい脚を見せて飛ぶ。東京在住の写真家、戸川覚さん(33)が知床の自然をテーマに撮影した写真展「在りて」が、札幌市内で開かれている。
戸川さんは大学時代、ネパールで中国から逃れて暮らすチベット族の人々と出会い、写真家を志した。日本の先住民族へと関心がつながり、「アイヌ民族の自然観が根付く土地、野生動物を写し、アイヌの人たちの姿を重ねたい」。そう思い、撮影地に最も変わらない風景がある知床を選んだ。
3年前から本格的に撮影を開始。羅臼町の祖父(動物小説家の戸川幸夫)の知人宅に住み込み、地元の人々との会話の中からヒグマの習性など自然や動物への考え方や知識を学んだ。
会場中央に天を仰いで角で背中をかくエゾシカの写真がある。森の中で5メートルほどの近さで2、3時間すごした。「最後の最後に、ぼくの存在に安心したのか体をかき出した。祈るようにも見える姿は、人間の姿と重なるように思うんです」
3日まで札幌市中央区北3西4のキヤノンギャラリーで。8月8~16日、羅臼町栄町の羅臼町公民館でも開く。
(林美子)
http://mytown.asahi.com/hokkaido/news.php?k_id=01000001207020007
■札幌で3日まで
ささやぶの向こうでヒグマの目が鋭く光る。暗闇の中、シマフクロウがたくましい脚を見せて飛ぶ。東京在住の写真家、戸川覚さん(33)が知床の自然をテーマに撮影した写真展「在りて」が、札幌市内で開かれている。
戸川さんは大学時代、ネパールで中国から逃れて暮らすチベット族の人々と出会い、写真家を志した。日本の先住民族へと関心がつながり、「アイヌ民族の自然観が根付く土地、野生動物を写し、アイヌの人たちの姿を重ねたい」。そう思い、撮影地に最も変わらない風景がある知床を選んだ。
3年前から本格的に撮影を開始。羅臼町の祖父(動物小説家の戸川幸夫)の知人宅に住み込み、地元の人々との会話の中からヒグマの習性など自然や動物への考え方や知識を学んだ。
会場中央に天を仰いで角で背中をかくエゾシカの写真がある。森の中で5メートルほどの近さで2、3時間すごした。「最後の最後に、ぼくの存在に安心したのか体をかき出した。祈るようにも見える姿は、人間の姿と重なるように思うんです」
3日まで札幌市中央区北3西4のキヤノンギャラリーで。8月8~16日、羅臼町栄町の羅臼町公民館でも開く。
(林美子)
http://mytown.asahi.com/hokkaido/news.php?k_id=01000001207020007