恐懼に堪えない日々

【恐懼】(きょうく)・・・ おそれかしこまること。日々の生活は恐懼に堪えないことばかりですよね。

3/16(土)池袋演芸場昼席(主任:三遊亭圓丈)

2019年03月16日 | 噺とか
仕事が忙しいこともあって、全く寄席に通えない日々でした。
前回が2月末ですから、約3週間ぶりということになります。
顔付けとしては池袋と新宿で迷うところですが、ここは圓丈師匠トリの池袋へ。
開場30分前ですが、すでに長蛇の列になっていました。
幸いにも良席を確保して、久しぶりの池袋を楽しみます。

ごはんつぶ「牛ほめ」
めぐろ「あま噛み」
青 森「怪獣に愛の手を」
亀太郎「粋曲」
一之輔「噺家の夢」
丈 二「1パーミルの恋人」
勝 丸「太神楽」
吉 窓「本膳」
小ゑん「ミステリーな午後」
ロケット団「漫才」
正 蔵「蜆売り」
-仲入り-
究 斗「ミュージカル小噺」
小さん「不精床」
二 楽「紙切り」(花見・卒業式)
圓 丈「夢一夜」

二つ目昇進の青森さんは鈴本で2度これを聞いて、これで3回目。
聞くたびにちょこっとずつ改良されている感じはあります。
途中、前座さんの「牛ほめ」のくだりを入れてくるあたりとか、
ちょっとした変化が面白いですね。
でもやはり、古典もいいのではないかなぁと思ってみたり。

亀太郎師匠の高座はおそらく初めてかも。
黒門亭の関係でお顔は拝見したことがありましたが。
女流の三味線弾きが多い中で、一風変わていて面白い。

一之輔師匠の「噺家の夢」は初めて聞きました。
亡き喜多八師匠がよくやられていた噺のようですね。
寄席の浅い時間帯でもしっかりと笑いを取る人気者、さすがです。

丈二師匠はいつものマクラから「1パーミルの恋人」へ。
代表作といてもいいでしょうね。
池袋でもたびたび漫談で降りてしまわれることがある丈二師匠ですが、
新作の中身はとても面白いし、もっと聞きたいんですよね。

小ゑん師匠の「ミステリーな午後」も久しぶり。
この師匠のおじさんキャラというか上司キャラが何とも味があります。
いろんな新作を絶えずかけてくるあたり、さすがです。

正蔵師匠は「蜆売り」をたっぷりと。
初めて聞く噺なのですが、人情噺のようでもあり、しっとりと。
こういう噺が聞けるのも池袋ならではでしょうかね。

究斗師匠は膝の半月板を悪くされているそうで、椅子に座っての高座。
仲入りで押していたのか、さらっと小噺で。

トリの圓丈師匠、昨日は鉄板ネタの「グリコ少年」をかけたそうですが、
イマイチだったという感想から今日の「夢一夜」へ。
以前も一度聞いたことがあったかな?
末期ガン患者を描いた作品で、ちょっとすると悲惨な噺なのですが、
そういう雰囲気を微塵も感じさせないところがさすが。
惜しむらくは、ちょいちょい噺に詰まって台本に頼るあたり。
むしろそれが芸になっているのですが、度重なるとちょっと…という気はします。
とはいえ、圓丈師匠の作品らしさを感じる一席だったのかもしれません。

で、夜席も少しだけ。

寿 伴「狸の札」
市 童「高砂や」
あお馬「悋気の独楽」
にゃん子・金魚「漫才」
こみち「豊竹屋」
金 時「唖の釣り」
正 楽「紙切り」(汐汲み・卒業式・にゃん子金魚・大坂なおみ)

こみち師匠の「豊竹屋」は、志ん輔師匠でしか聞いたことがなかったので、
ちょっと新鮮な感じがしました。
発声から表情から何とも素晴らしくて引き込まれますね。

金時師匠の「唖の釣り」も近年の状況では演じにくい噺かもしれません。
とはいえ、好きな噺でもあるので、聞けて良かった。

※ちょっと残念なのが、客席にいる常連と思しき方。
 しきりと高座に向かって声をかけたり、独り言をぶつぶつと。
 そこまでならまだいいのですが、芸人さんのネタを先に叫んでしまう。
 今日だけでも、めぐろさん・丈二師匠・ロケット団・にゃん子金魚などなど。
 昼夜通しでいたようですが、こういう行動をとることによって優越感でも感じるのですかね。
 昼席の途中で別の人のいびきが聞こえてきたりもしましたが、
 そういうところでマイナスな点のあった池袋でした。

恐懼謹言。
コメント
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