恐懼に堪えない日々

【恐懼】(きょうく)・・・ おそれかしこまること。日々の生活は恐懼に堪えないことばかりですよね。

5/30(水)第23回両国新作爆笑派宣言@お江戸両国亭

2018年05月30日 | 噺とか
普段はあまり縁のない芸協や円楽党の興行です。
いやはや、どうも普段聞きに行くのは落語協会の噺家さんたちばかりなのですが、
ちょいと時間があってこういう新作落語のイベントもあるのだなーと足を運んでみます。
実際のところ、聞いたことがあるのは兼好師匠と枝太郎師匠ぐらい。
まして、兼好師匠は古典の人だと思っていたので、
こういう会で新作が聞けるとは驚きです。
まだまだ勉強不足ですねぇ。

じゅうべえ「忍者会社」
愛 九「桃太郎ドラフト会議」
楽 生「裏表」
枝太郎「コスモス」
-仲入り-
楽 大「ネタバレ」
三 若「迸る悪意」
兼 好「父さんらしい」

・前座のじゅうべえさん。スウェーデンの出身なのだとか。
 発想はいいと思いますが、あとは展開の仕方ですかねぇ。

・愛九さんは通常では眼鏡をかけていますが、噺を始めると裸眼に。
 新作でもこの方式なんですね。いろんなやり方があると思いますが。
 これも発想はいいと思うのですが、いまいち笑いが少ないというか。
 で、最後のほうで微妙に「桃太郎」を彷彿とさせるセリフ。
 悪くはない。でも何か足りないかなぁ。

・楽生師匠、それまでの2人と違って発声がしっかり。目が覚めました。
 テーマは「裏表」ですが、その中で例の都市伝説的なものを紹介。
 千円札とフリーメイソンのくだりでは、お客さんに千円札を取り出させて解説。
 もはや想像力を掻き立てて、という落語の基本原理すら無視するありさま。
 明智光秀と天海のくだり、歴史好きな人なら納得でしょうがね。

・枝太郎師匠は本来ならネタ出しで「ヘビーシッター」でしたが、某師匠に台本である原稿を貸したら紛失され、
 仕方なくネタを変更します、とのことでこちらへ。
 下ネタ満載、新宿二丁目的要素満載な噺で笑わせてもらいました。
 もちろん、ご時世的にはこういうネタは公共の電波には乗らないでしょうね。

・楽大師匠は「ネタバレ」で、こちらは古典設定なのかな。
 権助提灯のエピソードなどが最初にあって落語ファンをくすぐります。
 田舎の親を安心させるため、権助が見栄を張って江戸っ子になったと手紙を出すところから始まる。
 結局は「ネタバレ」になるわけですが。
 笑いは多くないものの、古典を聞いてる人にはちょっとほっこりする噺かも。

・上方の三若師匠は「迸る悪意」でした。ええ、読めません。「ほとばしる」と読むそうな。
 ひょんなことから相手の悪意が感じられるようになってしまって、という、
 いかにも新作落語にありそうな展開ながら面白いですねぇ。
 こういうのを聞くと上方の新作落語もいいなぁと思ってしまいます。

・トリは兼好師匠。なんでも安いものを買うという癖のある父親がなくなってしまい、
 その葬式の場面から噺は始まります。いやー、これは面白い。
 兼好師匠の落語を聞くのは何回目かですが、新作は初めて。
 それでもどんどん引き込まれますね。

正直なところ、序盤まではどうなるのかなーという微妙な感じがしましたが、
枝太郎師匠・三若師匠・兼好師匠の登場で完全に雰囲気が変わりました。
たまには新たな発見を期待して未開拓のゾーンにいくのもいいかも。

恐懼謹言。
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5/26(土)新作落語せめ達磨73 古今亭志ん五作品集

2018年05月26日 | 噺とか
なかの芸能小劇場で行われている新作落語の公演です。
以前にも参加したことがあって、今回は古今亭志ん五師匠の作品集です。
開場前にすでに長蛇の列ができており、開演時にはほぼ満席の盛況。
今回は14時開演ということも関係しているのでしょうかね。
開演後、私服姿の天どん師匠と志ん五師匠によるオープニングトークで始まります。
このトークも、なんというか思わぬ方向に行ってしまいましたね。
彩大師匠が金髪にした経緯など、ネットには書かないでねと言われましたが・・・
検索するとちょいちょい出てくるもんです。
さて、演目。

花いち「出目金」
めぐろ「笑いの身代金」
駒 次「警察23時ごろ」
天どん「トイレの死神」
-仲入り-
粋 歌「フォーリンロボ」
きく麿「風俗風レストラン」 
志ん五「ぽっちゃり共和国」

・花いちさん、花緑一門でありながら新作派も手掛ける才能あふれる二つ目さん。
 マクラでは前座時代の苦労話をいくつか。
 高座返しをする際に縫い目のあるほうを客席のほうに向けてしまった話や、
 どの師匠の着物かわからないときは、匂いを頼りにするため、鼻が利くようになったことなどなど。
 志ん五作品は本編が短いものが多いらしく、こういうエピソードが聞けるのも面白いかも。
 で、本編の「出目金」は代表作といったところでしょうか。
 金魚になって演じるコミカルな動きが癖になりますね。

・めぐろさんもマクラをたっぷりと。
 前座時代に小三治独演会の前座を務めた際、電車の遅れで小三治師匠が会場に到着しない。
 そこで、しかたなく「たらちね」を25分もかけてゆったりやったところ、
 小三治目当ての客が怒り出して、二度と小三治師匠に呼ばれることはなかったんだとか。
 前座にとって小三治師匠と円丈師匠に呼ばれることは恐怖でしかない、と。
 本編は「笑いの身代金」で、マクラからすんなりと入っていきます。
 笑いのわからない男が噺家を人質に取って・・・というストーリー。
 いつものめぐろさんの作風と違ってこれはこれでまた面白いですね。

・駒次さん、今秋に真打の昇進を控えております。
 マクラでは調布のインターナショナルスクールでの学校公演の話を。
 小学校での仕事、としか聞いておらず、直前にインターナショナルスクールと聞いて大慌て。
 先生が落語の同時通訳をしてアメリカ人の生徒に聞かせるも、見事にすべる。
 女の子に慰められるも、こんなみじめなことはない、と語っておられました。
 「警察23時ごろ」は、以前に聴いたことがありますが、演者が変わると雰囲気も変わります。
 駒次さん特有の歯切れの良さが噺の面白さをさらに高めてくれます。

・天どん師匠は「トイレの死神」。
 本編の前に、7月上席で鈴本のトリをとる告知をされていましたが、
 何を間違えたか宣伝用のチラシを昨年バージョンで1500枚発注してしまったのだそう。
 たしかに、今日織り込まれていたチラシはまさにそれで、そんなことが・・・と。
 で、演題に関する話では、天どん師匠は住んでいるところが近いこともあって、
 志ん五師匠とよく飲みに行くのだそうですが、この噺の本題にもそれをにおわせる場面がちらほら。
 しかし帰る電車の中で、いい年した男の人2人が女性の品定めをするなんて、ねぇ。
 トイレを我慢する男の前に死神があらわれて、というなんとも想像のつく噺ですが、
 それでも天どん師匠が演じると何とも面白いものです。

・粋歌さんはマクラ短め、ササっと本題へ。
 もてない男が女性ロボットを注文して家に呼ぶ、というストーリー。
 なんとなくそのままドタバタでは終わらず、一ひねりされているところが工夫でしょうか。
 粋歌さんの田舎訛りもよく似合っていましたね。
 「銀座なまはげ娘」でもそんな感じでしたかね。

・きく麿師匠はマクラで志ん五師匠との釣りに関する話を。
 毎年、きく麿・彦いち・白鳥・志ん五・彩大・丈二のメンバーでアウトドアに行くそうですが、
 以前、対馬に出かけたときの車内で「歌之助モノマネ勝負」をして盛り上がった話を披露。 
 さすが、九州弁だけあって何とも特徴をつかんでいてうまい。
 そんな盛り上がる中でも、志ん五師匠は冷静だったそうで、なんともクールな人です、と評しておられました。
 「風俗風レストラン」はあくまでレストランの話なのですが、
 やはりどうしても下ネタ方面にいってしまいますねぇ。
 途中から稽古不足がたたったのか、噺がしどろもどろになり、
 円丈師匠よろしく台本のノートを取り出して強引に終わらせるというハプニング。
 いやー、これはこれで面白いのですが、本来のストーリーも気になるところ。

・トリで志ん五師匠があがります。
 「ぽっちゃり共和国」は3年ぶりにかけた話のようですが、これもごく軽く。
 女性のストライクゾーンが広いと他の演者からさんざん言われていましたが、
 個人的にはぽっちゃりが好きで、食べている女に人がたまらなく好き、と。
 そんな流れからのこの噺でした。

調べてみると志ん五師匠もあれこれ新作を創作されているのですね。
寄席で聞くのはごく僅かなので、こうやって聞いてみると本当に多彩で面白い。
次は、鉄道落語でおなじみの駒次さんの台本でこの企画をやろうといっていましたが、
果たしてどうなるのでしょうかねぇ。

恐懼謹言。
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5/23(火)池袋演芸場 昼席

2018年05月23日 | 噺とか
仕事の代休の関係で、平日昼の寄席へ行ってまいります
出演者が魅力的なのは浅草なのですが、平日の浅草はねぇ、ということで池袋へ。
本来ならば彦いち師匠のトリなのですが、本日は休演。
圓太郎師匠のトリを楽しみに、雨の降る池袋へ参ります。
閑散とした演芸場内でしたが、最終的には半分ほどの入りに。

門 朗「道灌」
扇兵衛「転失気」
三語楼「もぐら泥」
きく麿「寝かしつけ」
笑 組「漫才」
文 蔵「のめる」
小ゑん「樽の中」
-仲入り-
志ん五「ん廻し」
天どん「新作(「叱られたい」?)
勝 丸「太神楽」
圓太郎「化け物使い」

・扇兵衛さん「転失気」でしたが、なんとなく序盤から噛み噛み。
 で、結局途中でうっかりネタバレしてしまうという大失策を。
 場内はおかしな空気になってしまいます。
 いや、まぁ有名な噺だからなんてことはないんですが、
 ちょっと油断していたんですかねぇ。

・きく麿師匠の「寝かしつけ」は先日の末廣亭に続いて2度目。
 桃太郎のメロディにのせてきび団子のやり取りをするところがツボ。
 もっとウケてもいいのになぁと思いましたが。
 楽屋に下がって、笑組の両人に、「今日の客は強敵だ」と仰っていたそうな。

・文蔵師匠の「のめる」は初めてかなぁ。
 久しぶりに高座で見かけましたが、少しやせたかな?

・小ゑん師匠「樽の中」は擬人化シリーズ「ぐつぐつ」と対をなす噺でしょうか。
 ご本人のTwitterでは、昨日の鈴本で久しぶりにやったそうですが・・・。
 やはり小ゑん落語の登場人物はいずれもキャラが濃いですねぇ。

・志ん五師匠の古典は初めて聞いたかもしれません。
 おそらくトリが彦いち師匠でないことに対する配慮なんですかね。
 今週末26日に行われる志ん五作品集の会に足を運ぼうと思いますので、
 そちらも楽しみにしています。

・代演での天どん師匠、この新作は2度目なのですが、ネタ名が不明。
 六本木の高級コーヒー店に入ったサラリーマンがうっかりカップを壊してしまい、
 自分より年下の店員に叱られるのが嫌で・・・という流れなのですが。
 やはり天どん師匠の新作に出てくるキャラクターもいろいろと特徴がありますね。

・代バネの圓太郎師匠は「化け物使い」でした。
 ご隠居の人使いの荒さがとともに強引なキャラクターが面白い。
 登場する化け物は一つ目小僧だけなんですね。

全体的にいい顔付けで、コンパクトな時間で楽しい時間でした。
悔やむべきは、昨日までの仕事の疲れで、途中ウトウトしている時間があったこと。
演者の皆様には恐懼に堪えません。
体調は万全にしなきゃいけませんね。
仕事も寄席も。

恐懼謹言。
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5/12(土)初演の会@落語協会2階

2018年05月12日 | 噺とか
馬桜師匠を中心に月に一度のペースで行われている落語会です。
馬桜師匠が昨年度末に病に倒れて以来、久しく開かれていなかったように思いますが、
実際のところは2回目なのだそうです。
今回は宿題三題噺と古典を口演されるということで足を運んでみました。

馬 桜 -お題取り-
馬 桜「三題噺-イケメン・園遊会・またぐ-」
菊 生「熊の皮」
はな平「権助提灯」
馬 桜「三年目」

・この会の目玉である宿題三題噺は輪番制になっていて、今回は馬桜師匠。
 馬桜師匠が口演する新作は結構好きなのですが、今回はちょっと盛り上がりに欠けたか?
 短い期間で新作落語を捜索するのは難しいと思うのですが・・・。
 練り直すともう少し笑いどころが増えるのかなぁなどと生意気なことを考えていました。

・菊生師匠は「熊の皮」でした。
 今回のテーマが「落語の中に出てくる夫婦もの特集」ということで、このネタを。
 初演ということでしたが、不自然な感じもなくトントンと。
 この日は体調が悪かったという菊生師匠でしたが、そんなことを感じさせず、
 きちんと笑いを取るところで笑いを取っておられました。

・はな平さんは「権助提灯」を口演。
 声の調子など、聞いていて楽しい噺でした。
 寄席でもどんどんかかるといいなぁと思います。

・馬桜師匠2席目は「三年目」です。
 こういう噺を聞くと、夏も近いのかなぁなどと思いますが、
 本題に入る前のマクラで、怪談話に関するあれこれを聞くことができました。
 馬桜師匠のこういう教養のある噺って聞いていて面白いものです。

爆笑に次ぐ爆笑という落語会もいいのですが、
ほどほどの人数でゆったりと楽しむ落語会のぜいたくさってありますね。
非常に満足度の高い2時間でした。
欲を言えば、短い時間でも仲入りがあるといいのかも・・・

恐懼謹言。
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5/7(月)三遊亭天どん独演会@ミュージックテイト西新宿店

2018年05月07日 | 噺とか
西新宿ぶら~り寄席と題して行われている落語会です。
以前参加したのが初めてで、その時も天どん師匠の独演会でした。
先日まで末廣亭でトリをとっていた天どん師匠ですが、
その時にできなかったトリネタを披露して、さらにもう1席ということもあり、
そのお得感に負けて、雨の降りしきる新宿まで出向いてしまいました。

天どん「伝説の男」
前座?「通信簿」
天どん「サプライズツアー」
-仲入り-
天どん「五人廻し」

・1席目の「伝説の男」は、人気がありながら海外へと出奔してしまったアーティストが、
 7年ぶりに突如として帰国してしまって・・・という内容。
 世間をにぎわせる某メンバーの騒動を意識したのだろうと思われる節がありましたがね。
 場内は天どん落語痛が集まる会場ということもあり、大爆笑にこそなりませんが、
 こういうナンセンスな噺がとてもいい感じでした。

・1席目後は天どん師匠のお弟子さんが前座さんとしてお目見え。
 文蔵師匠のTwitterなどにその情報の一部が掲載されていましたが、
 まだ見習いという感じなのでしょうかね。
 高座名も紹介されていないので、いったいどうなるのかと気になりますが。
 「通信簿」は天どん師匠がよく寄席でかけるネタですね。
 天どん師匠も「浅草でならウケる」と言っていましたが、
 本家を何度も聞いている会場ではささやかな笑いのみ。
 今後の活躍に期待ですね。

・天どん師匠2席目は引き続き新作の「サプライズツアー」。
 世田谷区民限定のサプライズバスツアーに参加する物語。
 細かい内容はネット上にあれこれと紹介されていますので、
 詳細は述べることを避けますが、本来は秋の話らしいですね。
 今回は春キャベツの収穫体験で群馬に行くことになっていますが、
 本来は芋ほりなんだそうで。
 それはそれで聞いてみたいような。

・仲入りをはさんで最後は古典で。
 「五人廻し」は様々な登場人物が出てきますが、どれも個性があって面白いですね。
 途中に挟まる言い立ても見どころかもしれません。
 これだったら十分に末廣亭のトリネタでもいいのに、なんか事情があったんですかね。

雨の降る新宿のこじんまりとした空間での落語会でしたが、
仕事を無理に早く終わらせてきた甲斐がありました。
そのツケは明日以降に持ち越されるわけですが…

恐懼謹言。
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5/5(土祝)落語協会 五月まつり@国立演芸場

2018年05月05日 | 噺とか
毎年の大型連休にはあちこちでかけていることが多いのですが、
今年はこの日に合わせて予定を開けておきました。
国立演芸場で行われている「大演芸まつり」では、
日替わりで様々な演芸関係の協会が興行を打っているのですが、
本日は落語協会の興行ということになっています。
すでに前売りでチケットは完売となっており、
会場30分以上前についてにもかかわらず大行列という盛況ぶり。
まぁ確かに、鈴本もこの時期は座席指定制を取っているわけで、
そこに比べると値段も割安だから人も集まるのでしょうかね。

駒 六「手紙無筆」
一之輔「加賀の千代」
白 酒「新版三十石」
小さん「ちりとてちん」
市 馬「粗忽の使者」
-仲入り-
口 上
正 楽「紙切り(お笑い三人組・こいのぼり・五月人形・イチロー)」
金 馬「王子の狐」

・一之輔師匠がこの浅い出番で出てくるのが何とも新鮮というか。
 確かに他の面々がベテランクラスということもありますがねぇ。 
 「加賀の千代」は一之輔師匠で何度か聞いていますが、面白いですねぇ。
 甚兵衛さんのとぼけ具合、ご隠居のキャラクターなど、
 どれをとってもさすがだなぁと思います。
 どういうわけか持ち時間より少し早く噺を終えてしまいましたが・・・

・白酒師匠は「新版三十石」。こちらは初聴。
 浪曲師の訛り具合が何ともおかしいですね。
 公演中にスマホに電話がかかってきて孫と噺を始めてしまうあたりもツボ。
 少々マクラが長めだったのも、この噺自体が短めだからなのでしょうか。
 早く上がってしまった一之輔師匠を盛大にいじっておられました。

・小さん師匠はスタンダードに「ちりとてちん」。内容自体は決して悪くないのですが、
 前二人が盛り上げすぎてしまったこともあるのでしょうか、
 会場はそこそこのウケで終始していました。まぁ、ね。

・市馬師匠「粗忽の使者」で再び会場は元気を取り戻します。
 マクラなしで本題のみでしたが、だれることなくしっかり笑わせてくれます。

・口上はどの出演者も「趣旨がわからない」と一様にこぼしていました。
 確かに、誰かの真打披露でもなければ襲名披露でもない。
 確かにおっしゃる通りですね。
 で、始まってみて分かったのが、日本演芸家連合をよろしく、という趣旨なんですね。
 たしかに、そういう団体があること自体知らなかったわけで、なるほどなぁと。
 司会が一之輔師匠で、出演者プラス会長の三笑亭夢太朗師匠。
 披露興行以外での口上は初めてでしたが、大変面白く見せてもらいました。

・トリは金馬師匠で「王子の狐」でした。
 毎回思うのですが、芸歴77年で御年89歳というのが驚異的です。
 噺が始まると本当に引き込まれてしまうのもすごいところ。
 これといってたくさんの笑う場面が用意されているわけではないと思うのですが、
 随所でくすっと笑ってしまうのが腕ということなんですかねぇ。
 
そして、口上の時の様子を見ていてもわかったのですが、金馬師匠の表情から察するに、
本当に暖かい方なんだろうなぁと思いました。
多くの人に慕われ、支えられ現役を長く続けている金馬師匠、さすがです。

恐懼謹言。
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