安東みきえさんの初期の作品「天のシーソー」が文庫になりました。ポプラ文庫ピュアフルで、表紙の絵は、なんと酒井駒子さん。そして、解説は梨木香歩さん。安東さんとは、「飛ぶ教室」で書いていた頃からのご友人で、その縁もあり、豪華な顔ぶれの本になったそうです。また、以前の時にはなかった、書き下ろし新作も一作はいっています。
わたしも以前、理論社からでた時に読んでいたのですが、改めて読んで、なんて文章がうまいのだろうと思いました。ちょっとした雰囲気の変化、心の気持ちのゆれを表現するのは大変むずかしい。それを、安東さんはなんなくやってしまいます。
いえいえ、なんなく書けるはずはなく、鶴が羽をぬいて書くような努力もされているのでしょうけれど、、本になると、無駄はなく、書きすぎることもなく、ちょうどいいので、やすやすと書けてるのではないか思ってしまうのです。
そして、物の見方に独特の個性があります。梨木さんも指摘してますが、主人公のミオは、家の出窓にならべてある鉢がみんな外をむいていることに「へんなの。外の人だけにほめられたいみたい」といっています。そして、それにたいして、ママはあっさり「そうよ」と答えます。
ミオの気づきは安東さんの気づき。そうなんです。いっしょにおしゃべりしていても安東さんはいつも個性的な当たり前じゃないことに気がつきます。それが本質をついているだけに、どきっとしたり、くすっと笑ったり……。とても楽しいのです。
本棚にひとつあってもいい本。秋の読書におすすめです!
わたしも以前、理論社からでた時に読んでいたのですが、改めて読んで、なんて文章がうまいのだろうと思いました。ちょっとした雰囲気の変化、心の気持ちのゆれを表現するのは大変むずかしい。それを、安東さんはなんなくやってしまいます。
いえいえ、なんなく書けるはずはなく、鶴が羽をぬいて書くような努力もされているのでしょうけれど、、本になると、無駄はなく、書きすぎることもなく、ちょうどいいので、やすやすと書けてるのではないか思ってしまうのです。
そして、物の見方に独特の個性があります。梨木さんも指摘してますが、主人公のミオは、家の出窓にならべてある鉢がみんな外をむいていることに「へんなの。外の人だけにほめられたいみたい」といっています。そして、それにたいして、ママはあっさり「そうよ」と答えます。
ミオの気づきは安東さんの気づき。そうなんです。いっしょにおしゃべりしていても安東さんはいつも個性的な当たり前じゃないことに気がつきます。それが本質をついているだけに、どきっとしたり、くすっと笑ったり……。とても楽しいのです。
本棚にひとつあってもいい本。秋の読書におすすめです!