恐懼に堪えない日々

【恐懼】(きょうく)・・・ おそれかしこまること。日々の生活は恐懼に堪えないことばかりですよね。

2/29(土)池袋演芸場昼席(主任:春風亭百栄)

2020年02月29日 | 噺とか
4年に一度のうるう年、世間ではコロナウイルスの影響による自粛ムードで、
落語会も次々と中止になっているという悲しい状況。
そんな中でも心強く営業しているのが寄席の定席。
前々から池袋の2月下席には足を運ぼうと考えており、
ついぞ千穐楽の今日まで来ることができませんでした。
開場30分ちょっと前に行くもすでに30人近い行列。
最近、どうも池袋での行列に並ぶのが恒例になっているような。
開演時にはすでに満席近い盛況で、最終的には立ち見も出ていました。

「初天神」    ぐんま
「新聞記事」   文吾
「金明竹」    朝枝
「宗論」     文太
「奇術」     アサダ二世
「小言念仏」   小八
「あくび指南」  一之輔
-仲入り-
「働き方の改革」 粋歌
「紙入れ」    文菊
「曲ごま」    紋之助
「とんがり夢枕」 百栄

前座のぐんまさんは以前と同様「初天神」。
前座さんの噺にしてはかなり遊びまくりというか自由というか。
主任が百栄さんだからこそのことなのでしょうかね。

文吾さんは、二つ目になってからお見掛けするのは初めて。
かな文時代には何度もお見掛けしていますが、やはり貫禄がつきました。
そしてどことなく師匠の面影が見え隠れするようなところも面白いですね。
ちょっと追いかけてみたくなる二つ目さん。

今席から二つ目になった朝枝さん。何とも言えないベテラン感があるのが不思議。
「金明竹」をサラッとやるのですが、きちんと笑わせてくれる。

二つ目枠がさらに続きます。門朗改め文太さん。
北九州の出身で、その生まれ育った土地柄から強面の文蔵師匠を見ても、
怖いなどと思わず懐かしいと感じるぐらいで、それで弟子入りしたなんてエピソードを。
「宗論」をかけましたが、インチキな外国人風の訛りはないものの、
かなり独自の演出を入れているのか斬新な印象を受けました。
んー、文蔵師匠のお弟子さん、おそるべし。

アサダ先生、電車内でやたらと席を譲られるエピソードで出番のほとんどを消費。
それでもちゃんとトランプのマジックで締めていくのがさすが。

小八師匠は久しぶり。奥様の粋歌さんが仲入り後に出ており、夫婦出演。
喜多八師匠との思い出話なんかのあれこれはなかなか興味深く聞きました。
マクラの長い噺家にろくなのはいない、なんて言いながら「小言念仏」へ。

一之輔師匠も久しぶり。コロナの影響で世の中が窮屈になっている、とか、
お子さんが学校が休みになってずっと家にいることになった、などなど語り、
「あくび指南」へ。
一之輔師匠からこの噺を聞くのは初めてかもしれません。ちょっと意外な感じ。
とはいえ、その辺はさすがの実力者。
通り一辺倒な感じではなく、久しぶりにこの噺で大笑いさせてもらいました。
一之輔師匠が出番の会を狙ってきて正解だったと言えましょう。

仲入り後の粋歌さんは「働き方の改革」で、これは2回目。
仲入り前の一之輔師匠の余波があってか、そこまでの大ウケはないものの、
しっかりと笑いをとる新作がここで来るのも新鮮なものです。

文菊師匠も、一之輔→粋歌→文菊→百栄の流れはアウェー感たっぷりだと。
たしかにこの顔付けってなかなかユニークなもんですよね。
「紙入れ」を文菊師匠からきくのも久しぶりですが、やはりいい出来ですね。

紋之助師匠が曲ごまで場内の空気を温めて、トリの百栄師匠へ。
「とんがり夢枕」という初めて聞く噺でした。
自分自身の経歴を題材に、林家彦六師匠が夢枕に立ち、
若き日の百栄師匠を落語家になるようにあれこれと勧めていく。
百栄師匠による彦六師匠のモノマネのクオリティが高く、
これが意外なほど面白くてびっくりしました。
落語通の多い池袋でこそこの噺は真価を発揮するのかな、とも思いつつ、
落語家になるべきかどうか葛藤し、ついには遅咲きのデビューをするあたりは、
聞いていて少しほろっとさえくるエピソードにあふれていました。

自粛ムードの中、あえて手狭な池袋演芸場に足を運んでよかった、
と思える満足感を与えてくれました。
落語会が次々と中止になる中、何とか寄席は営業を続けてほしいと思います。
沈滞した世の中、こういう笑いを提供する場所は残してもらわないと。
もちろん笑いで免疫を高め、手洗いうがいでしっかりと予防策を講じたうえで。

恐懼謹言。
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2/25(火)花緑弟子の会@らくごカフェ

2020年02月25日 | 噺とか
仕事が早く上がれるため、池袋演芸場に行こうと思っていたのですが、
ここはあえて神保町のらくごカフェへ。
「花緑弟子の会」と称してたびたび行われている会に初めて行ってきました。
この日は吉緑さん・圭花さん・緑君さんの3人。
吉緑さんはたびたびお見掛けしているのですが、
それ以外のお二人はあまりなじみがありません。
500円というお値打ちな会ですが、平日の昼ということで入りは10人前後。

「だくだく」 吉緑
「匙加減」  圭花
-仲入り-
「のざらし」 緑君

開口一番は吉緑さん。
10人前後の客席を見渡して「コロナウィルスの影響?」と。
色々な落語会もコロナの影響で中止になっているとの噂を聞きますが、
落語業界にも結構影響もあるんだそうです。
そうでなくてもこの会は前回15,6名の入りだったそうですが・・・。
そんなところから「だくだく」へ。
なんとなくこの噺は三木助師匠でよく聞いているような気がしますが、
噺の後半のテンポがいいので聞いていて気持ちがいいですね。
吉緑さん、会うたびに違った話に出会えるのでいい感じです。

圭花さんは花緑師匠と九州に行った時の話をあれこれ。
旅先で仕事の合間に時間ができてもあまり観光などはしないという圭花さん。
それではなんだ、と福岡県の柳川や太宰府天満宮などを観光したけど、
イマイチ一人で楽しめなかったというエピソードあれこれ。
出先での楽しみ方は人それぞれですね。本編は「匙加減」。
この噺は歌奴師匠うあ扇辰師匠からよく聞くイメージがあります。
若い人があまりやっているイメージもないのですが、
話が始まっていくとなかなかに引き込まれます。
若い医師・阿部元益や、あくどい加納屋のキャラなどなかなかいい感じ。
若手もいい仕事しますねぇ。

仲入りの後は緑君さん。誰かに似てるなーと思いつつ聞いていると、
なんでも前座の春風亭与いちさんとそっくりだ、といわれ合点。
本人もネタにされております。
OGPイメージ

柳家緑君 on Twitter

“仙台の花座の出番の合間に一之輔師匠のお弟子の与いちさんのご実家、ハチさんに伺いました。サプライズを期待して似ていると言われる与いちさんっぽ...

Twitter

 

噺の本題は「野ざらし」でした。
寄席で聞くときなどはだいたい途中で切られてしまうことが多いようですが、この日は最後まで。
というか、最後まで聞くのはこれが初めてでした。
調べてみるとサゲの種類もいくつかあるようですが、最後まで聞くと印象も違うもの。
もちろん、中盤の釣り場でのにぎやかなところもとても楽しいんですがね。
緑君さんのなかなかに芸達者な一面を拝見することができました。

平日の昼下がり、1時間半ほどの会はとても楽しい会でございました。

恐懼謹言。
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2/22(土)西新宿ぶら~り寄席 三遊亭天どん独演会

2020年02月22日 | 噺とか
ミュージックテイト西新宿店で行われている天どん師匠の独演会です。
落語関係のCDを中心に扱うミュージックテイトさんにはこれで4度目。
20席程度のコンパクトな会場で楽しませてくれるこの会がけっこう好きです。
今回はDVDの発売記念ということで、この会でDVDを買うと限定CDが付くとか、
サイン会に参加できるなどの特典があるのですが。
結局私は購入しませんでした。すみません。
OGPイメージ

2020/2/20 三遊亭天どん 世界初!副音声付き落語DVD※限定6枚特典CDプレゼント!※直筆サイン入り!-落語くらぶ

落語くらぶ

 


「釜泥」    天どん
「二番煎じ」  天どん
-仲入り、余興-
「クラブ交番」 天どん

一席目ではDVD発売に至る経緯をあれこれと。
2年前に収録してから発売になるまではいろんなことがあったんだそうで。
大手の会社が関わるでもない限り、様々な事情でお蔵入りになることもあるのだそうで。
一之輔師匠の副音声も試みとしては世界初。ノーギャラだそうですが。
こういう天どん師匠と一之輔師匠のつながりも面白いですね。
本編はDVDに収録されている「釜泥」。
短い話でありながら、笑いどころも多い噺ですかね。

「二番煎じ」はDVDに収録するために撮影も済ませていたそうですが、
イマイチ客席が受けていなかったので見送りになったと。
ん、2年前の末廣亭での「二番煎じ」ってその場にいたような気がしますが・・・。
収録されなかったので、ここでやりましょうということで。

仲入りをはさんで、スケッチブックとマジックペンをもって登場する師匠。
私は初見なのですが、おなじみの余興なんだそうで、
マジックペンの一筆書きでお客さんのリクエストのものを描くという、
紙切りのマジックペンバージョン。
クオリティは推して知るべし、ですが、
ペン試しの「藤娘」をはじめとして様々な作品を描いていきました。

最後の一席は新作で「クラブ交番」でした。
テレビの放送でも見たことがありましたが、生で見るのは久しぶりかな?
今日はすべてイチャイチャする話というのがテーマだと最初にお話しされていたので、
これかなーと思ったら案の定。
出てくる人物のぶっ飛び具合が天どん師匠の新作らしくていいですね。

コロナウイルスが心配される中、いろいろな落語会が中止されていくようで、
心配は尽きません。
早く収束するといいのですが・・・。

※今回から「演目」 演者の順で記載してみようと思います。

恐懼謹言。
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2/15(土)第10回 ふう丈・辰乃助の四千万歩

2020年02月15日 | 噺とか
週末、どこか寄席に行こうにもいまいちピンとくるものがなく、
かわら版をめくってあれこれと思案して見つけたのがこの会。
お江戸両国亭で行われている二つ目さんの二人会。
会の存在自体、今回初めて知ったのですが、なんでも今回が10回の記念公演。
ゲストも駒治さんが出るというのもなかなか惹かれます。
ふう丈さんも辰乃助さんも寄席で何度もお見掛けしており、
これを機会に足を運んで見ます。

-オープニングトーク-
ふう丈「同窓会」
辰乃助「ベースボールカウンセラー」
駒 治「車内販売の女」
-仲入り-
辰乃助「鼓ヶ滝」
ふう丈「心の中」

オープニングトークでは、今回10回記念を迎えるにあたり、
過去にネタおろしした作品をネタ帳とともに確認するところから。
毎回新作のネタおろしをしてきたものの、
それぞれものになった作品は少なく、その多くがお蔵入りになったといいます。
たしかに、タイトルを聞いても知らないものが多く、
かろうじて辰乃助さんの「マオカラー」を聞いたぐらい。
それでも、10本に1本のあたりがあれば、100回やったら10の新作ができる、と。
とにかくそんな新作の完成する瞬間に立ち会ってほしい、と挨拶して締め。

ふう丈さん一席目は「同窓会」という、設定そのままのお話。
小学生時代の女子同級生の日記帳を核に噺が展開します。
なんとなくありがちな展開ではありますが、練りこんでいけば面白い噺になりそう。
今日の新作の中では比較的わかりやすくて、寄席でもいけるのでは?
などと感じておりました。

続いて辰乃助さん。
悩みをカウンセリングにくる患者さんたちがニュースで話題の人物たち。
それに対してなんでも野球を例えに出して回答するお医者さん。
どちらかといえば時事ネタに偏っているようにも思いますが、
これもその時々で変えていけば通用するような噺になると思います。

ゲストの真打は古今亭駒治師匠。
何をやるのかと思えば「車内販売の女」でした。
数ある鉄道落語の中でも私が聞いたことがなく、かつ聞きたいと思っていた噺。
池袋のトリにも行こう行こうと思っていてついに行けず残念に思っていましたが、
ここで聞けたことがまさしく幸運というべきか。
新作派の会なのにどうも客席がついてきていないことをあれこれ突っ込みつつ、
安定の駒治師匠の鉄道落語が展開されていきます。
比べてしまってはいけませんが、やはりこの安定感はすごいなぁと。

仲入りをはさんで辰乃助さんの2席目は古典で「鼓ヶ滝」。
こういう噺も新作の間に挟まって聞くと安心しますね。
ネタおろしで聞く新作はいいにつけ悪いにつけドキドキするもの。
知らず知らずのうちに心が古典を求めていたのかも。

トリのふう丈さんは、人の心の中を巧みに描いた「心の中」。
胸の痛みを患う患者が医者へ行くと、心の問題であるという。
心の問題を解決するためには自ら心の中へ入っていかねばならず、
心の中にある垢や闇と向き合っていくという。
一見すると難解でとっつきにくいのですが、これも練りこんでいくと名作になる予感。

コンパクトなお江戸両国亭はほぼ満席という盛況ぶりでした。
細かいことをいうのであれば、気になったのが最前列で座席を荷物置きにしているお客2名。
ガラガラで空いているのであれば構わないと思いますが、
席が足りなくなってきてあちこちで席を探す人がいる中で、
堂々と最前列の良席のイスを占拠しているのはちょっといただけません。
2名のお客の話の様子からそれなりに寄席などに行っているようですし、
今回の演者さんのファンのようでもあるのですが、
そのあたりのマナーというのも守ってこそのファンなのでは、と思ってしまいます。

恐懼謹言。
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2/11(火祝)葛西イオン寄席(春風亭昇吉・林家楽一)

2020年02月11日 | 噺とか
建国記念の日の今日、末廣亭では松之丞改め伯山襲名披露の話題で持ち切りでしょうが、
そんな喧騒とは打って変わって、葛西にあるイオンでの無料寄席へ足を運びました。
この会にはこれで4度目ぐらいの参加になります。
かつてはアイススケートのリンクがあったとは思えない4階のホールで、
二つ目さんを中心に毎月行われている落語会です。
紙切りの楽一さんが出ることと、新作も古典も手掛ける昇吉さんが出る、
ということもあっていってきました。

開演1時間ちょっと前に着くとすでに前方の席は抑えられており、
地域に認知されている落語会なんだなと改めて驚きます。
無料ということはあっても、開演時にはほぼ満席で立ち見も出ている。
んー、すごいことで。

昇 吉「安いお店」
楽 一「紙切り」(東京オリンピック・チコちゃん・ピカチュウ・アリエル・似顔絵)
昇 吉「片棒」

昇吉さん、特に予備知識もなくいったのですが、東大卒なんですねぇ。
高学歴落語かもいろいろと出てきておりますが、
この人は行ってみればその元祖みたいなもんでしょうか。
一席目は「安いお店」という新作落語。
ビールなどの飲み物は安いものの、それ以外がバカ高いという、
なんとなく現実にありそうで、かつぶっ飛んでいる新作。
寄席などでもよくかけるのでしょうか、短い尺で疲れさせず、
そして笑いどころもきっちりと用意されている新作でした。

楽一さんは鋏試しをいつもより多めに「馬」と「土俵入り」から。
そういえば正楽師匠も寄席以外だとそんな感じでしたね。
一昨日に二楽師匠の会に行ってきたわけですが、
間断なく喋りまくるに楽師匠とは対照的に、
どちらかというと寡黙に、でもしっかりと間を心得て繰り出すワードが絶妙。
小さい子から優先的に注文を取るのもいいですね。

昇吉さんの二席目は、師匠・昇太の結婚式でのエピソードから。
お弟子さんが総出で受付などのお手伝いをしたそうで。
結婚式につきもののご祝儀の噺のあれこれからケチな人の噺へ。
本題は「片棒」なのですが、10分少々でやってのけました。
もちろんいろんなところはカットして短くしてあるのですが、
「片棒」を10分少々でやる、というのは初めて見ました。
いや、天どん師匠が「芝浜」を10分ちょっとでやったのも見ていますが。
短くしたとはいえ、噺のエッセンスは飛んでおらず、
むしろ無料寄席に来ているお客さんの層には歓迎される尺かもしれません。
このあたりのチョイスもやはり頭の良さがあってのことなんでしょうかね。

無料寄席でこれだけ楽しめたら満足かな、というのが正直なところ。
館内放送が遠慮なく流れたり、チラチラと通行人が目に入ったり、
マナーをわきまえないお客さんがあちこちにいたことを考えても。

恐懼謹言。
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2/9(日)二楽劇場in高円寺@長善寺

2020年02月09日 | 噺とか
もうこれで4年連続になりましょうか、この時期の恒例となりました。
高円寺演芸まつりの一環として行われているイベントの一つで、
夏に内幸町ホールで行われている「二楽劇場」のスピンオフ企画。
お寺の本堂で80名限定の紙切りのイベントですが、
今までになく大勢の人出があって、ほぼ満席状態でした。
木戸銭も1000円とお手頃ですもんね。

八 楽「初天神」
二 楽「紙切り」(松之丞・チコちゃん・名残雪)
二 楽「紙切りSTORY」

八楽さんの落語は「からぬけ」だけかと思いきや、「初天神」もあるのですね。
途中までいい調子かと思いきや、途中から何やら迷走。
まだかけ始めたばかりなのかしら。

二楽師匠のリクエスト紙切りは鋏試しに「ウルトラの豆まき」。
ここのところ寄席でやたらと声がかかるので10回以上切ってるとか。
たしかにウルトラマンファンからしたら面白いですよねぇ。
その後、チコちゃん以外の作品にはウルトラ怪獣を入れるサービス。
んでもって、一通り切り終わると弟子の八楽さんとともに紙切り。
八楽さんが「虎」を切り、二楽師匠が「寅さん」を切る。
八楽さん、まだまだこれからの活躍に期待です。

短い休憩をはさんで「紙切りSTORY」になります。
夏に見たはずなのですが、うろ覚えなところもあるのでこれはこれでよし。
内幸町ホールとは違って狭い環境ながらも音響はしっかりしているので、
紙切りの影絵と音楽が相まってとても良い雰囲気になりました。

笑いもありながらほろっと来るところもある二楽劇場。
コンパクトな会場で楽しませていただきました。

恐懼謹言。
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2/3(月)鈴本演芸場夜席 節分豆まき(主任:春風亭百栄)

2020年02月04日 | 噺とか
昨日の黒門亭に続いて寄席の豆まき目当てで行ってきました。
ここ数年、節分の日には鈴本に足を運んでいます。
というのも、平日だと仕事があるので、昼からやっている末廣亭や池袋だと、
もう夕方から行っても立ち見に近い状況になるから。
これで最初に池袋に行った時には痛い目に遭いました。
というわけで、今年も仕事をさっさと切り上げて鈴本へまいります。
昨年のトリは鬼丸師匠でしたが、今年は変わって百栄師匠になりました。
もともと独演会にも足を運んでいるような師匠なので、
豆まきを抜きにしても楽しみなのは言うまでもありませんが。

きよひこ「初天神」
馬 久「厄払い」
夢 葉「奇術」
駒 治「鉄道戦国絵巻」
一 朝「芝居の喧嘩」
楽 一「紙切り」(馬久と一花・チコちゃん・宝船)
文 蔵「時そば」
文 菊「あくび指南」
-仲入り、豆まき-
笑 組「漫才」(のち南京玉すだれ)
甚語楼「町内の若い衆」
小 菊「粋曲」
百 栄「桃太郎後日譚」

前座のきよひこさん、依然見た時からちょっと印象が変わりました。
眼鏡がトレードマークだったと思いますが、それもなく。
「初天神」も通常のものとはちょっと違って細部がいじってある。
なかなか達者な前座さんですね。

馬久さんは以前堀船の地域寄席で聞いた時と同じ噺。
まぁ確かに今日が節分ですから季節の噺ではありますが。
以前聞いたとはいえ、普段あまり聞くことのない話なので、楽しく聞かせてもらいました。

駒治師匠はおなじみの「鉄道戦国絵巻」でした。
1月下席の池袋での取りに行きたかったのですがかなわず、
ここで久しぶりに駒治師匠の鉄道落語で楽しませていただきました。

一朝師匠から「芝居の喧嘩」を聞くのは初めて。
これも先に述べた堀船の地域寄席でつる子さんから聞きましたが、
一朝師匠の小気味よい江戸弁で聞くとまた印象も変わっていい感じ。
やはりどこで聞いても一朝師匠の腕はすごいなぁと。

文蔵師匠もおなじみの「時そば」でした。鈴本での遭遇率が非常に高い。
昨日「時そば」を聞いたばかりですが、どうもこの文蔵師匠の「時そば」を聞くと、
それがスタンダードになってしまうので、他が物足りなく感じてしまうという。
いや、文蔵師匠のが特異な方だとは思うのですが・・・。

文菊師匠は久しぶりに「あくび指南」でした。
無駄な部分はそぎ落として噺の面白さが凝縮されているというか。
この噺、個人的にはそんなに嫌いではないのですが、
演者によって演じ方の違いがあるので、それを見るのもまた楽しみ。

文菊師匠ののち、節分の豆まきへ。
今年からルールが変わったと見えて、
・座席の移動禁止
・立ち上がるのも禁止
というように、以前とは少し違った豆まきとなりました。
今年は残念ながら招待券ゲットならず。
豆を少々と文蔵師匠・甚語楼師匠の手ぬぐいをいただきました。
んー、昨年に比べると減少しましたねぇ。贅沢言うな、という感じですが。

仲入りののち甚語楼師匠は「町内の若い衆」。
権太楼師匠のそれが基礎になっているとは思うのですが、
やはり細部の部分であれこれと改良があり、明るく楽しい一席でした。
久しぶりに高座で拝見しましたが、やはり手堅く面白い師匠です。

トリの百栄師匠は、最近落語に関する番組が少ない、という話題から、
某有名人の不倫騒動でまた一つ落語のテレビ番組も打ち切りの危機にある、
なんていう時事ネタをマクラに本編へと入っていきます。
「桃太郎後日譚」は以前に一度聞いたことがあるはずなのですが、
かなりご無沙汰なので、これはこれで楽しく聞かせていただきました。
酒に酔ってくだをまく犬やサル、
そしてなんといってもキジのキャラクターが脳裏にこびりつきます。
気弱な桃太郎や苦悩するおじいさんやおばあさんなど、
どれをとっても面白い、そんな一席でした。

2月下席にはいよいよ念願の池袋で初トリをとる百栄師匠。
時間を作り出して足を運んで見たいところです。
節分の一日、今年も寄席で楽しく過ごすことができましたよ、と。

恐懼謹言。
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2/2(日)黒門亭 一部 (節分豆まき 主任:台所おさん)

2020年02月02日 | 噺とか
毎年この時期がやってくると、寄席の豆まきの話題が気にかかります。
寄席や落語会に行くのはのんびりと寄席演芸を楽しむことですが、
多少の物欲もある私は節分のこの時期、寄席の豆まきへのアンテナが高くなります。
今まで鈴本や池袋など、寄席の豆まきに行ってきたわけですが、
先年、節分 : 時蔵のこんな話あんな話を見て、
なるほど、こういう時に黒門亭というのもありだと考えて、足を運んで見ました。

いっ休「道灌」
正太郎「鼻ねじ」
我太楼「時そば」
-仲入り、豆まき-
アサダ二世「奇術」
おさん「井戸の茶碗」

前座のいっ休さんは一之輔師匠の3番弟子とのこと。
特徴的なヘアスタイルで、高座返しをしているところは何度か見ているような。
落語を聞くのはこれが初めてですが、妙にこなれているというか。
いい意味でも悪い意味でも前座さんらしくない「道灌」で、
やはりくすぐりなどは一之輔師匠譲りなのでしょう。
兄弟子の喜いちさんや与いちさんとも共通するところがあるかもなー。

正太郎さんも久しぶりに高座で拝見します。
以前、埼玉での独演会でお見掛けして以来でしょうか。
結婚したばかりの馬久さんや一花さんの話などに触れ、本題へ。
まもなく節分で、春の噺を、と「鼻ねじ」。
この噺、聞いたのは初めてなので、調べてみると「隣の桜」とも言うようで。
なんとなく「たけのこ」とも似たような噺かなぁ、などと思いましたが、
学問を鼻にかける学者先生をぎゃふんと言わせる、
なんとなく楽しいお話なのでありました。
まだまだ知らない噺があるものです。

我太楼師匠もおそらく初めてお見掛けする師匠かも。
大きな体が印象的で、力強さを感じます。
旅の仕事で鹿児島に行ったり、はたまた夫婦で北海道に出かけたり、と、
旅の話をマクラであれこれとされていたので、そんな噺かなと思いきや、
スタンダードに「時そば」なのでありました。
うーむ、マクラが面白かっただけにちょっと期待度が上がっていたのですが、
本編はいたってシンプルでした。いや、よかったんですけどね。
黒門亭ならではの落語通の多い客席にはちょっと不向きだったかもしれません。

仲入りに豆まきが行われました。予定ではトリの後のはずですが・・・。
まかれるのは大入り袋に入った福豆のみ。
時蔵師匠のブログでは2年前まで手ぬぐいもあったようですが、なくなったのかな?
それでも我太楼師匠初め、トリのおさん師匠なども出て40人の客席は大盛り上がり。
福豆入りの大入り袋をいくつかいただきましたとさ。

仲入りをはさんで、アサダ先生は20分少々の長い持ち時間のほとんどを、
自らの芸歴を語るトークで客席を楽しませます。
東京かわら版に連載される話あれこれを中心にあれこれと。
こればっかりやってちゃいかんと、最後には「ちゃんとやる」アサダ先生。
寄席ではあまりやらないカードマジックで客席を沸かせていました。

トリのおさん師匠は「井戸の茶碗」をネタ出しされておりました。
先週、大田区で柳朝師匠からこのネタをうかがっていますので、
ちょっとネタの飽きてしまっているような気もしますが…
物の真贋を見抜く難しさから、ブルガリの偽物の腕時計をつかまされた話をマクラで語り、
本編へと入っていきます。
おさん師匠が演じると、より正直者のくず屋さんが際立って見えるというか。
もちろん他の人物描写も特徴的ではあるのですが、
あれこれと振り回されるくず屋さんの感じが何ともよくあっていたように思います。
たっぷりの熱演で、10分程度伸びての終演でした。

豆まきがなかったらおそらく来なかったであろう今日の黒門亭ですが、
それでも期待以上の噺が聞けるのは何ともいいものです。

恐懼謹言。
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