恐懼に堪えない日々

【恐懼】(きょうく)・・・ おそれかしこまること。日々の生活は恐懼に堪えないことばかりですよね。

2024/05/23 国立演芸場 林家つる子真打昇進披露興行

2024年05月23日 | 噺とか
久しぶりの抜擢真打である林家つる子師匠と三遊亭わん丈師匠。
長らくお披露目興行が行われてきましたが、なかなか行く機会がなく、
間も無く終わりというこのタイミングで足を運んできました。
改装中の国立演芸場の興行は、
近隣の紀尾井ホールにて。

事前の予約ですでに満席になっており、
かくいう私も直前のギリギリに確保。
両真打が同じ日に出るのはこの日だけで、
そんなことも関係あるのでしょうか。
もっとも他の日もほぼ完売でしたが。

コンパクトな会場にはお祝いムード。
新真打両名のの等身大パネルも。



さて、演目。




やかん      辰ぢろ
寄合酒      伊織
マキシムド呑兵衛 玉の輔
漫才       一風・千風
有名人の家    天どん
新聞記事     正蔵
─仲入り─
口上
子ほめのイヤホンガイド わん丈・だいえい
太神楽      仙志郎・仙成
中村仲蔵     つる子

二つ目枠の伊織さん、久しぶり。
コロナ禍でのアルバイトエピソードから、寄合酒へ。コンパクトにしつつ、
独自のくすぐりもあって面白い。
口上の司会を務める玉の輔師匠は久しぶりのマキシムド呑兵衛。
漫才の一風千風さんも久しぶり。
天どん師匠ら先日池袋の新作だらけの時と違ってアウェイな感じながらも、
いつもの自虐を交えつつ、有名人の家。
今日の客席に橋本環奈は難しいか。
正蔵師匠は弟子への想いを語りつつ、
短めの新聞記事で仲入りへ。

口上は玉の輔師匠司会で、
新真打2名と両師匠の5名。
久しぶりの披露興行を見に来ましたが、
やはりこの口上もめでたくていいですね。
初めて手締めをする天どん師匠もご愛嬌。

仲入り後に衣装を変えてわん丈師匠。
7月上席の昼に鈴本でトリをとるという報に会場も沸いておりました。
マクラ長めで一度高座を降りて、
なぜか名前のないだいえいさんが高座へ。
わん丈師匠はめくりの横の椅子に座り、
マクラで話していた歌舞伎のイヤホンガイドよろしくだいえいさんの子ほめを解説。
なるほど、こういうやり方もあるのね。
欲を言えば一席聴きたかったのですが、
トリのつる子師匠への配慮あってのことでしょう、と想像。

トリのつる子師匠は中村仲蔵を。
これもやはり真打になるにあたっての色々な思いが溢れていたように思います。
芸への熱意をもちながらも挫折する仲蔵と、夫を助ける妻の思い。
つる子師匠らしさを散りばめながら演じる中村仲蔵は、そんな熱さを感じる一席でした。

ちなみにつる子師匠も7月上席夜のトリだそうで。
昼夜で抜擢新真打がトリとは幸先良いですね。
こちらではぜひわん丈師匠のトリネタを聴きたいところ。

おめでたいお披露目興行でした。

恐懼謹言。

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2024/05/16 池袋演芸場昼席(主任:柳家小ゑん)

2024年05月17日 | 噺とか
久しぶりの池袋演芸場。
小ゑん師匠のトリは末廣亭以来。
その時とは違って出演のほとんどが新作派の面々で、古典は前座と圓太郎師匠のみ。
新作落語会さながらの様相でした。
客席も平日昼ながら8割程度の入り。
ごはんつぶさんの途中から。

真実         ごはんつぶ
三年予約の店     花いち
漫才         ロケット団
We are イディオッツ 駒治
歌のおねえさん    つくし
太神楽        仙志郎・仙成
首領が行く      きく麿
エコラーメン     百栄
ウクレレ漫談     ウクレレえいじ
祇園祭        圓太郎
―仲入りー
見てません      天どん
二月下旬       彦いち
奇術         夢葉
鉄の男 全篇     小ゑん

花いちさんの新作は寿司屋が舞台。
やはりこの方の新作の世界観はすごい。
安定の駒治師匠に続き、
つくし師匠はかなりのご無沙汰。
百栄師匠の新作も初めて聞きました。
唯一の古典、圓太郎師匠の祇園会は絶品。
新作の中にあって素晴らしい攻撃力。

仲入り後の天どん師匠は寄席ではほとんどやったことがないという珍ネタ。
大人向けのDVDショップを巡るあれこれは確かに万人受けはしないですね。
でもそんな作品がわたしは大好きです。
彦いち師匠もご無沙汰で、
ネタは初めて聴く二月下旬。
完結しなかったのかな?
続きが気になるところ。

トリの小ゑん師匠、長めのマクラから鉄の男へ。
なんとなくアキバぞめきとか、そわな方向に行くのかと思いきやここは鉄の男。
かつて一度聴いたことがあるのですが、
改めて聴くとこれももう絶品です。
時間をオーバーしつつ、最後まで。

新作目白押しの池袋演芸場。
居心地の良さもありつつ、適度な疲労感。
それもそれで新作の醍醐味だと思います。
次はちょっとバランスとって古典に浸かってみるのもいいかもしれません。

恐懼謹言。



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2024/05/02 連雀亭ワンコイン寄席

2024年05月02日 | 噺とか
隙間時間の寄席通いが続きます。
連雀亭ワンコインはいいですね。
芸協、落協、立川流のバランス良いメンバーでの1時間です。

犬の目  橋蔵
金明竹  吉緑
水屋の富 談洲

芸協の橋蔵さんは初めて。
マクラの端々に関西弁が混じるなーと思ったら和歌山出身なんですね。
サウナでの落語会の話などあれこれ。
本編ではあまり感じませんでしたが。
寄席で時々聞く犬の目でした。
後半は少し失速したような気もしますが、
全体的に元気で楽しい一席。

吉緑さんも何度も見ていますが最近はご無沙汰しておりました。
入門後の気の使い方などをあれこれとマクラで語っておられました。
寿司屋や蕎麦屋でお客さんから奢ってもらう話は記憶にあります。
もう入門から14年、そろそろ真打が見えてきますね。
金明竹も程よく刈り込んでいい感じ。

立川談洲さんは初めまして。
元芸人さんなんですね。
それだけあって笑いのツボを心得てらっしゃる。
枕短めで水屋の富へ入ります。
流れるように無駄なく進行する噺の展開は聞いていて心地よいですね。
しばらく寄席などでは聞いていなかったネタでもありましたので、
ちょっと得した気分なのであります。

そこそこな入りで活気もあるワンコイン。
時間を見つけてまた参ります。

恐懼謹言。

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