先住民族関連ニュース

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バービーさん、ホタテの応援大使に 母の故郷・長万部で一生PR

2022-07-30 | アイヌ民族関連
北海道新聞07/29 22:03 更新

「湾宝一生分」の目録を掲げ笑顔を見せるバービーさん
 【長万部】地元産養殖ホタテの新ブランド「シャマンのほたて『湾宝(わんぽう)』」に強い味方が現れた。空知管内栗山町出身のタレント、バービーさんが28日、応援大使に就任。同日、長万部漁港を訪れ、浜の母さんたちと交流を深めた。
 バービーさんの母が長万部出身だったことから、大使就任が決定。長万部漁協や町などでつくる「長万部ホタテ貝アイヌブランド化推進協議会」の高野勇一会長(同漁協組合長)から任命書が手渡された。一生PRすることを条件に「湾宝一生分」の目録が贈られると、バービーさんは「満員電車に乗ったら乗客の耳元で『わんぽう』『わんぽう』とつぶやき、仕事場では『湾宝をお弁当に出して』とお願いします」とちゃめっ気たっぷりに約束した。
 同漁協女性部は、湾宝のおいしさを知ってもらおうと、すり身汁やまぜご飯など手料理を用意。佐々木留里子部長は「どんどんPRしてもらいたい。湾宝が有名になれば漁師の活力になる」と期待した。
 バービーさんは「子どもの頃、長万部の親戚に毛ガニやホタテを送ってもらってまきストーブの上で焼いて食べていた。これからは『湾宝』のブランド名を広めていきたい」と意気込みを語った。(水島久美)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/711895

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コースター彫り文化体験 アイヌ文様 釧路市動物園、道外からの長期滞在者に催し

2022-07-30 | アイヌ民族関連
北海道新聞07/29 18:25

参加者に木彫りを指導する伊藤さん(右)=小川正成撮影
 釧路市動物園(鈴木貴博園長)は28日、園内のアイヌ文化とゆかりのある動植物の紹介や、木彫りを体験するイベントを開いた。道外からの長期滞在者向けに開催したが、将来的には一般にも対象を拡大する計画だ。
 この日は11人が参加した。阿寒湖を中心にアイヌ文化ガイドをしている滝口健吾さん(40)が、園内のシマフクロウやアキタブキなど約30種類の動植物を説明した。北海道アイヌ協会優秀工芸師の伊藤夕美さん(62)の木彫り教室ではコースター作りが行われ、アイヌ文様を彫った。
 今年3月から10月末まで市内に長期滞在する、兵庫県の坂倉哲郎さん(71)は「文様に合わせて彫るのが難しかったが、体験を通じてアイヌ文化を学べて良い機会だった」と振り返った。(上田惟嵩)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/711745

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中学剣道優勝校に木彫盾 アイヌ文様 阿寒湖温泉の作家・岡田さん

2022-07-30 | アイヌ民族関連
北海道新聞07/29 18:24

全国中学校剣道大会の昨年度優勝校に贈られる二つの盾と制作者の岡田実さん
 【阿寒湖温泉】釧路市阿寒町阿寒湖温泉を拠点に活動している木彫作家・岡田実さん(42)が、昨年度の全国中学校剣道大会の優勝校に贈られる二つの盾を制作した。市内で8月に開かれる本年度の大会で、男子団体の九州学院中(熊本)と女子団体の菊池南中(同)の優勝旗返還に合わせ渡される。
 岡田さんは京都出身で、大学進学を機に道内に移り住んだ。卒業後、アイヌ文様の美しさにほれ込み、阿寒湖畔の工芸店で働きながら木彫の修業に4年間励んだ。2010年に独立し、現在、阿寒湖アイヌコタンに開設した「実践工房アシリ」で制作に取り組んでいる。
 大会では、優勝旗返還校に記念品を贈ることが慣例となっている。本年度大会の実行委事務局を務める市立鳥取中が「釧路らしさあふれるもの」を検討。岡田さんの活動が紹介された北海道新聞の記事を教員が読んだことがきっかけとなり、盾の制作を依頼することになった。
 盾は高さ48センチで、幅と奥行き各17センチ。木材に道東産のイチイとシナノキを用いた。制作に約40日間をかけ、アイヌ文様を裏面まで細かく彫り込んで仕上げた。岡田さんは「子どもたちにアイヌ文化を手に取って触れてもらえるのはうれしい。これを機に釧路の魅力の一つが全国に伝われば」と話している。
 大会は8月19~21日、ウインドヒルくしろスーパーアリーナ(湿原の風アリーナ釧路)で開催される。(松井崇)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/711743

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「洞爺湖有珠山」ジオパーク更新へ事前調査 推進協、来夏の審査へ準備

2022-07-30 | アイヌ民族関連
北海道新聞07/29 05:00

噴石で壊された旧とうやこ幼稚園などを視察する洞爺湖有珠山ジオパーク推進協議会と日本ジオパーク委員会の関係者
 【伊達、洞爺湖、豊浦、壮瞥】国連教育科学文化機関(ユネスコ)による4年に1度の認定審査を2023年夏に控える洞爺湖有珠山ジオパークで、日本ジオパーク委員会(東京)による事前調査が28日まで3日間行われた。洞爺湖有珠山ジオパーク推進協議会(事務局・洞爺湖町)は調査を踏まえ、再認定に向けた準備を本格化させる。
 伊達市と洞爺湖、豊浦、壮瞥の3町にまたがる地質遺産の洞爺湖有珠山ジオパークは09年、国内で初めて世界ジオパークに認定され、これまで3回更新された。来年夏にある次回審査は、洞爺湖有珠山ジオパーク推進協などが来年1月までにユネスコへ提出する報告書をもとに行われる。報告書は今回の事前調査で出された指摘を踏まえて作る。
 事前調査は26日に始まり、有珠山噴火の体験を語り継ぐガイドボランティア「洞爺湖有珠火山マイスター」らが、00年噴火で生まれた西山火口周辺など域内のジオサイト(見学場所)に日本ジオパーク委員会の調査員2人を案内。噴火による遺構を学術的な調査研究や減災教育に役立てている取り組みを説明した。
 ジオパークの認定は地質だけでなく、地域の文化遺産についても評価する。27日のプレゼンテーションでは、アイヌ文化の講座を開き、地域の伝統祭りをそれぞれの市と町の無形文化遺産に登録している取り組みを洞爺湖有珠山ジオパーク推進協が説明した。
 日本ジオパーク委員会の調査員は3日間の調査を終え、取り組みを報告書にしっかりと書き込むよう助言。洞爺湖有珠山ジオパーク推進協のスタッフは「アドバイスをもとに万全の準備をして審査に臨みたい」と話した。(山中悠介)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/711394

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ゴールデンカムイで注目のアイヌ文化の中でも重要な後世に残すべきアイヌの儀式『カムイノミ』が

2022-07-30 | アイヌ民族関連
東京日本橋のレストラン《ラムレンカイネ》で廣野 洋氏により執り行われました。
JIJI.COM2022年7月30日(土)
[有限会社 ティナズダイニング]
東京で行われることは稀な『カムイノミ』とは、『カムイ(神)ノミ(に祈る)』ということ。 今回は4月に開店したお祝いを兼ねて、『チセ(家)』へのお祈り(チセノミ)をしていただきました。
東京・日本橋人形町のアイヌ料理とジビエのレストラン《ラムレンカイネ》(東京都中央区日本橋人形町3-7-11大川ビル3階)にて、2022年7月4日(月)アイヌの儀式《カムイノミ・チセノミ》が阿寒アイヌ協会会長である廣野 洋氏により執り行われました。

アイヌ・ジビエ料理店ラムレンカイネ(東 京)にて、商売繁盛を祈るアイヌの儀式《カムイノミ・チセノミ》が執り行われました。
アイヌの儀式《カムイノミ》チセノミ
阿寒アイヌ協会会長等を兼務されている、廣野 洋氏と、ラムレンカイネのマークを作って頂いたアイヌ文化クリエーター/床 州生氏が木で作られたイナウ(御幣)にイクパスイ(捧酒箸)でお酒を捧げ、祈りを捧げます。
店内のあちこちにも小さなイナウを取り付け、そこにもお酒を捧げます。
商売繁盛と家内安全のアイヌの祈り
「風向き良く仕事ができ、東京に住むアイヌとラムレンカイネで働く人たちが健康でいられるように…」とアイヌ語で行われる祈りは、厳かで貴重な時間となりました。
店内カウンターの上部にイナウを安置し、チセノミの儀式が終了。
「災害や火災などの際には、このイナウを抱えて逃げよ」というくらい大切なものです。
その後は皆さまにお料理をお出しし、本物のメノコイタ(まな板と器がひとつになったアイヌの木製食器食器)とマキリ(アイヌの小刀)でチタタㇷ゚もしていただきました。
東京でアイヌの文化を伝えていきたい
「開店祝いに儀式をしていただけるとお話をいただいたとき、ものすごく嬉しかったです。暑い中わざわざ北海道から来ていただき、感謝でいっぱいです。
貴重な昔から受け継がれている伝統というか、文化に加わることができたっていうのがさらに嬉しいですね!
東京でこの素晴らしい文化を少しでも伝えていけたらと思います。」
ラムレンカイネ・店主 林 育夫
プロジェクション・マッピングでアイヌ文化を感じながら アイヌ・ジビエ料理が楽しめる《ラムレンカイネ》の詳細は以下よりご覧ください。
〈店名〉:The sixth sense Restaurant ラムレンカイネ ─心のままに─
〈通常コース〉:土曜・日曜「カムイの贈り物」(通年・季節により変更)
〈営 業 時 間〉:ディナー 18:00~22:00
〈総 席 数〉:9席
〈ご 予 約〉:完全予約制・18時スタートのコースのみ
ぐるなび https://r.gnavi.co.jp/a8jn0cum0000/
食べログ https://tabelog.com/tokyo/A1302/A130204/13269640/
Tablecheck https://www.tablecheck.com/shops/ramurenkayne/
連 絡 先〉:☎ 03-5640-2128
公式サイト〉:https://ramurenkayne.earth/
https://www.jiji.com/jc/article?k=000000001.000105713&g=prt

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小川隆吉さん死去 元北海道ウタリ協会<現北海道アイヌ協会>理事

2022-07-30 | アイヌ民族関連
東京新聞2022年7月29日 07時15分

 小川隆吉さん(おがわ・りゅうきち=元北海道ウタリ協会<現北海道アイヌ協会>理事)25日、慢性腎不全のため死去、86歳。北海道浦河町出身。葬儀は近親者で行った。
 朝鮮民族の父とアイヌ民族の母の間に生まれた。71年に北海道ウタリ協会石狩支部(現札幌アイヌ協会)を設立し、76年から96年に理事を務めた。北海道大が浦河町のアイヌの墓地から遺骨を持ち出したとして、12年に返還と慰謝料を求め札幌地裁に提訴。16年に和解が成立し、12体の遺骨の返還を実現した。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/192430

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企画展「アイヌ民族の現在」:イベント情報

2022-07-30 | アイヌ民族関連
十勝毎日新聞2022.7.30
地域 浦幌
開催日 2022年7月30日(土)~2022年9月25日(日)
時間 10:00~18:00
内容・説明 「アイヌ民族の現在 ラポロアイヌネイション」と題して特別展示ホールで開催。8月は毎週月曜と12日(金)、31日(水)休館。関連事業を次のように開催する。
▽博物館講座「北方民族博物館における『アイヌ民族の現在』展」=8月20日(土)午後2時半~4時、厚内公民館(厚内2条通3)。講師は道立北方民族博物館の野口泰弥学芸員。申し込み不要
場所 浦幌町立博物館
住所 浦幌町桜町16ノ1
主催・後援 道立北方民族博物館、ラポロアイヌネイション共催
料金 入館無料
問い合わせ先 015-576-2009(浦幌町立博物館)
https://kachimai.jp/event/event_calendar_data.php?id=4961

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永遠? アンデス高地、アイマラ族夫婦の生活と過酷な現実『アンデス、ふたりぼっち』

2022-07-30 | 先住民族関連
ニューズウィーク2022年07月29日(金)17時15分

撮影は、標高5000メートル以上のアンデス高地で行われた。オスカル・カタコラ監督『アンデス、ふたりぼっち』
<雄大なアンデス高地を舞台に、アイマラ族の老夫婦が営む伝統的な生活と彼らが直面する過酷な現実が描き出される>
ペルー映画で初めて全編アイマラ語で制作されたオスカル・カタコラ監督の長編デビュー作『アンデス、ふたりぼっち』では、雄大なアンデス高地を舞台に、アイマラ族の老夫婦が営む伝統的な生活と彼らが直面する過酷な現実が描き出される。カタコラ監督が2021年11月、2作目の撮影中に早世したため、本作は彼のデビュー作にして遺作となる。
その題材になるアイマラ族については、いくらか説明が必要になるだろう。本作を観て筆者が思い出したのは、だいぶ前に読んだ山本紀夫編『アンデス高地』のことだ。そこには、アイマラ族のことも紹介されていた。
アンデスの先住民も、かつてスペイン人の侵入と彼らが持ち込んだ疫病によって壊滅的な打撃を受けたが、アンデス高地には現在にいたるまで多くの先住民が暮らしている。
「とくに、ペルー南部からボリビアにかけての高地部では今も住民の大半が先住民である。たとえば、ペルーやボリビアの渓谷地帯を中心とする山岳地帯には一般に「インカの末裔」として知られるケチュア族が多く、その人口は数百万に達するとされる。また、ティティカカ湖畔周辺の高原地帯には、インカ時代も最後まで征服を拒み、現在もアイマラ語を話す一〇〇万人以上のアイマラ族が暮らしている」
カタコラ監督もアイマラ族の出身
カタコラ監督もアイマラ族の出身で、彼が幼少期に標高4500メートルのプーノ地方の高地で、父方の祖父母と過ごした日々が、本作のもとになっているという。本作の登場人物は、その祖父母をモデルにしたウィルカとパクシのふたりだけだ。
ウィルカをカタコラの母方の祖父が、パクシを友人が紹介してくれた女性ローサ・ニーナが演じている。ちなみに彼女は映画を観たこともなく、「何のことかよく分からないが、協力します」と言って出演を了承したという。撮影は、標高5000メートル以上のプーノ県マクサニ地区で行われた。
ウィルカとパクシは、高地にぽつんと建つ家に、数匹の羊と羊を守る老犬、荷物を運ぶリャマと暮らしている。ふたりにはアントゥクという息子がいるが、都会に出ていったまま音信が途絶えている。
前掲書には、アイマラ族が「一年という時の流れの中で自然の周期に見あったいろいろな儀礼をおこなっている」とあるが、本作の前半部は、そんな儀礼を意識した構成になっている。物語は、ウィルカとパクシが祭りを行う場面から始まり、毎年繰り返されてきたであろう農作業が描かれ、新年を迎えるもうひとつの祭りが大きな分岐点となる。
老夫婦が最初に行う祭りは、前掲書の以下の記述と符合する。
「家畜の囲い場の中で執りおこなわれる祭りである。この祭りでは、いろいろな色の花々でヒツジを飾りつける。同時にいろいろな色の花々を地面にまきちらしていく。母なる大地『パチャママ』が、あふれんばかりの命と水を、そして、家畜の繁殖と繁栄をもたらしてくれるように祈りをささげる」
彼らが暮らす高地では、寒さのせいでトウモロコシは栽培できないので、寒冷地に適したじゃがいもやキヌアを育てている。ウィルカは、野天に放置してあったじゃがいもを集めて小山にし、それを足で踏んで水分を抜き、チューニョと呼ばれる乾燥じゃがいもをつくる。収穫したキヌアは、吹き抜ける風で脱穀する。風が止むと手を休め、パクシが風に呼びかけるとまた吹き出し、作業を再開する。
新年を迎える祭りでは、聖なる大地や山の神々、先祖たちに供物を捧げ、「新しい年も我々と我々の作物や家畜をお守りください」と祈る。そこでウィルカは自分たちの運勢を占ってみるが、不吉なメッセージを受け取る。彼は、「今年は不幸が起こり、死が私たちにはりついているそうだ」と語る。
それが先述した大きな分岐点であり、老夫婦が営む伝統的な生活は、連鎖反応を起こすように崩壊へと向かっていく。但し、彼らの置かれた状況が急に変化してそれが起こるわけではなく、兆しは前半から見え隠れしていた。
外から持ち込まれたものによって変化する
じゃがいもを足で踏むウィルカは、ひどく疲れたと漏らす。息子が戻ってくれば、無理をせずにすむはずだが、パクシはかつて息子から、「アイマラ語を話すのは恥ずかしい」と言われたことを思い出す。そんなやりとりからは、カタコラ監督のメッセージを読みとることができるが、そんな台詞や言葉に頼らなくても、アイマラ族に対する彼の想いはひしひしと伝わってくる。
たとえば、ウィルカとパクシが行う祭りだ。本作の原題"WIÑAYPACHA"は「永遠」を意味するが、それと儀礼は無関係ではないだろう。儀礼は生活が続く限り永遠に繰り返されていくが、老夫婦には祭りを継承する者がいない。彼らが家畜の繁殖や繁栄を祈っても、やがて世話をすることができなくなる。家畜を守っているのも老犬で、代わりはいない。
また、彼らの生活もすべてが昔のままというわけではなく、外から持ち込まれたものによって変化している。それがマッチだ。本作で、パクシがかまどに火を入れたり、ランプに火を灯すためにマッチをする様子が印象に残るのは偶然ではないだろう。カタコラ監督は、マッチを「グローバリゼーションの産物」と表現している。
本作では、そのマッチが崩壊のきっかけとなる。パクシはマッチを使い切る。マッチを手に入れるためには遠く離れた村まで行かなければならないが、足腰が弱ってきたウィルカは躊躇する。それでも村に向かうが、たどり着けずに倒れてしまい、そこから老夫婦は次々と悲劇に見舞われていく。
では、これは悲劇なのかといえば、おそらくそうではない。高地に暮らすアイマラ族は、生きるために必要なものをすべて失っても、還るべき場所があり、それが示されることでアイデンティティが鮮明になる。都会に出ていった息子は、言葉だけでなく、還るべき場所を失ったともいえる。
本作は、アイマラ族の伝統的な生活と彼らが直面する問題を描きながら、いつしかリアリズムを超えて神話的な物語に見えてくるところに大きな魅力がある。
『アンデス、ふたりぼっち』予告編
https://www.newsweekjapan.jp/ooba/2022/07/post-109.php

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動物園でアイヌ文化体験 モニターツアーでガイド解説や木彫り製作【釧路】

2022-07-30 | アイヌ民族関連
釧路新聞2022.07.29

参加者に北海道ゾーンの動植物について説明する瀧口さん(右)
 釧路市動物園(鈴木貴博園長)は28日、初めてアイヌ文化体験を盛り込んだモニターツアーを同園で行った。道外から釧路を訪れている長期滞在者ら11人が参加。北海道ゾーンのガイドツアーと木彫りを体験してもらい、今後本格実施を目指すガイド体験ツアーの参考意見を聞いた。
 同事業は国のアイヌ政策推進交付金を活用。2024年から予定するガイド体験事業に向け、釧路、阿寒両アイヌ協会推薦の講師が、アイヌ文化との関わりが深い動植物を飼育展示する同ゾーンのガイドを行うほか、アイヌ文化にちなんだ木彫り体験やアンケートに協力してもらう。同園は結果を参考にツアー内容を構築する方針。
 この日のほか、若年層に動物に親しんでもらうことや修学旅行への行程組み込みを目指し、8月29日に高校・大学生、同31日には市内外の小中学校、義務教育学校の教職員を対象に実施する予定。
 ガイドは阿寒湖温泉で木彫り職人やアイヌ文化ガイドを行う瀧口健吾さん、釧路アイヌ語の会の奥田幸子さん、木彫り体験指導は道アイヌ協会推薦の優秀工芸士、伊藤夕美さんが務める。
 この日は、瀧口さんの案内で「動植物とアイヌ文化との関係性について」をテーマに同ゾーンを見学。伊藤さんの指導でアイヌ文様をあしらった木彫りコースターを製作した。同ゾーンではハルニレについて、樹皮から精製した繊維で着物やかごなどを作ることや、アイヌ語で「チキサニ」と呼ばれることから、国づくりの神「コタンカラカムイ」が天と地を分けた際に最初に登場した「チキサニ姫」についての伝承も紹介。来年度整備予定のヒグマ舎前ではヒグマとアイヌ民族が密接に関わってきたことを説明。アイヌ語で熊を表す単語が80以上あることや、体験がないと前置きしながらイオマンテ(熊送り)についても解説した。
 神奈川県藤沢市から長期滞在で訪れている山嵜信夫さん、規子さん夫妻は「10年連続で釧路に来ている。これまで動物園に来ているが、ガイドから説明を受けながらだと理解が深まる。春採生活館でアイヌ文化を学んでいるが、いろいろなことが新鮮に学べた。食用になる野生植物の話が面白く感心した」と話していた。
http://www.hokkaido-nl.jp/article/26024

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「直木賞受賞作品」おすすめ5選 第167回受賞作『夜に星を放つ』を含む、歴代の受賞作をピックアップ!【2022年最新版 一部】

2022-07-30 | アイヌ民族関連
Fav-Log /29(金) 13:29
直木賞受賞作品:川越宗一『熱源』(文藝春秋)
 第162回直木賞受賞作。作者の川越宗一氏は、2018年『天地に燦たり』にて松本清張賞を受賞しデビュー。その後、短編小説「海神の子」が『時代小説 ザ・ベスト2019』に収録され、同年に刊行された本作で直木賞をはじめ、第9回本屋が選ぶ時代小説大賞を受賞しています。ダイナミックな時代小説を描くのを得意としている作家です。
 本作『熱源』でも、樺太(サハリン)アイヌの戦いと冒険という非常に大きなスケールの物語が展開されています。物語はアイヌのヤヨマネクフと、樺太に流されたポーランド人・ブロニスワフ・ピウスツキという2人の人物を中心に進んでいきます。
 ヤヨマネクフは開拓使によって故郷である樺太から追い出され、日本人にされそうになった人物。一方のブロニスワフは母国語であるポーランド語を話すことを許されず、苦役囚として樺太に流され、ロシア人にされそうになった人物。そんなアイデンティティーを奪われ、大国の文明を押し付けられてきた2人が、樺太の地で運命的な出会いを果たします。
 作中には、アイヌ文化や樺太の気候が緻密に表現されており、それと同時に異なるバックグラウンドを持つ者同士が共生していく姿も描かれています。極寒の樺太の地でも決して冷めることのない人間が持つ「熱」に、心を動かされること間違いなしの傑作巨編です。
https://news.yahoo.co.jp/articles/0bd68c2ee2f9e3191fb811b5abaf23430e09d631?page=
2

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