先住民族関連ニュース

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アイヌ民族副読本 見直し撤回を決定

2012-08-04 | アイヌ民族関連
北海道新聞 2012年08月03日朝刊
財団法人アイヌ文化振興・研究推進機構(札幌、中村睦男理事長)は2日、理事会を聞き、同機構が執筆者に無断で内容を書き換えたアイヌ民族に関する小中学生向けの副読本について、元の内容の副読本を継続して使用する一ことを正式に決定した。
理事会は札幌市内のホテルで聞かれ、副読本の内容を全面的に見直すとしていた従来の方針を撤回することを出席理事14人の全会一致で承認した。副読本は、これまでの執筆者との協議で決まった一部表現の変更点を反映させ、改訂版として本年度から配布する。
ただ、アイヌ民族の歴史に関する記述のあり方については今後、外部の専門家に依頼して内容を評価してもらうなど、長期的に検討を続けることも確認した。


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開発か環境か…アマゾンの巨大ダム建設

2012-08-04 | 先住民族関連
日テレNEWS24   2012年8月3日 13:11
 2014年のワールドカップ、そして2016年のオリンピックの開催国であるブラジル。いま、経済成長を続けるブラジルがある問題に直面していた。「開発と環境」どちらを優先させるのか…。アマゾン川に建設中の巨大ダムをめぐる問題を、ニューヨーク支局・柳沢高志記者が追った。
 ブラジル北東部の町、アルタミラ。アマゾン川の支流“シングー川”を1時間ほど下ると、土色の堤防が見えてきた。アマゾン川に建設中のベロモンテダムだ。完成すれば世界で三番目の大きさとなる巨大ダムである。ダムの撮影をしていると、建設現場の警備員が近づいてきて「ここは危険だから立ち去りなさい」と、忠告してきた。この厳重な警備には理由があった。
 反対派による抗議活動。そこには、アマゾンの先住民の姿もあった。なぜ、ダム建設に反対するのだろうか。先住民保護の専門家・マルセロ氏に尋ねた。
 「計画によると、ダムは川のこの部分をせきとめ、水路を造って人口の池に水をためるのです。この周辺には多くの先住民が住んでいますが、川が干上がってしまう可能性が高いのです」
 20キロにもわたって川の流れを変えるダム計画。先住民の村を流れる川が干上がるおそれが指摘されているのだ。
 アルタミラの町でグレージュンさん(22歳)という女性と出会い、その自宅を訪ねた。彼女の体全体に施されていたのはアマゾンの奥深くに暮らす先住民“シクリン族”伝統のペイント。「明日、村に帰るためにペイントしています」と、彼女は教えてくれた。グレージュンさんは、シクリン族の一人なのだ。グレージュンさんは将来、シクリン族の村で子供たちの先生になるために、町の高校に勉強に来ている。グレージュンさんの村にとってダムの建設は死活問題となっていた。彼女は深刻な表情を浮かべながらこう語ってくれた。
 「とても怖いです。川が干上がって魚が死んでしまうこと。それが私たちにとって何よりもおそれることなのです」
 広大なアマゾンの森林の中で数百年以上も変わらない、文明から閉ざされた生活を送ってきたシクリン族。シクリン族にとって川は欠かすことのできない生活の場なのだ。
なぜ、ブラジル政府はいま、ダム建設を進めるのだろうか。建設を行う電力会社の責任者を訪ねた。そこで責任者はこう説明してくれた。
 「ブラジルが年間3~4.5%の経済成長を続けるためには、3000メガワットのエネルギーが必要なのです。水力発電はクリーンなエネルギーなのです」
 私たちは、ダム建設現場の内部を撮影することを許可された。地面がむきだしとなった広大な建設現場に工事用車両が次々と土煙をあげながら行き来する。さらに、住み込みで働く2万人以上の作業員のための娯楽施設や食堂、理髪店までそろっていて、アマゾンの中とは思えない光景が広がっていた。
 巨大ダムの建設は町に変化をもたらしていた。ダム建設によって町には大勢の人が流れ込み、ホテルは建て増し工事を行っていた。さらにダム建設の補償として、電力会社は町に保育園やクリニックを建設。クリニックの利用者は「以前は子供の予防接種を受けるために遠くまで行かなければなりませんでしたが、とても近くなりました。ダムのおかげで町にも色々な変化が起きていてとても良いことです」と、語る。町では、ダム建設に対し賛成と反対の真っ二つに意見が割れていたのだ。グレージュンさんは、自らの心の内を強く訴える。
 「私が望んでいるのは、これまで通り、村の家族や親類が釣りや狩りや踊り、ペインティングをしながら明るく暮らしていけることだけです。アマゾンは私たちの命です。私はアマゾンの自然を守るために戦っていきます」
 先住民たちの思いは通じるのだろうか。ダムは2015年に発電を開始する予定だ。
http://news24.jp/articles/2012/08/03/10210955.html

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アイヌ副読本「修整」新委員での作成見送り

2012-08-04 | アイヌ民族関連
朝日新聞 2012年08月03日
■アイヌ副読本「修整」問題
■新委員での作成見送り
 財団法人「アイヌ文化振興・研究推進機構」(札幌市、中村睦男理事長)は2日、同市内で臨時理事会を開き、アイヌ文化や歴史を扱った小中学生用副読本の「修整」問題について、主要部分の表記を元に戻すなどし、新しい編集委員による新副読本の作成は見送るという事務局の方針変更を承認した。2012年度用の副読本は、編集委員会で合意を得た手直しを反映して改訂版を作成し、2学期内を目標に配布する。
   ◇
■発行元財団 主要部分、表記戻す
 承認された変更方針などによると、財団が3月下旬に修整した11カ所のうち、11年度版から削除・変更していた、明治政府が北海道を「(アイヌ民族に)ことわりなく、一方的に日本の一部とした」との表現を復活。他の部分も元に戻したり、補足説明を加えたりして、理解しやすくする。
 今後の副読本のあり方については、教育関係機関と連携して活用促進などを図る研究・検討を進め、歴史学などの専門家による第三者評価を採り入れることも検討するとした。
 修整は、昨年12月の道議会での一部議員の指摘などを受ける形で、編集委員会を開かずに財団が行い、5月の理事会では、新たな編集委員を選んで副読本を作り直す方針が了承された。
 だが、編集委員らは「歴史の改ざんになる」などと反発。北海道アイヌ協会(加藤忠理事長)が、政治的介入などがないよう適切な対応を財団に求めたのをはじめ、道内外のアイヌ団体関係者らも要請文や約2万9千人の署名を提出するなど関心が高まった。
 財団の評議員会や理事会でも「財団の手続きに問題がある」との意見が出たことなどから、事務局は編集委員会を3度にわたって開催し、編集委員らと修整箇所を再検討した。
 財団の西田俊夫事務局長は2日の理事会で、方針変更の理由について、修整に編集委員の理解が得られなかったことと、副読本作成の様々な課題について不断の研究・検討が必要なためとした。そして「(修整問題での)事務局の対応をめぐり、ご心配とご迷惑をおかけしたことをおわび申し上げる」と陳謝した。
 理事の一人で編集委員長でもある阿部一司・北海道アイヌ協会副理事長は「(修整が)元に戻り、ひと安心している。これで子どもたちに副読本を届けることができる。二度とこのようなことがないよう、私たちも心したい」と話した。
   ◇
■歴史認識の薄さ露呈
■財団は研究に支援を
■井上勝生・北大名誉教授(日本近代史)の話
 修整は財団のアイヌ史への驚くべき認識の薄さを示したもので、財団がアイヌ民族の歴史をどう考えているのかが問われた。財団のやるべきことは、アイヌ民族が受けた被害をきちんと掘り起こしていくことで、いまの副読本の内容でも十分とは言えない。未解明の部分も多いアイヌ近代史の研究を、財団はきちんとバックアップしてもらいたい。
   ◇
■「民族共生」へ問われる姿勢
 《解説》アイヌ副読本の「修整」問題をめぐり、4カ月にわたった混乱がようやく一段落した。
 原因は、財団による修整が編集委員との十分な協議を経ないまま行われた「拙速さ」にあり、財団の信頼回復や事業展開のあり方にも課題を残した。
 国と道の補助金を元に事業を展開する財団が、アイヌ政策をめぐる国、道の動き、国会議員、道議らの指摘に注意を払うのは、ある意味当然と言える。だが、意識するあまり、しかるべき手続きもせずに結論を急いでは、財団の自立性そのものが問われかねない。
 財団は「アイヌ民族の誇りが尊重される社会の実現」を基本理念に掲げ、今年、設立15周年という一つの節目を迎えた。
 アイヌ文化振興法に基づき、法に規定された業務を担う国内唯一の法人として国から指定され、アイヌ関連の研究推進や道内外で開くアイヌ文化フェスティバル、文化伝承再生事業、アイヌ語講座など、財団の事業は多岐にわたる。
 政府のアイヌ政策推進会議は7月、今後の施策展開の「方向性」をまとめた。財団の果たすべき役割への期待は高まる。
 副読本問題をめぐり、北海道アイヌ協会は財団に出した要望書の中で、アイヌ民族の歴史の正しい理解が「新しい政策樹立の理念の根幹になる」と指摘した。
 一連の問題は、民族共生を目指す事業に取り組む財団の姿勢を、改めて問い直したと言える。
(泉賢司)
http://mytown.asahi.com/hokkaido/news.php?k_id=01000001208030005

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卓上四季 ムラおさの宴

2012-08-04 | アイヌ民族関連
北海道新聞 2012・8・3
むかし、胆振国の富岸(とんけし)(現在の登別市富岸町)にアイヌ民族の大きな集落があり、6人の首領が住んでいた。日高から来た男が丘を見ると、1匹のウサギが沖に向かって何か招き寄せている▼男は警告した。<オレプンペ ヤン ナ ホクレ キラ>(津波が来るぞ。早く逃げろ)。ところが、酒宴中の首領たちは<ホッ オレプンペ ヤン チキ タプネ アカル アンノ アカル>(へん。津波なぞ来てみろ。こうしてやる。ああしてやる)と刀を振り回すだけ。集落は津波にのまれてしまった▼知里真志保編訳「アイヌ民譚集」(岩波文庫)にある。アイヌ語で海に白波が立つことを「イセポ・テレケ(ウサギが・とぶ)」といい、ウサギが津波を呼ぶと信じられていたそう▼「原子力ムラ」の“首領”たちは大津波の危険に目を覆い、「安全神話」を振りまく宴に興じていたのではないか―。原発事故の被災住民らが東電幹部や政府関係者を刑事告訴・告発したのは、あれほどの被害をもたらしながら、誰も責任を取らない無責任体質への憤りゆえだろう▼おととい、検察当局は告訴を受理した。が、早くも立件は困難だと言う声が聞かれる。未曽有の放射能災害だ。前例にとらわれず、徹底捜査を求めたい▼それは、原発再稼働について「一日も早い方がいい」などと発言する“ムラおさ”たちへの注意喚起にもなろう。
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/fourseasons/392984.html

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