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DAPLへの投融資撤退求め市民団体が三大銀行に反対署名

2017-02-24 | アイヌ民族関連
オルタナ 2017年2月23日 7:58 PM

2月17日、東京・大手町にあるみずほ銀行の前に、アイヌ民族やニュージーランドのマオリ族を始めとする市民グループが集まった。彼らは米国で進む石油パイプライン建設への投資撤退を求める署名を同行に提出した。当日の模様を報告する。(寄稿・棚尾 真理絵)
東京・大手町にあるみずほ銀行の前で 写真:井口康弘
この署名は、米・ノースダコタ州で計画が予定されているダコタ・アクセス・パイプライン(DAPL)の建設に関する投融資撤退(ダイベストメント)を求めた。この建設に投融資している日本の三大銀行(みずほ銀行、東京三菱UFJ銀行、住友三井ファイナンシャルグループ)に対し、11,300人の署名が集まった。
DAPLには世界40弱の銀行が投融資しており、投融資撤退を求める動きは東京だけでなく、国際的に行われている。
■DAPLとは?
ノースダコタ州からイリノイ州までの1886キロに渡って石油パイプラインを建設するもの。ノースダコタ州にあるネイティブアメリカンのスー族の保留地であるスタンディングロックも計画地に含まれている。同地には、スー族にとって唯一の飲料水の水源である湖があり、スー族は当初から建設に反対していた。
この事業は、ネイティブアメリカンの聖地に危害を加えるとし、2016年4月から、500を超える先住民族と数万の支持者が、現地で非暴力の抗議を続けてきた。
2016年12月4日には、パイプラインの建設は合衆国連邦法により一時的に停止された。しかし、1月24日のトランプ新政権による人権や環境権を無視した大統領令で、この計画が再び進められた。
現在、DAPLをめぐる戦いの最前線にいるスー族は、緊迫した状況に立たされている。
2月初旬、トランプ大統領のダコタ・アクセス・パイプラインとキーストーンXLパイプラインの建設を進めることを求める大統領令に従って、米国陸軍工兵部隊が、プロジェクトに関する環境調査を中止し、建設を完了させる許可を与えると発表した。
2月22日には、DAPLの建設に反対し、現地にキャンプを設営して抗議運動を続けてきた人々に対して、行政側による強制的な取り締りが始まった。
状況は過酷になる一方だが、スタンディングロックの人々と彼らの清潔な水への権利を支持することを表明する投資家も現れている。特筆すべきは、米国で最大規模を持つ公的年金基金の一つであるカリフォルニア州職員退職年金基金(CalPERS)が、主要な米国の銀行と国際的な銀行に対し、その他100以上の機関投資家とともに、DAPLのルートを変更するように呼びかけた。
この呼びかけを行った、機関投資家の運用資産総額は6,530億米ドル(約74兆円)。CalPERSなどの機関投資家がこういった重要な市民運動を積極的に受け入れているということは、現在も運動に関わっている人々へ希望をもたらしたであろう。
アオテアロア・アイヌモシ交留プログラムの代表である、シマダ・アケミさんは、東京での署名提出に参加した。署名提出にあたり、シマダさんは水の重要性について強調し、「水はアイヌにとっても、すべての生き物が生きていく上で必要なものです。水こそが、私たちが日本の銀行に対してダコタ・アクセス・パイプラインから撤退するよう求める理由です」と話した。
もし人々が、「行動を続ければ、(プロジェクトを止める)機会がやってくるでしょう。だから私は努力し続けたいと思います」と続けた。
署名提出者の一人、オカザキ・タカさんは、銀行が説明責任を果たし続ける上でメディアが果たす役割について強調した。メディアは「みずほ、三井住友、三菱東京UFJの広報部と連絡を取り、この署名についてどのように対応するのかといった簡単な質問を聞くべき」と話した。

三菱東京UFJの前で 写真:井口康弘
パイプライン建設の人道的・環境的な影響に深い懸念を表明するために、異なった背景を持つ人々が集まることはとても美しく、素晴らしいことだ。情報を持つ市民の力が変化を生み出すということを強く信じさせる出来事である。
環境、人道、社会問題などが加速する中で、気候変動の問題に対してまったく関与がない人はいないだろう。点と点をつなぎ、私たちの生きる権利を脅かす問題に対して何ができるのか考えることを促すのが、私たちの社会的義務だと考える。
スー族への人権侵害は、直接日本の銀行の投資活動に関係がある。DAPLに投資している全ての日本の民間銀行が、金融機関にプロジェクトファイナンスの環境社会リスクの特定・評価・対処を求めるフレームワークである赤道原則に署名している。
先住民族の生活への深刻なダメージの可能性や地元の抗議者への暴力的な取り締まりは、赤道原則に反する行為だ。
東京でのアクションをスタンディングロックでの運動につなげることは、私たちが本当の変革を求めて声を上げることを後押しする力と情熱を与えてくれる。
個人としてできることもある。これらの銀行へダコタ・アクセス・パイプラインへの投融資を止めるようにインターネットから簡単にメッセージを送ることができる。もちろん直接電話をしたり、手紙を書いたりすることも可能だ。ぜひ銀行にあなたの一声を。
当日の模様を収めた動画➡ https://www.youtube.com/watch?v=i4viOF6mNrg
http://alternas.jp/study/global/68439

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米石油パイプライン計画、抗議の先住民ら期限受け退去 10人拘束

2017-02-24 | 先住民族関連
AFPBB News-2017年02月23日 21:02 発信地:シカゴ/米国

米ノースダコタ州キャノンボールで、火が付けられた建造物(2017年2月22日撮影)。(c)AFP/Getty Images/Stephen Yang
【2月23日 AFP】米ノースダコタ(North Dakota)州を通る石油パイプラインの建設計画に反対し、建設予定地で1年近くにわたり抗議活動をしていた先住民やその支持者らの多くが退去期限の22日、占拠していた場所を明け渡した。
 当局によると期限の現地時間22日午後2時(日本時間23日午前5時)を過ぎても退去しなかった約10人の活動家の身柄が拘束された。
 ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領は先に、パイプラインの建設計画を再開させる大統領令に署名していた。最終的な許可が発行されるのとほぼ同時に「ダコタ・アクセス・パイプライン(Dakota Access Pipiline)」の建設が開始された。
 先住民とその支持者らは、伝統的な歌を歌い、ドラムをたたきながら占拠していた連邦政府の土地から退去した。建設予定地は一時、数千人の人たちが占拠していた。
 パイプラインの建設計画に反対する人たちの多くは、先住民スタンディングロック・スー族(Standing Rock Sioux Tribe)が利用する飲料水が汚染される恐れがあると訴えている。一方、建設会社エナジー・トランスファー・パートナーズ(Energy Transfer Partners)は、環境災害を防ぐための最新技術を使っているため安全だと主張している。
 建設予定地を占拠していた人たちの中には、退去する際に儀式と称して一部の建造物を燃やすなどの行為を働くものもいた。
 当局によると約20か所で火が付けられた他、少なくとも2回の爆発があり男児(7)と少女(17)がやけどを負って病院に搬送された。(c)AFP
http://www.afpbb.com/articles/-/3118978?pid=18756918

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ダコタ・アクセス・パイプライン反対の抗議デモ、退去命令に従わない参加者を逮捕 デモの拠点はゴミだらけ

2017-02-24 | 先住民族関連
The Huffington Post  |  執筆者: Michael McLaughlin, Josh Morgan
投稿日: 2017年02月23日 18時13分 JST 更新: 2017年02月23日 18時17分 JST

アメリカの治安当局は2月22日午後、ノースダコタ州にあるアメリカ先住民スタンディングロック・スー族の居留地で、石油パイプライン「ダコタ・アクセス・パイプライン」建設に抗議するデモ参加者を逮捕した。
ミズーリ川近くの連邦政府の所有地にある、抗議デモ参加者が数カ月にわたって占拠してきた拠点「オセチ・サコウィン・キャンプ」について、アメリカ陸軍工兵司令部とダグ・バーガム州知事(共和党)がキャンプからの撤退命令を出していたが、撤退期限と定められた午後2時を過ぎてもデモ参加者が留まっていたため、逮捕に踏み切った。
ダコタ・アクセス・パイプラインは、「エナジー・トランスファー・パートナーズ」がノースダコタ州からイリノイ州までをつなぐ1172マイル(約1886キロメートル)のパイプラインを建設するプロジェクト。建設ルート近くの居留地に住むアメリカ先住民スタンディングロック・スー族とその支援者たちが、水源のミズーリ川が汚染されることを懸念し、「水の保護者」として抗議デモを続けていた。陸軍省は2016年12月4日、ミズーリ川をせき止めたダム湖「オアへ湖」の地下にパイプラインを通す工事を認可しないと発表し、建設は中断されていた。
スタンディングロック・スー族はこの計画に一貫して反対しており、部族が生活する居留地の水資源に打撃を与え、神聖な土地を脅かし、連邦文化財保護法とスタンディングロック・スー族ら先住民の居留地を侵害しないと約束した1851年のフォート・ララミー条約に違反しており、連邦当局はパイプラインが環境に及ぼすリスクを適切に調査していないと主張している。
しかしトランプ大統領は1月24日、ダコタ・アクセス・パイプラインの工事を完了させ、カナダのアルバータ州からネブラスカ州までの1179マイル(約1897 キロメートル)をつなぐパイプライン「キーストーンXL」建設を手がける「トランスカナダ」に、オバマ前大統領が2015年に却下した建設計画の再申請をするように促す大統領令を出した。トランプ氏は建設再開で何千人もの雇用が生まれると述べた。
大統領令を受けてアメリカ陸軍省は7日、環境に及ぼす影響調査が完了するまで建設許可を与えないとしていた方針を覆し、環境調査を中止し、建設を完了させる許可を与えると発表した。エナジー・トランスファー・パートナーズは9日からパイプラインの最終区間の建設を開始した。
ワシントン連邦地裁のジェームス・ボアズバーグ判事はエナジー・トランスファー・パートナーズ社に対し、ノースダコタ州の貯水湖の地下にパイプラインを通す工事再開を認めた。一方、パイプライン計画に反対するアメリカ先住民の訴訟が現在も複数進行している。
ノースダコタ州当局は22日、ハフィントンポストUS版に「約100人の警官グループが、撤退命令を拒否したデモ参加者を10人ほど検挙した」と伝えた。
警察と交渉した抗議デモ参加者は、「投降した人は軽犯罪にしか問われない」と発表していた。キャンプにいるハフィントンポストUS版のカメラマンによると、参加者はこの取引に応じていない。
「私はこのために来ました」と、ロサンゼルス在住のシャリー・グレナウさん(33)は撤退期限が過ぎた後語った。 「今傷ついている人たちを見捨てたくない。彼らとともにいたいのです」
他の抗議デモ参加者たちはドラムを鳴らし、歌いながら高速道路に沿って橋を渡り、チャーターバスに乗った。
陸軍隊員とバーガム州知事は、安全衛生上のリスクからキャンプを閉鎖する必要があると述べた。 キャンプの瓦礫や人の糞尿が残ることによって、雪が溶ける際に近隣の川が汚染される可能性があるという。
22日朝の時点で数百人の抗議デモ参加者が残っており、まだ泥だらけの水面に浮かんだキャンプの周囲には、テントやその他の建物が多く立ち並んでいる。雨と雪が混ざり合って降る間に、何度も火事が発生し、ユルト(移動テント)や他の捨てられた住居を破壊していった。
「水の保護者」の別名でも知られる残りの抗議デモ参加者たちが期限に間に合うよう撤退を急ぐ中、現場のあらゆる場所にごみの山や大型ごみ容器が散在していた。抗議デモの支援団体「先住民環境ネットワーク」によると、陸軍省は撤退期限延長の要請を拒否した。
抗議デモがピークに達した2016年12月、キャンプは何千人ものアメリカ先住民と、彼らを支援する退役軍人、環境活動家たちであふれかえった。
治安当局やパイプラインを警備する職員たちが抗議デモ参加者たちに放水したり、暴力的な取り締まりをしている映像に刺激され、多くのアメリカ人が先住民を支援するためオセチ・サコウィン・キャンプや他のキャンプに参加し、数十万ドルの寄付が集まった。
ダコタ・アクセス・パイプラインの建設を中止させようとするデモキャンプは、テキサスやフロリダなど、アメリカ各地に広がり、環境抗議活動の大きなうねりとなっていった。
「キャンプは、暗闇の中の光明でした」と、「先住民族環境ネットワーク」代表ダラス・ゴールドトゥース氏は語った。「アメリカ中の闘いの火に、燃料を注いだのです」
治安当局は、抗議活動の長期化で人員不足を訴えていた。抗議活動の取り締まりを担当したモートン郡保安部とビスマルク警察を支援するため、875万ドル(約9.9億円)以上をかけて1421人の州兵を配備した。
陸軍省から撤退命令が出された後、人々は大挙してキャンプを離れ始めた。スタンディングロック・スー族は、キャンプでの抗議活動から法廷闘争に戦略を切り替えたことや、大草原の厳しい冬への懸念などから、1月にも彼らにキャンプを離れるように要請していた。
石油パイプライン建設作業のほとんどはすでに完了している。しかし先住民スタンディングロック・スー族の居留地付近を通過する最終区間は、先住民と何千人もの抗議デモにあい中断となっていた。ABCニュースによると、エナジー・トランスファー・パートナーズ社は3月6日にも石油をパイプラインで移送可能だという見通しを示した。
すでに多くの人々が帰宅しているが、他のキャンプに移る人々もいる。彼らは、オセチ・サコウィン・キャンプに何百ものテントやその他の建造物、そして有害になるほどの量の汚物をキャンプに置き去りにしていった。
清掃作業は数週間前から始まった。 AP通信によると、月曜日にはトラック230台分以上のゴミが運ばれていったという。ノースダコタ州の当局者は、抗議デモから帰宅する人たちのためにバス運賃、水、軽食、健康診断などを提供するセンターを設置したと発表した。
モントリオールから来たアフナン・カーンさん(21)は4日前に友人と一緒にキャンプ場の清掃を手伝った。
「この運動で、現地の人々が自分の地域社会でこの戦いの支配権を取り戻し、闘い続けていく力を与える手助けが出来たと感じています」と、カーンさんはハフィントンポストUS版に語った。
反対運動をしている人々の一部は帰宅することに断腸の思いを抱えている。彼らは、雪解けでキャンプがぬかるんで不衛生な状態になっているという主張は誇張されたものだと考えている。 ルイス・グラスロープさん(39)は8月からオセチ・セコウィン・キャンプに滞在していたが、数日前にサウスダコタ州ローワー・ブルーレイにあるホテルの予約をし、自宅に戻った。 彼は、撤退命令期限が過ぎた後、当局がテントや他のものを撤去するのではないかと心配していた。
グラスロープさんはキャンプで行われた民主的な意思決定プロセスに驚いたという。また、巨大なキッチン、セキュリティ、診療所といったキャンプコミュニティのサービスがうまく機能していると感じた。
「ここに来た人はみんな自由の身となっています。私たちの日常生活からも自由になっているんです」と、グラスロープさんは語った。「人々はキャンプでの生活が環境破壊をもたらすと捉えています。しかし、あそこは今も美しい場所なんです」
写真家ジョシュ・モーガンがノースダコタ州からレポート
http://www.huffingtonpost.jp/2017/02/23/dapl_n_14952560.html

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刑事法の大学教授ら64人・アムネスティなど、山城博治さんの釈放求め声明

2017-02-24 | ウチナー・沖縄
アイデアニュース- 2017年2月23日
筆者: 松中みどり

2016年10月17日、沖縄の米軍オスプレイ用ヘリパッド建設に対する抗議行動で、侵入防止用フェンス上の有刺鉄線一本を切ったとされて準現行犯逮捕された山城博治さんは、2017年2月22日現在、今も那覇拘置所に勾留されています。逮捕されてから2月23日で130日となります。
筆者は、2017年2月9日から12日まで、沖縄に行ってきました。那覇地裁前では大きな抗議集会がおこなわれ、そうでない日も「サイレントアピール」を担っている市民がいました。辺野古の座り込みの現場でも、日毎入れ替わり立ち替わりマイクを握り、リードする人がいます。博治さんが帰ってくるまで、みんなが自分の力を精一杯出して、最大限支えようとしている。そんな気がしました。「沖縄平和運動センター議長」の山城博治さんはなぜ逮捕され、そしてなぜ沖縄の、日本各地の、世界各地の、多くの人が彼の釈放を求めているのか。沖縄の現地取材報告です。
 刑事法を研究する大学教授、准教授、講師らが「山城博治氏の釈放を求める刑事法研究者の緊急声明」を発表したのは2016年12月28日。声明は、切断されたのは2,000円相当の有刺鉄線1本で、必要な捜査も終わっており、長期勾留は刑事訴訟法第91条の「不当に長い拘禁」(⇒条文)にあたり、速やかに解放すべきとしています。声明に名前を連ねた刑事法を研究している教授、准教授、講師らは、沖縄国際大学、琉球大学をはじめ、宮崎産業経営大学、熊本大学、佐賀大学、九州大学、九州国際大学、久留米大学、西南学院大学、福岡教育大学、山口大学、島根大学、岡山商科大学、高知大学、神戸学院大学、甲南大学、関西学院大学、大阪大学、大阪市立大学、大阪経済法科大学、立命館大学、龍谷大学、京都女子大、名古屋大学、一橋大学、東京造形大学、東京経済大学、駒沢大学、青山学院大学、関東学院大学、國學院大學、立正大学、独協大学、宇都宮大学、茨城大学、福島大学、山形大学などの先生方です。(⇒声明と賛同者のリストはこちら)
さらに、国際人権団体「アムネスティ・インターナショナル」日本支部は2017年1月27日、「山城博治さんの速やかな釈放を求める」声明を発表しました(⇒声明)。アムネスティは、証拠隠滅の可能性が極めて低い状況でのこのような拘禁は身体の自由への侵害であり、山城さんを速やかに釈放するよう検察当局に強く求める、としています。山城さんが家族とも面会できない状態に置かれていることは、被拘禁者処遇最低基準規則(マンデラルール)58条1項が「定期的に家族および友人の訪問を受けることが許されなければならない」としていることに反しており、家族の訪問は保障されるべきだとしています。
アムネスティの声明に出てくる国連被拘禁者処遇最低基準規則(ネルソン・マンデラ・ルールズ)は、2015年12月、国連総会において満場一致で採択改訂されたものです(⇒詳細)。なお、琉球新報によると、アムネスティは、ミャンマー民主化指導者のアウン・サン・スー・チーさんらが認定された「良心の囚人」に、山城さんを認定することも検討しているとのことです(⇒琉球新報の記事)。
山城博治さんの名前は、沖縄でずっと続いている米軍基地基地建設反対運動に心を寄せてきた人たちにとっては特別なもの。その名を口にすると笑顔になり、勇気をもらえる名前です。一方で、沖縄以外のマスメディアにあまり登場しない名前であり、知っている人と知らない人の温度差が非常に大きいことの象徴にも感じられます。
沖縄平和運動センター議長で、常に現場で基地反対の運動をまとめてきた博治さんは、2016年1月初めて沖縄・辺野古に座り込みに行った新参者の私を、「よく来たよく来た」と温かく迎え入れてくれました。こちらの記事をご覧ください→人にも動物にも優しく、ただただ平和に仲良く生きようと願う 辺野古レポート(下)
2016年1月に初めて会った博治さんは、顔をくしゃくしゃにして笑い、感動すれば涙声になり、突然踊りだし、大きな声で歌う、人間味あふれる魅力的な現場のリーダーでした。アジテーションの超が付くほどのうまさ、うまくないけど素敵な歌、楽しく明るい雰囲気を生み出し、みんなを巻き込む博治さん。誰かが警察に連れて行かれたとなれば、取り戻すまでずっと、声を枯らして抗議をし、捕らわれた仲間に向かってエールを送り続ける人です。
筆者は、2017年2月9日から12日まで、沖縄に行ってきました。那覇地裁前では大きな抗議集会がおこなわれ、そうでない日も前述のようにサイレントアピールを担っている市民がいました。座り込みの現場でも日毎入れ替わり立ち替わりマイクを握り、リードする人がいます。博治さんが帰ってくるまで、みんなが自分の力を精一杯出して、最大限支えようとしている。そんな気がしました。
■私も博治さんに手紙を書きました。この心が届きますようにと願っています
沖縄タイムスの社説(有料部分で紹介しています)にならい、私も博治さんへの手紙を掲載します。この心が届きますようにと願っています。
災害現場から博治さんへ
山城博治さん、この手紙を書いているのは、2016年10月17日にあなたが逮捕されてから4ヵ月と1日が過ぎたまだ寒さの残る2月18日です。初めて博治さんに辺野古のゲート前でお目にかかった日に差し上げた「漁網ブレスレット」、覚えておられるでしょうか。東日本大震災で被災した岩手県の漁師さんが、大切な生活道具だった漁網も津波で流され、捨てるに捨てられない破れた網を泣きながら洗っていたとき、この網で何か出来ないかと思ったことがきっかけで生まれたアクセサリーです。魚が獲れなくなり絶望の淵にある被災者へ、応援する気持ちを伝える漁網を使ったストラップやブレスレットを「すごくいい話だね。素敵だ」と嬉しそうに手に取ってくれましたね。
東日本大震災の被災地でも、たくさんの人が博治さんたちの沖縄の闘いを気にかけ、本当はその場に飛んでいきたいと思うほど心を寄せておられました。いざというとき、国に守ってもらえなかった体験をした人であればあるほど、人々の民意を踏みにじって強行される基地建設に怒りと危機感を覚えているからです。
福島の人たちは特にその思いが強いのではないでしょうか。今回、一緒に那覇地裁前でサイレントアピールをおこない、辺野古のゲート前では一緒にごぼう抜きをされた古い友人は、福島でずっと医師として働き、特に子どもたちの健康状態を診てきた人です。穏やかな人ですが、政治と政治家の理不尽さに怒りを覚える気持ちは誰にも負けないと思います。彼もまた、博治さんたちの解放を願っている被災地の仲間です。
フィリピンのピナツボ火山噴火被災者もまた、沖縄の基地のことを話したらとてもよく分かってくれます。なぜなら彼らも、大きな災害で故郷の風景が一変したあと、米軍が火山灰で使い物にならなくなった基地を捨てて出て行ったことをよく覚えているからです。基地があっても、その周辺の市民が守ってもらえるわけではないこと。そして、クラーク空軍基地もスービック海軍基地も米軍撤退後は経済特別区となり、地域の経済が上向いたことをよく知っているからです。米軍がいなくなった基地跡に次々出来たホテルやショッピングセンターで、多くの火山噴火被災者が働いています。
特に、火山噴火で大きな影響を受けた山岳先住民族アエタの人たちは、沖縄の人々が感じていることを一番よく分かるだろうと思います。先祖代々暮らしてきたピナツボ山の土地を、力とお金のある人たち~米軍とフィリピン政府、大企業に奪われた上、『遅れた』『野蛮な』『自分たちとは違う』存在だという視線をずっと受けてきた人たちだからです。沖縄で、こんなことがあったよと話すと、自分たちはその場にいけないけれどずっと祈っています。応援しますと言ってくれました。
私も被災者のひとりである阪神淡路大震災の被災地域でも、博治さんたちのことを忘れず、連帯しようと訴える人が少なからずいます。神戸では、もう22年以上の年月が流れてなお、借上げ復興公営住宅から被災者を退去させようと、自治体が被災者を訴えるというとんでもない裁判が進行中です。ここで踏みとどまらなければ、他の被災地に対し、悪しき前例を残すことになると、闘い続ける人がいます。そのことは、私も辺野古の座り来み現場で何度か話をさせてもらいました。そのような経験をしているからこそ、沖縄の人たちに心を寄せ思いを馳せ、現場に駆け付ける人が多いのでしょう。
博治さん、地震や津波、火山噴火など自然の大きな力に見舞われたあと、政治的にも翻弄され、取り残された人たちは、互いに手をつなぐことで力を得ています。博治さんたちと連帯し、ともにありたいと願うたくさんの人たちが、国内の、そして世界の被災地にたくさんいることを覚えていてください。体に十分気を付けてお過ごしくださいね。またあの笑顔を見せてもらえる日を心から楽しみにしています。
https://ideanews.jp/archives/37968

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担い手育成事業の研修生5人 活動成果を企画展に-アイヌ民博

2017-02-24 | アイヌ民族関連
苫小牧民報(2017年 2/23)

来場を呼び掛ける第3期担い手研修生
 白老町のアイヌ民族博物館で行われている担い手育成事業(アイヌ文化振興・研究推進機構主催)の第3期研修生が来月、3年間のカリキュラムを終える。その成果発表の場となる企画展が25日から同館内で開かれる。テーマは研修裏話や歴史講座、民族楽器の演奏などさまざま。いずれも参加無料(町民以外は別途入館料)で多くの参加を呼び掛けている。
 担い手育成事業は同機構が2008年から実施している1期3年の人材育成カリキュラム。座学や現地研修などを通じてアイヌ文化を学ぶ内容で、過去2回で10人の修了生を輩出した。第3期には中井貴規さん(39)、木幡弘文さん(30)、新谷裕也さん(26)、山本りえさん(29)、山丸賢雄さん(22)の5人が受講している。
 3年の研修成果となる企画展は25日から3週連続で土曜日に開催。25日午後1時からは館内の伝統家屋「チセ」で神に祈るカムイノミを執り行った後、研修生が余興で古式舞踊などを披露する。
 研修裏話を語る木幡さんは「3年で学んだことや感じたことを赤裸々に話したい」と語り、白老アイヌの暮らしなどを紹介する山丸さんも「過去、現在、未来の白老コタンの話をする。地元の皆さんに聞いてほしい」と呼び掛ける。
 発表内容は次の通り。
 ▽ギャラリートーク「研修裏話~担い手あれこれ」。2月25日午後2時から。木幡さんが展示品とともに3年間の研修内容を紹介する。
 ▽芸能講座「西海岸・東海岸のトンコリ」。3月4日午前10時から。山本さんが講師を務め、樺太アイヌの伝統楽器トンコリを参加者と一緒に演奏体験する。中学生以上が対象で先着10人(要予約)。3月1日締め切り。
 ▽工芸体験「アイヌの編み物~自分だけのブレスレットを作ろう」。同午後1時から。新谷さんがアイヌの伝統的な編み方によるブレスレット作りをレクチャーする(予約終了)。
 ▽ギャラリートーク「スクプクルヤイエトゥイタク~担い手が自ら語る物語」。3月11日午前11時から、中井さんが印象に残っている研修活動について説明する。
 ▽歴史講座「アコラ コタン~私たちの白老」。同午後1時30分から。白老出身の山丸さんが白老アイヌの暮らしと自らのルーツについて話す。
http://www.tomamin.co.jp/20170247973

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