恐懼に堪えない日々

【恐懼】(きょうく)・・・ おそれかしこまること。日々の生活は恐懼に堪えないことばかりですよね。

3/31(土)浅草演芸ホール余一会「満開!若手落語会」

2018年03月31日 | 噺とか
久しぶりの浅草演芸ホールです。
普段は何となく足が遠のいていた浅草ですが、この余一会のメンバーを見たらね。
前もって前売り券を入手しておいたにもかかわらず、
さらに朝9時から整理券を配布するというなんとも手間のかかる方法ですが、
全席指定制をとる鈴本とどっちがいいかは意見の分かれるところでしょうね。
私のように自転車でも足を運べてしまう距離の人間ならこの方法で構わないのですが・・・

ぐんま「平林」
かな文「金明竹」
ぴっかり☆「表彰状」
天どん「反対俥」
扇 辰「一眼国」
翁家社中「太神楽」
彦いち「つばさ」
-仲入り-
白 鳥「人間椅子」
三 三「加賀の千代」
二 楽「紙切り(反対俥・満開の桜と十五夜)」
喬太郎「極道のつる」

・前座が2人上がるのは浅草らしいところ。
 ぐんまさん、ちょっとはしゃぎすぎかなぁ。
 新作色が強い落語会でならいいんだけど・・・。
 会場はえらくわいておりました。
 一方でかな文さんは相変わらずの落ち着きぶり。
 色の違う前座さん二人です。

・ぴっかりさんは「表彰状」でした。
 有名な噺なんですが、生で聴くのは初めて。いい感じです。

・天どん師匠は先日の池袋での2席目でやった「反対俥」でした。
 花粉症設定にアレンジされているのですが、相変わらず面白い。
 時間に余裕があるためか、ちょいちょい入る説明も面白い。
 本来のサゲってそういう感じだったのね、と妙に感心。

・扇辰師匠はしっかりと古典で。
 何度かこの噺は扇辰師匠で聞いていますが、引き込まれますねぇ。
 ここまでちょっと浮ついていた雰囲気が引き締まったように感じました。
 それでも可笑しく、そしてぐいぐい引き込まれてしまうのがすごい。

・翁家社中は和助さんと小花さん。この組み合わせを見るのは初めてかも。

・彦いち師匠「つばさ」はまさかの3回目。いやはや、よく当たる。
 細かいところは違うのですが、その差を楽しむことにしました。
 かつての「オリジノール」でも同じようなことがあったなぁ。

・白鳥師匠「人間椅子」は初めて。久しぶりに披露されたそうですが。
 困ったことに文学作品に疎い私は江戸川乱歩作の同名の作品を知らず…
 知っていたらもっと楽しめていたのかもしれませんが、
 それでも恐ろしい破壊力のある噺でした。
 危険で、そしてエロティックな場面でも場内の爆笑をさらう。
 さすが白鳥ワールド。

・三三師匠は落ち着いて古典の「加賀の千代」。
 ここでしっかりと落ち着かせて笑わせてくれるのも腕ですねぇ。

・喬太郎師匠は余一会の掛け持ちで浅草が三軒目。売れっ子ですねぇ。
 池袋、上野、浅草の順で来たそうですが、
 なんでも末廣亭で行われている、「円丈・小ゑん二人会」からも声を掛けられていたそうな。
 まさかの寄席コンプリートにはならなかったようですが、すごいなぁ。
 噺の本題は「極道のつる」でした。これも有名作ですが、すごい破壊力。
 喬太郎師匠の様々なキャラの演じ分けは癖になりそうです。
 
久しぶりの浅草でしたが、まぁとにかく場内が陽気ですね。
立ち見のお客さんも大勢出ていましたが、熱気もまたすごい。
たまには浅草もいいのかも。でも普段は足を運ばないなぁ。
と、いいつつも今日は大満足で会場を後にしました。

恐懼謹言。
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3/25(日)早春落語会@飯能市市民会館

2018年03月25日 | 噺とか
埼玉県の飯能市で行われた落語会に足を運んできました。
いつも足を運んでいる入間市のちょっと先になりますが、微妙な遠さ。
とはいえ、桜が満開を迎えた程よい春の一日、気持ちよくドライブできました。
出演は兼好師匠、彦いち師匠、喬太郎師匠、二楽師匠と豪華な面々。

寿 伴「牛ほめ」
兼 好「権助魚」
彦いち「にらみ合い」
-仲入り-
二 楽「紙切り(お花見・権助魚・親子パンダ)」
喬太郎「時そば」

兼好師匠の「権助魚」がもう絶品でした。
それぞれの人物の演じ分けから声色など、やはりすごい。
円楽党の方を見る機会があまりないのですが、
やはりこういう落語会で見ると新鮮な発見があります。
彦いち師匠は寄席でよく演じられるドキュメンタリー落語。
西武線沿線では京浜東北線ネタはちと受けが悪い?
喬太郎師匠は先週きいたばかりの「コロッケそば」でした。
んー、できれば新作を聞きたかったけど、
会場の客層を見てのことかな?
足繁く通うとこういうことがあるもんだ。

恐懼謹言。
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3/21(水祝)鈴本演芸場夜席

2018年03月21日 | 噺とか
ここのところ寄席やら落語会に入り浸っているような気もしますが。
ともかく、今日から3月中席に入りまして、その初日が祝日。
鈴本の顔付けが面白いので夜席に行ってまいりました。
桜の開花宣言が出たにもかかわらず、都内では雪が降る異常な寒さ。
そんな中でも、フレッシュな話題で鈴本演芸場の客席は大勢のお客さん。

一 猿「松竹梅」
 扇 「歯ンデレラ」
ダーク広和「奇術」
一 花「黄金の大黒」
さん喬「真田小僧」
ホンキートンク「漫才」
琴 調「出世の春駒」
喬太郎「時そば」
-仲入り-
小 菊「粋曲」
一 朝「看板の一」
二 楽「紙切り(梅に鶯 一花バージョン・彦いち師匠)」
彦いち「つばさ」

・扇さんの「歯ンデレラ」は初聴。
 この噺はきく麿師匠と馬桜師匠で聴いたことがありますが、
 女性が演じるとまた雰囲気が変わります。

・一花さんはこの日から二つ目に昇進という節目の一席でした。
 観客の中には一花さん目当ての人も多かったように感じます。
 記念すべき一席目は「黄金の大黒」で、そのあとに篠笛を披露。
 頭を下げて下がるときに、高座返しをしようとするあたりはご愛敬か。
 習慣というのは恐ろしい。まさか、わざとじゃないと思うんですが・・・
 ぜひとも頑張ってほしいものです。

・喬太郎師匠はかの有名な「コロッケそば」の一席。
 富士そばが上野界隈に4件もあるという話や、カレーかつ丼の話は新鮮なところ。
 この後、浅草でトリがあるのですが、熱演でした。いやはや。

・彦いち師匠のトリネタは、まさかの先日池袋で聴いた「つばさ」でした。
 やはり、世の新作落語家は池袋で試してから他の寄席で、という流れなんですね。
 細かいところに改良が加えられており、改めて笑わせてもらいました。

季節外れの寒さに見舞われた東京でしたが、鈴本の夜は熱く更けていきました。

恐懼謹言。
 
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3/20(火)末廣亭夜席 仲入り前から

2018年03月20日 | 噺とか
先日も書いたように、今年の3月中席は鈴本・池袋・末廣亭といずれも魅力的な師匠がトリ。
仕事が早く終わったので、平日ながらどこかへ行こうと考えていたのですが、
お値段的にもお得な末廣亭に19時からの割引を使っていってまいりました。
トリは文蔵師匠です。

一 朝「壷算」
-仲入り-
さん助「手水廻し」
ホームラン「漫才」(歌「新宿三丁目」付き)
きく麿「ロボット長短」
左 龍「宮戸川」
正 楽「紙切り(新宿三丁目・証人喚問)」
文 蔵「笠碁」

仲入り後のテンションが何だかもうものすごい。
周りのお客さんもやたらとハイテンションですごい熱気でした。
さん助師匠のテンションがそのきっかけを作ってしまったのか。
きく麿師匠の「ロボット長短」は初聴。
落語にロボットが出てくるとかそのコミカルな動きとか、はまりますねぇ。
左龍師匠もここは落ち着いて古典、なんてことを言っていましたが、
あの表情と独特の色気、表情がたまらないですね。
トリにつなぐまでの面々がどれも個性的ですごい。

文蔵師匠は「笠碁」でしたが、雨の日のトリで文蔵師匠の「笠碁」、
というパターンはこれまで何度かあったような。
確かに外の雰囲気と合っていますし、頑固なご隠居の演じ方なんかも面白い。

仕事終わりの有意義な2時間でありました。

恐懼謹言。
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3/18(日)若手応援町屋寄席 春風亭一蔵独演会

2018年03月18日 | 噺とか
月に1度開催されている埼玉県入間市での地域寄席です。
100回以上続いているという地域に根付いた落語会になっており、
若手二つ目さんを中心に開催されています。
私の自宅からは遠方なのですが、
ドライブもかねて日曜の午後に時間があれば足を運んでおります。
今回は一朝一門の春風亭一蔵さんです。
寄席でもたびたび見かけます。
大きな体とパワフルな喋りのイメージがあります。

演目は、「長屋の花見」「火焔太鼓」「転宅」の3席。

季節柄、「長屋の花見」はよく聞くようになりました。
昨日は小満ん師匠で、先週は兄弟子にあたる一之輔師匠でそれぞれ聞いています。
一升瓶の中のお茶の産地を宇治ではなく「狭山」としたのは地域寄席ならでは。
会場の空気が温まりますね。
サゲは、「酒柱」のところではなく、「玉子焼きの尻尾じゃないほう」のところで。
可能なら本来の最後のサゲまで聞いてみたいもんだなぁ。

仲入り前にもう1席で、「火焔太鼓」でした。こちらも熱演。
300両で太鼓が売れると決まった後のオーバーリアクションがすごい。
甚六さんだけでなく、家に帰ってからの女将さんのそれもしかり。
近くで聞いていたのでその圧がまたすごい。
いろんな演じ方があるんでしょうけど、これはこれで一蔵さんらしくていいですね。

トリネタには「転宅」をしっかりと。
泥棒の間抜けぶりとか驚きぶりがまた妙にキャラクターにあっているように思います。

コンパクトな会場でのんびりとした落語会がいいですね。
大きなホールよりも寄席やこういう会のほうが落ち着いていいなぁと最近つくづく。

恐懼謹言。
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3/17(土)池袋演芸場 昼~夜通し

2018年03月17日 | 噺とか
3月中席の夜はどこの寄席も熱い顔付けになっております。
鈴本が白酒師匠、末廣亭が文蔵師匠で池袋が白鳥師匠。
もう、どこをとっても当代人気の噺家さんがトリを取っているわけですが、
なかでも池袋の顔付けがもう抜群で、久しぶりに昼夜の通しです。
長丁場なのですが、バラエティに富んでいて、時間を感じさせませんでした。

【昼の部】
歌つを「初天神」
あんこ「牛ほめ」
三語楼「やかんなめ」
紫 文「粋曲」
菊志ん「転失気」
扇 好「あくび指南」
マギー隆司「奇術」
ひな太郎「紙入れ」
歌る多「宗論」
ロケット団「漫才」
馬 石「時そば」
-仲入り-
三 朝「代書屋」
小満ん「長屋の花見」
楽 一「紙切(忠臣蔵・卒業式・貴乃花親方・父の顔)」
歌 奴「御神酒徳利」

・歌る多師匠の「宗論」は初めて聞くバージョン。
 キリスト教にはまっているのは息子ではなくて娘。
 現代風のアレンジで、わかりやすくていいですね。

・ロケット団は時事ネタ満載でたっぷりと。これがさすがだよなぁと。
 財務省の書き換え問題から麻生大臣、安倍首相のモノマネあたりがツボ。

・歌奴師匠の「御神酒徳利」は寄席では初めて聞きましたが、秀逸ですね。
 噺に引き込まれるっていうのはこういう感じです。
 時間を感じさせないですねぇ。

【夜の部】
あおもり「道具屋」
めぐろ「あまがみ」
丈 二「公家でおじゃる」
ニックス「漫才」
彦いち「つばさ」
はん治「妻の旅行」
ストレート松浦 「ジャグリング」
小ゑん「長い夜・改Ⅱ」
扇 遊「天狗裁き」
-仲入り-
天どん「新作(「叱られたい?」)」
燕 路「もぐら泥」
二 楽「紙切り(戦え!おばさん舞台・隅田川母娘)」
天どん「反対俥」
白 鳥「ギンギラボーイ」

・彦いち師匠の新作は池袋では初だそうです。
 パラレルワールドを題材にしており、人間に羽が生えていたら、という設定。
 羽を広げて飛ぶ姿が後から出てくる小ゑん師匠の「長い夜」の空のようですが、
 噺にぐいぐい引き込まれます。

・天どん師匠はいつもながら客の多数決でネタを決定。
 しっかり笑える定番と、一度しかやっていない新作で決を採りましたが、
 そこはさすが池袋のお客さん。後者を取りました。
 どこかの落語会で一席かけたきりという新作で、題は不明。
 40代と60代の会社員が六本木の高級そうな喫茶店に行く話。
 18世紀のコーヒーカップをつい壊してしまって、というところから話を展開。
 年が倍以上離れた年下から叱られくない、でも女の子には叱られたい、という、
 なんというか、そんな話。シュールといえばシュール。

※二楽師匠の紙切りの際に衝撃の事実発覚。
山手線が人身事故でトリの白鳥師匠が楽屋に入っていないと。
こういう時にヒザが繋ぐわけですが、それでもどうにもならないと、
まさかの天どん師匠が2席目を披露。
花粉症の車夫が登場する「反対俥」でした。
25分遅れで白鳥師匠が到着。
巣鴨で足止めを食らい、新板橋まで回ってタクシーで到着するというバタバタ。
こういうアクシデントも、生の演芸ならではという感じで、
会場の一体感はますます高まります。

・で、遅れての白鳥師匠「ギンギラボーイ」でした。
 田舎の薬局で老夫婦が経営難の打開策として惚れ薬を開発する話です。
 相変わらずの伏線回収が秀逸だなぁと感じさせられます。
 鈴本で養命酒をネタにしたら訴訟寸前までいった件や、
 白鶴寄席で氷川きよしをネタにしたら社長から激怒された件などなど、
 相変わらずの白鳥師匠らしさを披露しながら爆笑続きでゴール。
 時間も許容されていた20時45分きっかりで終わりました。さすが。

午前と午後で全く違った性格を見せた池袋演芸場でした。
そして、なんといっても夜の部でアクシデントに見舞われながらも、
チームプレーで繋いでいくのはまさに寄席ならでは。
貴重な回にいられたことがなんとも幸運に思えたり。

恐懼謹言。
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3/13(火)一之輔・天どん ふたりがかりの会 新作江戸噺十二ヶ月(笑)べすとばん

2018年03月14日 | 噺とか
長いタイトルで恐懼に堪えません。
一之輔師匠と天どん師匠が江戸を舞台にした新作落語を披露する会です。
レギュラーの会は最終回にかろうじて見に行くことができたのですが、
今回からはベスト版ということで、過去の作品を選りすぐって披露されます。

きいち「小噺(熊の胆)」
-ごあいさつ-
天どん「ひとり相撲」
一之輔「吟味婆」
-仲入り-
一之輔「長屋の雪見」
天どん「つゆ待ち傘」

・天どん師匠の「ひとり相撲」は3回目ぐらいかな?
 両国で聴いたのが初めてだったと記憶していますが、
 噺の構成やら細部が変わっておりました。
 そして、今回はベスト版ということで本来用意されている3種類のサゲが、
 観客の意向によらずすべて披露されました。
 これはこれですっきりするというかお得感があるというか。
 途中、相撲取りの名前「一の富士」と「二の鷹」の名前がごっちゃになるハプニング。
 いや、これはれっきとした計算なのか・・・

・一之輔師匠の一席目は「吟味婆」。
 箱根の関所を舞台にした吟味婆とよばれる仕事をする老婆とのお話ですが・・・
 いや、もう設定は古典なんでしょうが108歳の老婆がちくわを食べに豊橋に行く、
 というあたりからもういい意味でハチャメチャ。
 こういう古典があってもよさそうな感じですが、

・一之輔師匠の二席目は「長屋の雪見」でした。
 タイトルといい、噺の入りといい季節の「長屋の花見」を彷彿とさせますが、
 まぁとにかく各所に落語の他の噺のエッセンスが交えられており、
 落語好きな人には随所に笑えるポイントが用意されていたかなと。
 冬に聞く噺としては寄席でも十分に楽しめるだろうなと思います。

・天どん師匠がトリを務めて「つゆ待ち傘」。
 なんとなくしっとりとしていて、しんみりとくる噺。
 エンディングのトークで、一之輔師匠が自分でもやってみようと思っている、
 という話をされていましたが、それもうなずけるかな。

普段からひいきにしている二人の噺家さんの会だったのでとにかく贅沢な時間でした。
とはいえ、展開を知らない新作4席はやる側も聞く側も疲れが出る、
というのは本当に言いえて妙だなぁと思いました。
まして仕事終わりで駆け付けて終演が21時半ですからねぇ。
満足感もありつつ、ちょっといろいろと考えてしまったり。

※オープニングトークで林家九蔵襲名問題についてあれこれ見解を話されていたのも面白かった。

恐懼謹言。
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3/9(金)行徳名人会 落語新時代

2018年03月10日 | 噺とか
千葉県市川市の行徳文化ホールで行われた落語会に行ってまいりました。
自宅からもほど近く、豪華な面々の出る落語会で楽しみにしておりました。
真新しいホールでたくさんの人で客席は埋め尽くされておりました。

ひしもち「ざる屋」
一之輔「長屋の花見」
菊之丞「幇間腹」
-仲入り-
談 笑「金明竹」
二 楽「紙切り(長屋の花見・行徳の常夜灯)」
彦いち「熱血怪談部」

・一之輔師匠は前座の次に上がるという浅い出番。
 ここで4席目ということで少し疲れているようでしたが、
 春らしく「長屋の花見」でした。
 地元ネタ「原木中山」をネタに使うあたりが良いセンスしてますね。
 さすがといったところです。

・菊之丞師匠はもともと市川市の出身だったんですね。
 開催地である行徳にもなじみがあるという話から「幇間腹」へ。
 寄席でも何度か聞いていますが、菊之丞師匠の上品さが、
 また若旦那のキャラクターと相まって可笑しいですね。

・談笑師匠は初めて拝見します。
 なんせあまり立川流の噺家さんは見かける機会が少ないもんで。
 立川流のファンの方も多いと聞きますが、やはりわかる気がします。
 時事問題を含めた毒気のあるマクラを眺めにふってから、
 普通に「金明竹」かと思いきや、後半から一気に加速。
 「金明竹」の東北弁(津軽弁?)バージョンでした。
 きく麿師匠の博多弁バージョン(「陳宝軒」)も衝撃でしたが、これまた面白い。
 今後は立川流もチェックしてみようかしら。

・二楽師匠の紙切りにはローカルネタ「行徳の常夜灯」というリクエスト。
 こればかりはさすがにわからない、と少ないヒントで見事な作品を切り抜かれました。
 さすがだなぁと思います。
 地元民ではない私も、実際のものは見たことがないわけですが、会場は拍手喝采。

・彦いち師匠、ずいぶんと時間が押していたということもあり少し短めで。
 マレーシアはブルネイで英語で公演した際の話をマクラで。
 文化の違いとか言葉の壁も笑いがあれば乗り越えられるのかもしれませんね。
 本題は有名な「熱血怪談部」でした。
 絵本化もされているというこの噺ですが、私も好きな噺の一つです。
 さすが体育会出身の彦いち師匠、熱い先生のキャラを演じるとなんとも似合っていて可笑しいですね。

豪華なメンバーでたっぷりと楽しませてもらいました。
唯一の難は、やや横のほうの席だったので、首が痛くなってしまったことですが・・・。

恐懼謹言。
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3/3(土)鈴本演芸場夜席

2018年03月03日 | 噺とか
3月上席の鈴本では夜に春風亭百栄師匠がトリをとっています。
その他のメンバーもベテランあり新作はありでなかなか充実した顔ぶれ。
土曜日の午前中に出勤したのち、上野へ向かいました。

緑 助「つる」
歌 実「グルメ」
アサダ二世「奇術」
馬るこ「大安売り」
正 朝「狸の札」
ホームラン「漫才」
文 蔵「時そば」
小ゑん「長い夜・改Ⅱ」
-仲入り-
正 楽「紙切り(上野のお花見・銭湯・シャンシャン)」
文 菊「湯屋番」
小 菊「粋曲」
百 栄「露出さん」

・歌実さんは二つ目になって初めて拝見しました。
 かなり時間がたってはいるわけですが、雰囲気も変わっております。
 披露されたのは新作の「グルメ」という噺ですが、
 なんとなく方向性としては古典の「お見立て」に近いような。
 鹿児島出身の歌実さんの特性が出せている噺であるとともに、
 いろいろあるとは思いながらも師匠の歌之介師匠の語り口のそれにも似ているなぁと。
 今後も頑張ってほしいものですが。

・馬るこ師匠の「大安売り」は、あれこれと今風のくすぐりがあり、
 通常聞く「大安売り」とはかなり毛色の違うものでした。
 ビール瓶やらカラオケのリモコンのくだりが出てきて、
 少し旬を過ぎた気もしますが、それでも予想外の展開に大ウケ。
 硬かった会場が温まってまいりました。

・文蔵師匠の「時そば」は何度も聞いていますが、やはり面白いですね。
 定番なんですが、くすぐりやら演じ方で印象はだいぶ変わります。

・小ゑん師匠は「長い夜」でした。
 仲入り前ということもあって20分の高座ということと、
 いつものマクラをカットしたので本編をしっかりと聞くことができました。
 高田馬場、北千住、新宿ゴールデン街、渋谷と続きました。
 ツボはやはり渋谷のラップバトルですかねぇ。
 小ゑん師匠の多芸さに頭が下がります。

・文菊師匠は菊之丞師匠の代演で「湯屋番」でしたが、もう色気がすごいですね。
 時間がやや押し気味だったので、割愛された部分もありましたが、
 やはり噺に引き込まれてしまいます。

・トリの百栄師匠のネタは「露出さん」という一風変わった噺。
 中年の露出狂男が日課とし夕方6時半から露出行為を繰り返し、
 女性の悲鳴を聞くのが趣味という、なんともまぁトンデモナイ内容。
 20数年にわたって露出を続けていたら、周りに全く驚かれなくなり、
 もう廃業するしかないのか…と悲嘆する露出男。
 もう、こういう新作ってどうしようもなく笑うしかないですね。

ほどほどの入りの中、徐々に会場が温まっていく感じが心地いいものです。

※途中、席をめぐって仲入りの際にトラブルがあったのは残念。

恐懼謹言。
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