恐懼に堪えない日々

【恐懼】(きょうく)・・・ おそれかしこまること。日々の生活は恐懼に堪えないことばかりですよね。

2/28(木)末廣亭夜席 仲入り前から(主任:三遊亭白鳥)

2019年02月28日 | 噺とか
今週の月曜に足を運んだばかりなのですが、
白鳥師匠がトリを務める末廣亭の魅力に取りつかれてしまいました。
仕事が残っているのにさっさと抜け出して19時の割引に間に合うように新宿へ。
なにより白鳥師匠のネタ出しで「秘密の花園」を一度聞いてみたい、
という思いが強かったのもあるかもしれません。
皇室ネタだと「隅田川母娘」を聞いているのもあるので、
時代の変化とともにひょっとすると聞けなくなってしまうかもしれませんので。

一 朝「湯屋番」
-仲入り-
粋 歌「卒業」
にゃん子・金魚「漫才」
百 栄「浮世根問」
彦いち「つばさ」
アサダ二世「奇術」
白 鳥「秘密の花園」

一朝師匠の「湯屋番」は後ろから立ち見で。
20人以上のお客さんがいたのではないかな、と。
みんな白鳥師匠のトリを目指してくるんですねぇ。
もちろん、後方からでも一朝師匠の妙技は光りました。

粋歌さんは新作「卒業」でした。これは初。
ストーカーを題材にした、本来なら犯罪すれすれの噺ですが、
この噺では何とも憎めないキャラクターが描かれ、笑いへと変わります。
ただ、最後のほうでストーカーが松本さんから「卒業」する際に読み上げる「答辞」は、
「送辞」とするのが正解ではないのかなぁ、などと細かいことを思ってしまいました。

百栄師匠、いつものマクラの後で何をやるかなぁと思ったら古典でした。
とはいえ、これを古典というジャンルでとらえていいのかはわかりませんがね。
次の彦いち師匠が「浮世根問」ってこんな話でした?と突っ込む。
そこで客席は爆笑に包まれるわけですが。
なんだかんだ百栄師匠で初めて聞いた古典でした。

トリの白鳥師匠はHPでのネタ出し「秘密の花園」でした。
もう出囃子が鳴って登場から大盛り上がりだったように思います。
今日は細かい説明などもなくさっさと本題へ。
疲れがピークだから、と仰っていましたが高座は熱演そのもの。
今回の芝居では年近く前に作ったネタが多いそうなのですが、
このネタは2年ほど前に創作されたものだそうです。
それだけに時代背景をとらえていますが、まず公共の電波には乗せられないでしょうねぇ。
「ホップ ステップ ジブリ!」「ホッピー、ステンレス、ジブリ!」の思い付きはともかく、
皇室戦隊キクノモンジャー!は危険すぎますよねぇ。
比較的アドリブは少な目かなぁと思いつつ、例の古今亭寿輔師匠ネタは今日も健在。3回目だそうで。
たっぷりとやって今日も9時を15分ほど超えて終演。

いやー、これだけたっぷり堪能して1500円はお値打ちですね。
ぜひとも白鳥師匠の世界を今後も堪能していきたいと思います。
また三題噺やらないかなぁ。

恐懼謹言。
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2/25(月)末廣亭夜席(主任:三遊亭白鳥)

2019年02月26日 | 噺とか
二月下席の末廣亭は三遊亭白鳥師匠がトリをとっています。
白鳥師匠のホームページを見ると、ネタ出しされており、
それを目当てに訪れる人も多いはずです。
私は今月の鈴本で白鳥師匠の代バネを見ていますが、
その時の妙な熱狂が忘れられず、仕事を早く終わらせて末廣亭へ。
夜席の前座が始まるところから入場して終わりまで。

彦 星「魚根問」
美るく「実録 鶴の恩返し」
ニックス「漫才」
青 森「試し斬り」
駒 治「レモンの涙」
小 菊「粋曲」
扇 好「看板の一」
才 賀「カラオケ刑務所」
正 楽「紙切り」(白鳥師匠・ひな祭り・狛犬・フレディ・マーキュリー・ミッキーマウス)
さん八「親子酒」
一 朝「蛙茶番」
-仲入り-
粋 歌「すぶや」
にゃん子・金魚「漫才」
百 栄「弟子の強飯」
彦いち「長島の満月」
勝 丸「太神楽」
白 鳥「砂漠のバー止まり木」

前座の彦星さんは久しぶりに見たかな。んー、もうちょいかな。

ニックスの漫才は新ネタでした。
東京都政と豊洲移転問題をネタにした漫才。

青森さんは鈴本で2回見ていて、今回も新作かなと思いきや、まさかの古典。
二度ほど「怪獣に愛の手を」を聞かされていますが、
いや、なんというか古典のほうが聞きやすいし、悪くない。
やはりきちんと前座で鍛えてきただけのことはあるのでしょうか。

駒治師匠は「レモンの涙」で、これを聞くのは2回目。
ご本人はあまりプロレスには詳しくないらしいのですがねぇ。
とはいえ、この噺の完成度も高くて好きです。
以前はこの噺が後々に影響を与えたのですが、今日はそうでもなく。

正楽師匠の「フレディ・マーキュリー」ではお囃子さんも「We will rock you」を演奏。
いやー、三味線と太鼓で演奏するとは。
客席も手拍子を始めるも、それを止める師匠。しっかりと切り抜かれました。

粋歌さんもよくかかる「すぶや」で、この噺も面白い。
たしかに、この芝居は仲入り以降が「自由演技」なのかもしれません。

百栄師匠の「弟子の強飯」は初めて聞く噺。
圓生師匠そっくりな高校生が出てくる設定とか、この辺もさすが百栄ワールド。

続く彦いち師匠は「長島の満月」を一部省略して口演。
こういうドキュメンタリー落語がこの師匠の強さですね。

さて、トリに上がった白鳥師匠。
当然ながら「待ってました!」の声がかかりますが、
頭を上げて第一声が「騙されませんよ!」と。
末廣亭には白鳥目当てではない客がたくさんいることを知っている師匠、
きちんと客席のリサーチをして初心者にもわかりやすくするために、
ストーリーを大まかに説明してから始めるという心遣い。
300席あるという白鳥新作落語の中でも最もシュールな噺だというこの噺。
とはいえ、ところどころに入るアドリブや独特の世界観にどんどん会場は熱狂。
途中、古今亭寿輔ネタのところで客席からチャチャが入ったのが残念でしたが、
そこからしっかりと修正をしてサゲまでたっぷりと。
終演は21時15分ごろでしたでしょうか。

とにかく仲入り後の新作ラッシュが心地よい芝居となりました。
なんとなく客席のガヤガヤした感じは浅草のようでもありましたがね。
白鳥師匠を初めて見たというお客さんも多かったようですが、
新作落語の会でよく見かけるお客さんもたくさん見かけました。
月曜日でありあがらも7割ぐらいの入りで、盛況な末廣亭でした。
んー、なんとかもう1日ぐらいこれたらいいなぁ。

恐懼謹言。
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2/20(水)鈴本演芸場夜席(主任:春風亭百栄)

2019年02月20日 | 噺とか
2月中席の鈴本演芸場、しかも夜席に2度足を運ぶことになりました。
というのも、前回に引き続き、節分の豆まきで入手した招待券を利用する目的もあるのですが。
もっとも、前回は白鳥師匠の代バネでしたので、改めて百栄師匠のトリを見ようというわけで。
千穐楽というだけあって、そこそこの人の入りではありますが、
夜席ならではの比較的のんびりした雰囲気で進行します。

だいなも「狸の鯉」
馬るこ「時そば」
翁家社中「太神楽」
青 森「怪獣に愛の手を」
圓太郎「真田小僧」
ホームラン「漫才」
天どん「タラチネ」
藤兵衛「短命」
-仲入り-
アサダ二世「奇術」
文 菊「猫と金魚」
正 楽「紙切り」(時そば・ミニーマウス・お雛様)
百 栄「マイクパフォーマンス」

前座のだいなもさんは百栄師匠のお弟子さんということは知っていましたが、
今回初めて顔と名前が一致しました。
途中から入ったのですが、なかなかいい感じ。
ちょっとしたくすぐりもまた笑いを誘っていました。

馬るこ師匠、駒治師匠との交互出演。
ただの「時そば」かと思いきやとんでもない。
やはりこの師匠、古典をやるときもただでは済まさないですねぇ。
沖縄小噺を入れてきたり、なんだかもういい具合にいじくりまわす。
改めて注目したい噺家さんです。

翁家社中は通常とはちょっとネタを変えてきています。
小花さんの通常は五階茶碗ですが、これが花籠鞠に。
和助さんの土瓶の曲芸は出刃皿に。
その他、最近では傘で回さなくなったもの、など趣向を変えてきます。
こういうところ、素敵ですね。

青森さんは前回と同じく「怪獣に愛の手を」。
あとから出てくる演者もいじっていましたが、日に日にこなれてきて口演時間が短くなる、と。
たしかに前回見たときは18分ほどやっていましたが、今回は15分きっかり。
サゲの部分も少し変化が見られましたが、これが成長ということなんですかね。
人様の情報によると、この10日間ほとんどこの噺か「スピード狂の詩」だったようです。
古典なら前座時代にあれこれと鍛えたのでしょうが、やはり晴れの舞台とあって新作勝負なのですね。
さて、どう化けていきますか。

圓太郎師匠、前回と同じく青森さんはいじりつつ噺を始めます。
しかしまぁ、ここに来て圓太郎師匠の幅の広さと円熟味がいいなぁと再認識。
寄席の中でこういう働きをされる師匠ってすごく貴重だなと思います。

白鳥師匠の代演で天どん師匠。花粉症が相変わらずつらそうなのに、
なぜか言い立てのある「タラチネ」を選ぶあたりが素敵。
この噺、何度も当たっていますが、いいですねぇ。
客を引かせつつもしっかりと笑いを取る。

アサダ先生もいつもとちょっと違った紐のマジックとトランプマジック。
千穐楽だとこういうこともあるのかな。

正楽師匠の鋏試し「相合傘」は百栄師匠バージョン。
お、と思いましたが真っ先に熱烈な女性ファンが持って帰りましたよ。
ときどきこういう変化球があるから鋏試しも油断なりません。
ただ、注文はルーティンを終えてからにしていただきたいなぁ。
フライングはいただけません。

トリの百栄師匠、初めて聞く「マイクパフォーマンス」。
マクラでホール落語でのインタビューをネタにしたものをたっぷりとやり、
これでかなり時間を消費してしまっていました。
何をやるのかなぁと思いきや、かなりの過激なネタへ。
権太楼師匠とさん喬師匠を登場させて、もうあれこれ言いたい放題。
絶対に放送にはのせられないだろうし、
そもそも当人に聞かせたらどうなってしまうんだろうとハラハラしてしまいます。
時間的には決して長い噺ではないのですが、このインパクトは物凄いものがありました。
鈴本さん的にこれはOKなのかという心配もありますが・・・

ということでトリが違うと雰囲気も違う。
そんな2月中席を満喫いたしました。

恐懼謹言。
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2/12(火)鈴本演芸場 夜席(代バネ:三遊亭白鳥)

2019年02月12日 | 噺とか
3連休も去って、世間も通常モードに。
そんな中、先日の鈴本の豆まきで平日限定の招待券を入手しており、
どこで使おうかと思案していたところ、鈴本の夜席で気になる出演情報が。
本来なら2月中席の夜は春風亭百栄師匠のトリなのですが、
今日に限って白鳥師匠となっているのです。
おまけに白鳥師匠の本来の出番のところに天どん師匠。
さらに、浅い出番で駒治師匠が出ていたり、二つ目に昇進した青森さんが出ていたり、
もはや新作落語の会のようになっているわけで。
こりゃー万障繰り合わせて鈴本へ行かねば、と仕事をさっさと切り上げて向かいます。

前座さんが始まって間もなく到着して会場に入ると、
中にいるのは10人ちょっとのお客さん。
何度も鈴本に来ていますがこんなに少ないのは正直初めて。
前方の良席を悠々と陣取って、いざ。

寿 伴「子ほめ」
駒 治「生徒の作文」
翁家社中「太神楽」
青 森「怪獣に愛の手を」
圓太郎「強情灸」
ホームラン「漫才」
天どん「拾っちゃった!」
藤兵衛「質屋蔵」
-仲入り-
アサダ二世「奇術」
菊太楼「祇園会」
正 楽「紙切り」(アサダ二世・大坂なおみ・近藤勇)
白 鳥「豆腐屋ジョニー」

駒治師匠、前座の後の浅い出番で登場。
寄席ではよくかかる噺ながら、聞くのは初めて。
鉄道ネタに絡めてくるのが何ともニヤリです。
マクラでの志ん駒師匠や志ん橋師匠のエピソードは何ともほほえましいですね。

二つ目昇進して2日目の青森さんは新作の「怪獣に愛の手を」。
これ、前座時代にプークで聞いていると思います。
んー、よく言えば自由にやったんでしょうが、イマイチ客席と合わなかったか。
マクラなんかも決して悪くなかったと思うのですが、
どうも単調になってしまったんでしょうかね。
どうでもいいのですが、マクラをあれこれ話す感じが円丈師匠のそれに見えました。
今後の活躍に期待ですねぇ。

圓太郎師匠、ひとつ前の青森さんの高座を「辛抱」だったと評してから「強情灸」へ。
こういうふとした連係プレーがたまりませんね。

ホームランの漫才も天どん師匠の落語も通常通りなんですが、
恐ろしいほどに客席の笑いが起こらない。
普通、これぐらいのところまで来ると客席も温まってくるのですが、
私自身もなんだか変な感じがしましたよ。こういうこともあるのですね。

藤兵衛師匠は古典でしっかりと存在感を示す一席でした。
たしかに、なんとなくここまで新作の空気できちゃってましたからね。

菊太楼師匠は文菊師匠の代演。
この師匠、いつも熱演で好感を持っているのですが、今日もばっちり。
途中の啖呵の言い立てのあたり、聞いていて気持ちがいいですね。
今日の数少ない古典で、満足の一席でした。

トリに白鳥師匠。
ご自身のTwitterで「伝説の夜」と評されるほど絶好調。
客席は結局30人そこそこのこじんまりとしたものでしたが、
それにしては変に客席の一体感があったように思います。
変な勘繰りをすれば、全員が白鳥師匠のみを目当てに来たのではないかと錯覚するほど、
それまでの静けさとは打って変わって大盛り上がりの30分でした。
これもかつてプークで聞いているはずなのですが、
途中にあれこれをはさまるアドリブがもうたまらなく素敵で爆笑に次ぐ爆笑。
紙切りのお題で「アサダ二世」と出たあたりから変だと思った、と仰っていましたが、
それまでの空気を全て吹き飛ばしてしまった一席でした。
こりゃもう2月下席の末廣亭にも足を運ぶしかないですね。
少人数の贅沢な空間での貴重な体験をした1日となりました。

恐懼謹言。
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2/10(日)二楽劇場in高円寺

2019年02月11日 | 噺とか
高円寺演芸まつりが今年も開催されておりまして、
私は毎度こちらの「二楽劇場」に足を運んでおります。
これでもう3度目になりますでしょうか。
長善寺という日蓮宗のお寺の本堂を使用して行われるわけですが、
夏に内幸町ホールで行われる二楽劇場に比べると少人数で落ち着いていて、
地元密着ののんびりとした空気が味わえるのであります。
今年も事前に記入するリクエスト紙切りはなくなっておりまして、
弟子の八楽さんによる開口一番が追加されておりました。

八 楽「からぬけ」
二 楽「紙切り」(かまくら・しだれ梅・分身の術・ゴジラとおむすびころりん)
二楽&八楽「紙切り」(大谷翔平と阿波踊り、ウルトラ兄弟とバレンタインデー)
二 楽「紙切り影絵ストーリー」

八楽さんが1月下席から前座として楽屋入りしている姿は見ていましたが、
前座として高座に上がって落語を披露するとは思いませんでした。
わざとなのかうっかりなのか、扇子の代わりに鋏で竿を振る所作をする。
紙切りの芸人ながら落語の稽古もしなければならないものなんですねぇ。
ま、伯父が小南師匠ですから、そういうこともすんなりできるのかもしれませんが。

前座ののち、二楽師匠が上がっていつも通りの紙切り。
鋏試しは旬の去った「節分」を切り抜かれました。
通常の寄席とは違って、いつもとは違うエピソードをあれこれ。
なかでも先代正楽師匠と子供とのやりとりのエピソードは面白かったなぁ。

で、数枚切ったところで八楽さんを呼んで、2人で共演。
客席から上がるお題を次々に拾い上げて2人で分担して紙を切ります。
やはりスピードにしても技巧にしても二楽師匠の腕の確かさがわかります。
切るのが遅い八楽さんに対してトークでつなぐ二楽師匠。
「なんで師匠の俺が弟子のお前が切っているのをつながなきゃならないんだよ!」
なんて突っ込みを入れていましたが、それもまた会場の笑いを誘います。
これぞ師弟愛というか親子愛というべきか。

紙切りストーリーは夏に行われていたものを再び。
やはりコンパクトな会場の中でしっとりと、ゆったりと楽しめました。
いい音楽と相まって紙切りの技巧のすばらしさを堪能しました。

約1時間ちょっとの公演ですが、これで1000円なら何ともお値打ち。
来年も期待です。

恐懼謹言。
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2/9(土)東京都水道歴史館 春の落語会 三遊亭わん丈独演会

2019年02月09日 | 噺とか
東京は朝からの雪に見舞われており、今季初のしっかりとした積雪になりました。
この日は特にこれといった予定もなかったのですが、
雪の影響で遠出するわけでもなく、かといって寄席に行くでもなく、
何をしようかとあれこれ調べていてこの会が目に留まりました。
東京都水道局の広報施設で年に2度ほど無料で行われている会であり、
たびたび面白そうな演者さんが出演されていることは知っていました。
せっかくなので、こういう日にこそ、ということで足を運びます。
14時半開演なのですが、13時から整理券配布とのこと。
余裕をもって少し早めに行くと、すでに10人以上が列をなしていました。
定員90人ということですが、なかなかの人気ぶりですね。
演目は、「新・蝦蟇の油」「五貫裁き」の2席。

水道歴史館での落語会ということで、ご自身の水道にまつわる話をあれこれ。
前職のバンド時代や前座時代にはたびたびガス・電気・水道を止められた、と。
類似の話は他の芸人さんからも聞くのですが、わん丈さんもしかり。
滋賀出身なのは知っていましたが、大学では福岡に行っていたんですね。初耳。
で、1席目「新・蝦蟇の油」は、入りこそ古典かな?と思ったのですが、
途中からあれよあれよという間に話がおかしな方向へ。
「蝦蟇の油Q10」だったり、某有名TVショッピング会社の元社長の物まねだったり、
予想をあれこれ裏切られて楽しませてもらいました。

仲入りにはならずにそのまま2席目へ。
お金にまつわる話をあれこれとマクラで語り、「五貫裁き」へ。
大岡越前の出てくる噺はいくつかありますが、この噺も好きな噺の一つ。
わん丈さんというと前座時代を除けばほとんど新作のイメージですが、
こういう噺も持っているんですねぇ。
ところどころにくすぐりを入れつつ、さらっと「水道」のことも入れる。
話の途中に、なぜイケメン落語会に呼ばれないのか、という叫びもありつつ、
たっぷりの30分間でした。

無料での落語会には何度か参加していますが、
この会はなかなか客席も落ち着いており、いい雰囲気でした。
これで無料なのだから満足度も高いですね。
イオン寄席のように館内放送が流れたりすることもないし、
客席が変にガヤガヤしていることもないし。

ぜひ機会を見つけて再訪してみたいと思う落語会でした。

恐懼謹言。
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2/8(金)第13回小ゑん落語ハンダ付け 一之輔・小ゑん二人会@お江戸日本橋亭

2019年02月08日 | 噺とか
小ゑん師匠のハンダ付けの会もたびたび足を運ばせてもらっています。
今回のネタ出しが聞いたことのない「悲しみのぐつぐつ」ということと、
ゲストが一之輔師匠ということもあって早くから予約。
仕事を定時で上がって開場30分前に着くも、人気のゲストということもあってか、
整理券はすでに50番台という周囲の気合の入りよう。
先週のホンキートンクの会も同じような状況でしたが。
で、結局は満席で当日券も出ず。手狭な日本橋亭は寒い屋外とは対照的な熱気に。

-オープニングトーク-
市 若「金明竹」
小ゑん「フィ」
一之輔「宿屋の仇討」
-仲入り-
一之輔「新聞記事」
小ゑん「悲しみのぐつぐつ」

小ゑん師匠の1席目は、定番ネタの「フィ」ですが、
聞くたびに面白いなと改めて感じさせられます。
マクラでは5代目小さん師匠の思い出とともに、
次回のゲストになっている小三太師匠との思い出も。

一之輔師匠はネタ出しで「宿屋の仇討」でした。
この噺もかつて聞いたことがあるのですが、
一之輔師匠がやるとそれぞれのキャラがまた独特にアレンジされていて面白い。
展開はわかっていながら、ついつい世界に引き込まれてしまう不思議。

仲入りをはさんで一之輔師匠は軽く、と「新聞記事」へ。
実は一之輔師匠を初めて知ったのはYouTubeに上がっているこの噺を聞いてから。
実際に目の前で聞くのは初めてなのですが、
やはりこれも絶妙の間とくすぐりが功を奏して大爆笑へ。
下げも定番のものとは少し変えてありますが、このほうが自然な気も。

トリに小ゑん師匠。ネタは「悲しみのぐつぐつ」。
定番にもなっている「ぐつぐつ」を題材とした噺で、
小ゑん師匠自身が登場人物として出てくるというドキュメンタリー落語。
これ、元ネタを知っていないと楽しみは半減するようにも思いますが、
さすが、こういう会にくるお客さんには心配のないことなのかも。
あることから落語協会を追放された小ゑん師匠が、
スーパーの食品売り場でおでんを売りながら落語「ぐつぐつ」を披露する、
というストーリーが核となって進行します。
たびたび「ぐつぐつ」が挿入されるあたり、寄席の常連からするとニヤリ。
爆笑を誘いながらも、最後には何となくほろっとさせる人情噺のようになるのも技の妙。

小ゑん師匠も一之輔師匠も、どちらも生き生きとしていて楽しい時間を過ごせました。
一つ難があるとすれば、すぐ近くに座ったお客さんの過剰な笑い声ぐらい。
んー、笑い方は人それぞれだけど、たびたび過剰に反応して、
大きすぎる笑いを発生させられるのもちょっと困ったもの。

ま、そんなことは差し引いても楽しい会でした。

恐懼謹言。
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2/3(日)鈴本演芸場夜席(主任:三遊亭鬼丸) 節分豆まき

2019年02月04日 | 噺とか
ここ数年、節分の日には寄席に足を運んでおります。
目的はこの日に行われる「寄席の豆まき」ということで、
演者さんの手ぬぐいや招待券などが高座から「豆」とともにまかれるわけで。
どこにしようかと思案しましたが、今年も鬼丸師匠主任の鈴本へ。
やはり、豆まき目当てで多くの人が開場前から列をなしておりました。
あとはNACK5リスナーの方もたくさん。

歌つを「初天神」
つる子「新聞記事」
ロケット団「漫才」
圓太郎「化け物使い」
燕 路「粗忽の釘」
正 楽「紙切り」(春一番、節分、フレディ・マーキュリー、梅と鶯)
百 栄「コンビニ強盗」
馬 石「たらちね」
-豆まき・仲入り-
夢 葉「奇術」
一 朝「宗論」
小 菊「粋曲」
鬼 丸「猿後家」

歌つをさんの「初天神」は歌奴師匠の型ですね。
言いまわしなど細かいところがしっかりと生きています。
滑舌も発声もいいし、安定していますし、
会場を大いに沸かせていましたね。
全体的には落語になじみのないお客が多いと見た。

つる子さんはゴゴモンズ関連マクラをあれこれ。
番組内でCDを出していたりしまして、私もラジオで聞いています。
場内には熱心なファンの方がCDを持参されていましたね。
噺のほうは「新聞記事」をさらっと。

圓太郎師匠は池袋の昼トリを終えてからの掛け持ち。代演ですが。
「本所割り下水の・・・」と始まったので、よもやとは思いましたが、
この浅い時間で「化け物使い」でした。ちょっと得な気分。
だいぶ短くはされていましたが、こき使うご隠居のキャラが何とも言えず面白い。
圓太郎師匠で初めて聞きましたが、いい感じです。

燕路師匠は「粗忽の釘」をさらっと。
すっとぼけた表情とか、これもいい描写で楽しませてくれます。
途中、「化け物使い」のくすぐりを入れていたのに、会場はほとんどスルー。
絶妙のタイミングで面白いと思うのですが、
まぁその辺はタイミングというか、今日の客層なのか。

正楽師匠、「なぜ揺れているのかといいますと」の部分なし。
そういう日もあるのかしら。

馬石師匠の「たらちね」は初めてのような気がしますが、
細かいところはあれこれと独自の形になっているように思います。
この師匠のおどおどした表情って何とも言えず可笑しいもので。

で、ここで馬石師匠が立ち上がって、お待ちかねの豆まきへ。
トリの鬼丸師匠はじめ、百栄・馬石・燕路各師匠と、つる子さんが参加。
鬼丸師匠は手ぬぐいを80本も提供する太っ腹ぶり。
私も鬼丸師匠の手ぬぐいや招待券をゲットできましたよ、と。
高座から見たら池の鯉よりもすごい状態だろうなぁ。

さ、その後は夢葉先生ののち一朝師匠へ。
一朝師匠の「宗論」も初めて聞きました。
江戸言葉が小気味よい一朝師匠ですが、こういう噺をやってもしっかりと笑いを取る。
寄席のオールラウンドプレイヤーとはよく言ったもので。

トリの鬼丸師匠はいつものマクラからコンプレックスに関する話へ。
鬼丸師匠は鼻が大きいのがコンプレックスといいますが、詳細は割愛。
で、そんな話から「猿後家」へ。
三木助師匠がよくかけているイメージですが、あまり多くは聞いていません。
女将さんの細かい顔の表情などが何とも言えず面白い。
やはりここは話芸とは言いながらも目で見て楽しむ芸能だなぁと。
噺を終えたのち、拡散希望と恒例の撮影会へ。

寄席を知らない人にも一度来て楽しんでほしいというのが鬼丸師匠の願いでしょうが、
足繁く通う私からしても何とも温かい雰囲気の夜席でした。
さぁ、もらった招待券、しっかり消費せねば!

恐懼謹言。
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2/2(土)黒門亭 第3274回(主任:林家正雀)

2019年02月02日 | 噺とか
黒門亭の2部です。
もともと予定はしていなかったのですが、正雀師匠が「らくだ」をかけるのと、
間近でアサダ先生の奇術がみられるとあって黒門亭へ足を運びます。
正月興行以来ですが、9割方の入りでそこそこに盛況でした。

与いち「元犬」
まめ平「紙入れ」
三木助「だくだく」
-仲入り-
アサダ二世「漫談」
正 雀「らくだ」

前座の与いちさんは「若手応援町屋寄席」で見て以来。
あれから1年以上たってますね。
開口一番はここ黒門亭であっても余計なおしゃべりなく始まるように思いますが、
最初の微妙な客いじりというか、あれが邪魔。
ああいうのがあるとどうも素直な気持ちが消えてしまう。
二つ目さんがやるならまだしも。
決してレベルは低くないと思いますが。

まめ平さんもあまりお目にかからない二つ目さん。
話題になっている明石市長の暴言をマクラにしながら「紙入れ」へ。
これもよくかかる噺で、どうしても比較してしまうので、
イマイチ印象に残らないというか。

三木助師匠は先日の銀座松屋で行われた骨董市の話を。
馬桜師匠から先々代三木助のサインが出品されているとの話を聞きつけ、
会場に足を運んであれこれと掘り出し物を見たエピソード。
志ん朝師匠のサインが2万円で談志師匠のサインは1万5千円。
この差のわけは実力や人気でなく、サインのあて名があるかないかなんだそうで。
噺家のサインは値が付かないことが多いのだそうですがね。
そのほかにも談志師匠ののお宅にある様々な珍品についてあれこれとあり、本題へ。
「だくだく」も有名ながら久々に聞く噺でした。
後半でしっかりと笑いを取るあたり、三木助師匠も力をつけつつありますね。

仲入りをはさんでアサダ先生。
まぁたぶん正攻法では来ないだろうと思いましたが、
案の定、さんざん語り倒して去って行かれました。
普段の寄席では聞くことのできない野良猫のエピソードや、
ビートたけしにまつわるあれこれ、じゅん高田の小噺など、
貴重な話をうかがうことができました。手品なしですが・・・。

トリの正雀師匠は「らくだ」を熱演。
以前は馬桜師匠や文蔵師匠で聞いていますが、
やはり演じ手によっていろいろとイメージも変わってくるもので。
くず屋が酔って、攻守が交代するあたりが見ものでした。
できることならば火葬場までのシーンを見たかったのですが、
時間の関係もあり、途中まで。

最近は新作を聞きに行く機会が多かったのですが、
やはりしっかりと古典で楽しむ一日があってもいいなぁと。

恐懼謹言。

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