恐懼に堪えない日々

【恐懼】(きょうく)・・・ おそれかしこまること。日々の生活は恐懼に堪えないことばかりですよね。

6/29(金)鈴本演芸場夜席

2018年06月29日 | 噺とか
史上初の6月中の梅雨明けを迎えた関東地方は、かねてからの暑さに見舞われておりました。
まとわりつくような蒸し暑さが連日続き、
週末ともなるとその暑さからの疲れが身に堪えます。
そんな中で、心身ともにリラックスせねば、と鈴本の夜席へ。
前座のサゲのところで入場。

やまびこ「転失気」
志ん吉「不精床」
鏡味仙三郎社中「太神楽」
志ん五「魚男」
雲 助「夏泥」
アサダ二世「奇術」
燕 路「粗忽長屋」
馬 石「王子の狐」
-仲入り-
ホンキートンク「漫才」
彦いち「熱血怪談部」
二 楽「熱血怪談部・祇園祭」
龍 玉「駒長」

・雲助師匠は「夏泥」でした。
 こちらは弟子の龍玉師匠がよく寄席でかけているイメージでしたが、
 改めてその元祖に出会えた感じがしました。
 雲助師匠の表情といい声色といい、なんとも癖になりそうです。

・アサダ先生は、いつもよりも長めに。
 なんでも後にくる代演の燕路師匠が楽屋入りしていないからだとか。
 たっぷりとマクラ(?)を振って、いつもの奇術へ。
 トランプの手品のお手伝いをするとカードがもらえるのはいつも通りですが、
 そこに千社札を貼るサービスはいつ始めたのだろう。

・馬石師匠、いいですねぇ。仲入りのこの出番で「王子の狐」というのがなんとも。
 ワールドカップのマクラからすーっと本題に入っていくあたり、さすが。
 なんというか、色気がありますよねぇ。

・トリの龍玉師匠は、珍しい噺を、と「駒長」へ。
 寄席で聴いたのは初めてで、ドタバタの夫婦のやり取りから、
 上方の長兵衛さんが出てくるところまで引き込まれてずーっと聞いてしまいました。
 龍玉師匠というと、今までは寄席の浅い出番でしか聞いたことがなかったのですが、
 聞かせる実力をお持ちだなぁと改めて。

鈴本の平日の夜席はのんびりしていて、本当に贅沢な時間だなと思います。
週の終わりに疲れた心身をいやして帰路に就いたのでした。

恐懼謹言。
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6/24(日)第2回Only You落語会 ~文蔵・一之輔二人会~

2018年06月24日 | 噺とか
池袋にあるライブハウスで行われている落語会です。
今回は文蔵師匠と一之輔師匠の二人会ということで、ずいぶん前にチケットを入手していました。
日曜日の昼下がり、池袋の北口から歩いて5分少々。
到着したらすでに行列になっておりました。
入場には優先順位があり、
優先1・・・前回のチケット購入者
優先2・・・先行販売?での購入者
優先3・・・ぴあなどでの購入者
ということで、私は優先で中へと入ることができました。
それでも、かなりの人が前回からのリピーターなんですねぇ。
セットのドリンクを受け取り、いざ。

かな文「雛鍔」
文 蔵「寝床」
一之輔「かぼちゃ屋」
-仲入り-
一之輔「船徳」
文 蔵「転宅」

・かな文さん、前座噺としてはあまり聞かないような「雛鍔」。
 寄席ではあまり聞かないような気がしますが、
 子供が出てきてわかりやすい話が他にもあるから?
 いずれにしても元気よくはきはきと、面白く演じておられました。
 約25分ありましたが、ちょっと長かったか。

・文蔵師匠は先日のヨーロッパ講演での話をマクラで。
 「ちりとてちん」と「芝浜」を演じられたのだそうですが、
 現地ノルウェーの文化と日本の文化の違いで驚いたとか。
 例えば、向こうではどんなことがあっても嘘はついてはいけない、
 ということになっており、ダメな夫を改心させるためとはいえ、
 拾った金のことを夢だと言い切ってしまう女房は悪女だ、
 などと喧々諤々の議論が生まれたんだそうな。
 それでも、知ったかぶって偉そうにふるまう人物は懲らしめてしまえ、
 という考えから「ちりとてちん」の腐った豆腐を食べるシーンは盛り上がったとか。
 文化の違いって面白いもんです。
 本編の「寝床」もたっぷりと。
 理由をつけて義太夫の会への参加を渋る町人たちの中には、
 噺家の名前もちらほらと入れてくすぐりにしてあります。
 内容はちょっと書けませんね・・・

・一之輔師匠、マクラではワールドカップの話題をちらほらと。
 まったく興味ないんだそうですが、その辺は私も同感するところがあり・・・
 会場は少し引いているようにも感じましたが、そういう人もいていいと思うのです。
 で、会場であるここのライブハウスまで来るときの不安さもあれこれと。
 そして池袋演芸場前の通りにある横断幕に、
 「客引きは 100% ぼったくり」に触れ、
 演芸場も客引きしているのだけど、微妙な気持ちになる・・・と。
 帰りがけに気になって見に行ってしまいました。ええ、なるほどね。
 
 前がたっぷりだったので軽い噺、と「かぼちゃ屋」へ。
 一之輔師匠の演じる与太郎が何とも言えず楽しい噺でした。
 仲入りをはさんで一之輔師匠の2席目は「船徳」。
 これもまたドタバタの噺でありながら、あちこち笑いがあって面白いですねぇ。

・トリの文蔵師匠は「転宅」でした。
 文蔵師匠で聴くのは3回目ぐらいでしょうかねぇ。
 サゲにかかわる義太夫のところが「寝床」とついてしまうのでは?と思いましたが、
 やはり、そこのところを巧みに話に織り込んでおられました。なるほどねぇ。
 前後しますが、ヨーロッパとの文化の違いについてもう一つ語っておられたのが、
 海外では、拾ったものは届ける習慣がない、と。
 落とした人間が悪いのだから、置いてあったものを身に着けて何が悪いんだという理屈らしい。
 その理屈から行くとやはり「芝浜」は成り立たないのだと。難しいやら面白いやら。

コンパクトなライブハウスで、演者との距離も近く、いい落語会でした。
ただし、座った椅子が簡易な丸椅子なため、腰の調子が・・・
会場の椅子、大事ですねぇと改めて感じます。

恐懼謹言。 
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6/16(土)黒門亭 第3151回

2018年06月16日 | 噺とか
久しぶりの黒門亭です。
この日は第1部の顔付けの良さもさることながら、
第2部の顔付けも面白そうだなぁということで、
1部から通しで見るつもりだったのですが、早い段階で通し券が終了。
そりゃ10枚限定だからなくなるのはすぐなんでしょうけどね。
白酒師匠や川柳師匠が出ることもあって、おそらく第1部がハネてからでは札止め必至。
コンパクトに楽しむことに目的を変えて、いざ。

市 若「花色木綿」
まめ平「禁酒番屋」
萬 窓「鼓ヶ滝」
-仲入り-
扇 辰「団子坂奇談」
馬 桜「文違い」

・開口一番は市若さん。よく見かける前座さんです。
 普段の寄席ではあまり聞かないように感じますが、
 前回この噺を聞いたのも、ここ黒門亭で、おさん師匠だったと思います。

・まめ平さんは「禁酒番屋」でした。
 この噺もあんまり定席では聞かないような気もします。
 あとで馬桜師匠が言っておられましたが、
 本当は禁酒の理由をあれこれ時事ネタを絡めてやりたかったそうですが、
 通の客が多いような気がしてできなかった、と。
 いやいや、それでぜひ聞きたかった。
 番屋の役人のよい具合など、コミカルで楽しい話でした。

・萬窓師匠の「鼓ヶ滝」も有名な話ではありますが、歌奴師匠がよくやるような。
 むしろそれ以外の人からはあまり聞かないような気も。
 マクラもたっぷりで楽しく、ついつい話に引き込まれてしまいます。
 
・扇辰師匠「団子坂奇談」を聞くのは、2度目でしょうか。以前は鈴本で。
 マクラでは昨日は喬太郎師匠と新潟まで日帰りの仕事に2人で行った話を。
 新潟ぐらいの距離だと夜までやっても日帰りなんですねぇ。
 このへんのエピソードも面白いもんです。
 で、この後の噺が大ネタですので、私は軽くくだらないところで、と。
 この噺も扇辰師匠以外からは聞いたことがありません。
 なんでしょう、細かい説明一切なくサゲになるわけですが、
 細かいところが全く解明されないあたりのモヤモヤ加減もまた何とも言えません。

・馬桜師匠はネタ出しで「文違い」でした。
 足の状態はまだまだといった感じで、先日の「初演の会」同様、見台を出して口演。
 マクラでは、入院時のエピソードをあれこれと。
 なるほど、これで1本の噺になるわけですね。今日のところはさらっと。
 登場人物、みんな癖があってその演じ分けがまた秀逸です。
 出てくる人、みんな悪い人なんですが、妙に憎めないというか。
 こういう騙しあい、探り合い、今でもあるんだろうなぁ。

終わって外に出てみると、案の定札止めになっており、
外には多くの人であふれていましたとさ。
いやー、第2部も見たかったけど、これもまた縁ですね。

恐懼謹言。
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6/10(日)鈴本演芸場 夜席

2018年06月11日 | 噺とか
久しぶりの鈴本へ行ってまいりました。
関東地方は梅雨入りして雨模様というわけですが、
この日は台風の接近もあって一段と雨が強く降りしきっておりました。
こういう時の寄席の夜席は、ほどほどに空いていて快適なものです。
いや、演者さんからしたら満席のほうがいいのかもしれませんが。
のんびりと、そしてゆったりと噺を聞ける贅沢もあるものです。

乃々香「元犬」
志ん松「たけのこ」
鏡味仙三郎社中「太神楽」
菊千代「初天神」
圓太郎「強情灸」
ホームラン「漫才」
馬 石「粗忽の釘」
扇 遊「一目上がり」
-仲入り-
ペペ桜井「漫談」
文 菊「猫の皿」
二 楽「紙切り(回転木馬・バルタン星人)」
菊志ん「火焔太鼓」

菊志ん師匠のトリを聞きに来るのは初めてでして、
寄席の出番によっては漫談で降りてしまうイメージもある感じですが、
定番の「火焔太鼓」をしっかりと。
そして、ところどころのくすぐりがこの上なく面白い。
決して新作派というわけではないのですが、
妙に納得して笑ってしまう感じがたまらないのです。
雨の降った午後になんとなく寄席へ出かけて、こういう寄席に出会えたら幸せだなと。
まさにそんなことを感じた日曜日の夜席でした。

恐懼謹言。
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