恐懼に堪えない日々

【恐懼】(きょうく)・・・ おそれかしこまること。日々の生活は恐懼に堪えないことばかりですよね。

電車の中で日本人は

2008年08月10日 | 所感とか
先日電車に乗っていたときの出来事。
昼過ぎで、そこまで混雑した車内ではなかったので、
私を含めてほとんどの人が着席していた状態だったのですが、
とあるときに左前方の優先席に座っていた年配の女性が、
私の左隣に座っている若い女性の前につかつかと歩み寄り、
次のようなことを言ったのでした。

あなたね、女性が人前で、しかも電車の中でお化粧しちゃいけないのよ。
いま色々なところでそういうことがいわれてるでしょ?
あなたはいいかもしれないけど、それを周りで見てると、
すごく気分が悪いのよ。
そういうことは女性の身だしなみとして家を出る前にやってきなさい。
あなた日本人でしょ?日本人はそういう風にするものなのよ。


ああなるほど、あんまり気にしてなかったけど、隣でそんなことしてました。
それにあまり違和感を感じなかった私も感覚が麻痺している、
というかそれがあまりにも普通の光景になってしまっているからなんですが、
気にしてみてみればこの年配の女性が言うとおり気持ちのいいものではありません。
それより何より感心するのは、そういう無法なことをする若者に対し、
臆することなく堂々と正論を投げかけられる、その勇気。
若者に対して注意したら暴力を振るわれたなんて事件があるこのご時勢に。

そして「あなた日本人でしょ?」
というのは外国人への差別的な意図を含んでいるのではなく、
かつて日本人が持っていた道徳心のことであり、
日本人が忘れつつある「恥」の文化のことでもあるように感じました。

こんな風にして注意を受けた若い女性もまた、注意を素直に受け入れ、
膝の上に出していた化粧ポーチをしまい、注意に頷きながら聞いていました。
本心からのことなのかはわかりませんが、
この年配の女性の小さな勇気が少しでも心に響いていればなぁと、
隣にいながら思ったりしました。
日本もまだまだ捨てたもんじゃありません。

余談ですが、現在張り出されている東京メトロの車内マナー向上ポスターも、
なかなかの出来でけっこう好きだったりします。
興味のある方はぜひご覧あれ。

恐懼謹言。
コメント (3)
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