(朝日新聞 2009年11月13日)
■不正会計、別の組織も
道が委託しているアイヌ民族関連事業で相次いで不正な会計処理が発覚した問題に絡み、アイヌ民族の社会・文化を研究する財団法人「アイヌ文化振興・研究推進機構」の事業でも不正処理があったことが12日、明らかになった。高橋はるみ知事は道議会決算特別委員会で、事実関係を調査すると明言したうえで、助成の対象となる事業費を見直す可能性について言及した。
小野寺秀氏(自民党・道民会議)の質問に答えた。不正処理があったのは、同機構が道内各地のアイヌ民族団体に助成している国際文化交流事業。同機構に対しては、国と道が年間約3億円ずつ補助金を支出している。
道によると、釧路市のアイヌ古式舞踊保存会が03年4月、タイの先住民族と交流するために同国を訪問した際に、架空の領収書を提出して同機構から約325万円の助成金を受けたが、実際の費用はその半額だった。機構側は保存会に約162万円の返還を求め、08年10月に返済が終了した。道が事実関係を把握したのは09年10月だった。
高橋知事は「事実関係を調査し、不適切な事案が発生した場合は遅滞なく道に報告するよう改める」と述べ、今後の対応について「助成対象経費を見直すなど、厳しく臨むことも必要ではないか」との考えを示した。
また小野寺氏は、別の問題として、同機構の助成を受けた北海道アイヌ協会釧路支部の08年度の事業でも不正の疑いがあると指摘。同支部がイタオマチプ(丸木舟)を造る事業で約210万円の助成を受けたが、決算書には半額の約105万円しか収入がないように記載されていたことや、釧路市で開かれた慰霊祭で、実際には参加していない古式舞踊の踊り手に謝礼金が支払われた疑いがあると述べた。
これに対して、高橋知事は、道がこうした事実関係を把握したと認めたうえで「今後、現地調査を行い、助成金の返還などの措置を講じたい」と述べた。また「指導が十分でなかった点があった」と道の責任を認め、アイヌ協会について「支部運営のあり方や定款の見直しなど法人運営体制の抜本的な改革を早急に指導する」と明言した。
http://mytown.asahi.com/hokkaido/news.php?k_id=01000000911130010
■不正会計、別の組織も
道が委託しているアイヌ民族関連事業で相次いで不正な会計処理が発覚した問題に絡み、アイヌ民族の社会・文化を研究する財団法人「アイヌ文化振興・研究推進機構」の事業でも不正処理があったことが12日、明らかになった。高橋はるみ知事は道議会決算特別委員会で、事実関係を調査すると明言したうえで、助成の対象となる事業費を見直す可能性について言及した。
小野寺秀氏(自民党・道民会議)の質問に答えた。不正処理があったのは、同機構が道内各地のアイヌ民族団体に助成している国際文化交流事業。同機構に対しては、国と道が年間約3億円ずつ補助金を支出している。
道によると、釧路市のアイヌ古式舞踊保存会が03年4月、タイの先住民族と交流するために同国を訪問した際に、架空の領収書を提出して同機構から約325万円の助成金を受けたが、実際の費用はその半額だった。機構側は保存会に約162万円の返還を求め、08年10月に返済が終了した。道が事実関係を把握したのは09年10月だった。
高橋知事は「事実関係を調査し、不適切な事案が発生した場合は遅滞なく道に報告するよう改める」と述べ、今後の対応について「助成対象経費を見直すなど、厳しく臨むことも必要ではないか」との考えを示した。
また小野寺氏は、別の問題として、同機構の助成を受けた北海道アイヌ協会釧路支部の08年度の事業でも不正の疑いがあると指摘。同支部がイタオマチプ(丸木舟)を造る事業で約210万円の助成を受けたが、決算書には半額の約105万円しか収入がないように記載されていたことや、釧路市で開かれた慰霊祭で、実際には参加していない古式舞踊の踊り手に謝礼金が支払われた疑いがあると述べた。
これに対して、高橋知事は、道がこうした事実関係を把握したと認めたうえで「今後、現地調査を行い、助成金の返還などの措置を講じたい」と述べた。また「指導が十分でなかった点があった」と道の責任を認め、アイヌ協会について「支部運営のあり方や定款の見直しなど法人運営体制の抜本的な改革を早急に指導する」と明言した。
http://mytown.asahi.com/hokkaido/news.php?k_id=01000000911130010