レイバーネット日本 2017/09/22
【1】注目の記事
■アイヌがみつめる「植民地主義国」ニッポン
植民地支配による「歴史的な不正義」に苦しむ人たち、それが先住民族だ。不正義を解消すべく起草された「先住民族の権利に関する国際連合宣言(UNDRIP)」採択から10年が経過してなお、日本の先住民族アイヌの復権は遅々として進まない。ブレーキをかけているのはだれだ?
●先住権奪回の瞬間 文・平田剛士 写真・木村聡
◆日本政府にはアイヌ先住権を認める気がまったくない 丸山博
◆「憲法のせいでアイヌ政策をとれない」は政府の言い訳 清末愛砂
●紋別アイヌ畠山敏エカシの訴え オホーツクのクジラはだれのもの? 平田剛士
UNDRIPが列挙する先住権のうち、核心とも言えるのが自己決定権(3条)と自治権(4条)、そして「土地や領域、資源に対する権利」(26 条)だ。長く奪われたままのそれらを返せと訴え続けるアイヌエカシがいる。
●権力者たちよ!
パートナーシップ(対等な立場に基づく協働関係)と相互尊重──UNDRIPが多数派に課すのは民主主義の基本ルールだ。2人のアイヌに思いをつづってもらった。
・ごく少数者の私が声を上げ続ける理由 川村久恵
・なぜアイヌばかりが考え答えを出さなくてはならないのか 原田公久枝
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【2】 編集長後記
アイヌ民族の遺骨問題は度々本誌で取り上げてきたが、今回大きな返還の動きがあったので特集を組んだ。実は沖縄でも研究目的のために琉球民族の遺骨が墓から持ち去られる事態が起きていたことを、平野次郎さんが6月23日号で報じていた。今週号の特集作成が佳境に入った頃、沖縄戦で集団自決の場となったチビチリガマが荒らされたというニュースが入ってきた。
大田昌秀元沖縄県知事の遺稿『沖縄鉄血勤皇隊』(高文研)を思い起こした。戦場に散った鉄血勤皇隊の遺骨を、戦後学校に戻った大田らが収集しようとしたところ、「不必要に米軍を刺激する」として学校が拒否したのだ。当時、住民の自由な移動を米軍が禁じていたこともあるが、食糧の提供を米軍に止められることを学校側は恐れたのだという。だが、生徒は、そこで諦めたら、自分たちは「人間として腐ってい」るとして折れなかったという。
今回の事態、歴史の風化として片づけていいのだろうか。チビチリガマは渡瀬夏彦さんが今週号で記事にしてくれた。(小林和子)
(過去の編集長後記はホームページでどうぞ)
[編集長後記]はこちら http://www.kinyobi.co.jp/henshucho/
http://www.labornetjp.org/news/2017/1506042622695staff01
【1】注目の記事
■アイヌがみつめる「植民地主義国」ニッポン
植民地支配による「歴史的な不正義」に苦しむ人たち、それが先住民族だ。不正義を解消すべく起草された「先住民族の権利に関する国際連合宣言(UNDRIP)」採択から10年が経過してなお、日本の先住民族アイヌの復権は遅々として進まない。ブレーキをかけているのはだれだ?
●先住権奪回の瞬間 文・平田剛士 写真・木村聡
◆日本政府にはアイヌ先住権を認める気がまったくない 丸山博
◆「憲法のせいでアイヌ政策をとれない」は政府の言い訳 清末愛砂
●紋別アイヌ畠山敏エカシの訴え オホーツクのクジラはだれのもの? 平田剛士
UNDRIPが列挙する先住権のうち、核心とも言えるのが自己決定権(3条)と自治権(4条)、そして「土地や領域、資源に対する権利」(26 条)だ。長く奪われたままのそれらを返せと訴え続けるアイヌエカシがいる。
●権力者たちよ!
パートナーシップ(対等な立場に基づく協働関係)と相互尊重──UNDRIPが多数派に課すのは民主主義の基本ルールだ。2人のアイヌに思いをつづってもらった。
・ごく少数者の私が声を上げ続ける理由 川村久恵
・なぜアイヌばかりが考え答えを出さなくてはならないのか 原田公久枝
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【2】 編集長後記
アイヌ民族の遺骨問題は度々本誌で取り上げてきたが、今回大きな返還の動きがあったので特集を組んだ。実は沖縄でも研究目的のために琉球民族の遺骨が墓から持ち去られる事態が起きていたことを、平野次郎さんが6月23日号で報じていた。今週号の特集作成が佳境に入った頃、沖縄戦で集団自決の場となったチビチリガマが荒らされたというニュースが入ってきた。
大田昌秀元沖縄県知事の遺稿『沖縄鉄血勤皇隊』(高文研)を思い起こした。戦場に散った鉄血勤皇隊の遺骨を、戦後学校に戻った大田らが収集しようとしたところ、「不必要に米軍を刺激する」として学校が拒否したのだ。当時、住民の自由な移動を米軍が禁じていたこともあるが、食糧の提供を米軍に止められることを学校側は恐れたのだという。だが、生徒は、そこで諦めたら、自分たちは「人間として腐ってい」るとして折れなかったという。
今回の事態、歴史の風化として片づけていいのだろうか。チビチリガマは渡瀬夏彦さんが今週号で記事にしてくれた。(小林和子)
(過去の編集長後記はホームページでどうぞ)
[編集長後記]はこちら http://www.kinyobi.co.jp/henshucho/
http://www.labornetjp.org/news/2017/1506042622695staff01