恐懼に堪えない日々

【恐懼】(きょうく)・・・ おそれかしこまること。日々の生活は恐懼に堪えないことばかりですよね。

2022/07/10 黒門亭一部(主任:三遊亭天どん)

2022年07月10日 | 噺とか
約1年半ぶりの黒門亭です。
コロナが一時期収束していた頃、
10名限定で行われていましたが、
その後にまた感染が拡大し、休止。
この7月から久々に復活することになり、
20名限定で電話予約必須ということに。
顔付を見ていたら、天どん師匠の新作がネタ出しされており、
「スイカ泥」というのは未聴だったので、
早速電話予約をしたという次第です。
電話予約制なので、満員札止めになることもなく、以前のように並ぶ必要もなし。
受付名簿がチラッと見えましたが、
今日は16名だったようです。

「鮑のし」    扇ぱい
「田能久」    花飛
「悋気の火の玉」 圓王
「死ぬなら今」  たけ平
「スイカ泥」   天どん

前座は扇遊一門の扇ぱいさん。
語り口がかなり師匠のそれとそっくり。
鮑のしを途中のところまで。
前座さんながらかなり安定していて、
笑いもふんだんにとっていました。
これも黒門亭の暖かさですね。

花飛さん、たびたび拝見します。
この日は最近ご無沙汰の田能久でした。
全体的に笑いの多い噺ではありませんが、
じっくりと聞かせて、最後のところでしっかり落として笑いをとる、そんな感じ。
安定感があってとてもよい高座でした。

圓王師匠はたぶん初めまして。
昨年来から一門の不幸が続き、
さらには昨今の暗い話題とあいまって、
なかなか楽しい話がない。
兄弟子との思い出から、いくつか小噺で、
悋気の火の玉でした。この噺は、
当代の文楽師匠でよく聞くイメージ。
くすぐりをふんだんに入れつつ、
楽しく聞かせてもらいました。

仲入りに続いて、たけ平師匠。
浅草で多く顔付されているせいか、
最近はあまりお目にかかりません。
七月上席は浅草で夜のトリを取られているようですね。
後で天どん師匠がネタバラシしてますが、
やたらと声のボリュームが大きいのは、
敬老会などによく呼ばれているから。
黒門亭のキャパで十分すぎるボリューム。
少々の圧を感じないこともありませんが、
死ぬなら今、を楽しく聞かせてくださいました。

トリの天どん師匠のスイカ泥は、
独特の泥棒美学をもった二人組が、
スイカを盗みに入るところから繰り広げ割られるドタバタ劇。
新作ですが、古典の泥棒噺にも通じるような面白さがありました。
マクラを除くと15分程度のコンパクトさなので、寄席でも聞けるかもしれません。

久しぶりの黒門亭は安定の楽しい空間。
一年半ぶりなのに、客席の顔がほとんど変わっていない、というのはたけ平さんの言葉ですが、それは私も感じるところ。
感染が拡大しつつありますが、
ぜひ継続してほしいものです。
暑い最中、効きすぎなぐらいの冷房もまたサービスの一つということで。

恐懼謹言。
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2022/07/04 第174回 四の日昼席@スタジオフォー

2022年07月04日 | 噺とか
久しぶりに落語を聴きに行きます。
鈴本の喬太郎師匠も気になるところでしたが、月曜ということで定休日。
ということで、西巣鴨の四の日昼席へ。
コンパクトな会場なら難聴の影響も軽微。
ここではいつも楽しませて貰っています。
開演間際に駆け込むと、席は9割近く埋まっておりました。
月曜の昼から人気の高さがわかります。

「宮戸川」      やまと
「千両みかん」    左橋
「たがや」      文菊
-仲入り-
「ひろしのおっかけ節」駒治
「唐茄子屋」     馬石

開口一番はやまと師匠。
先日のauの電波障害をマクラに一笑い。
ネタは「宮戸川」ですが、お客さんも慣れていて安心して楽しめますね。

続く左橋師匠は物価高の話から、農作物の話へと続いて夏の噺、「千両みかん」へ。
トリネタでもかかりそうな、そんな噺ですが、蒸し暑いこの日にピッタリ。
夏ならではの噺ですね。

仲入り前は文菊師匠。
鈴本の夜のトリをとっていますが、
この日は月曜のためお休み。
寄席や芝居の大向こうについてあれこれ。
文菊師匠から聞く「たがや」も初めて。
これまた夏に楽しい、スカッとするそんな噺でした。

仲入り後の駒治師匠は、氷川きよしのライブに行ってきたことに着想を得た新作。
「ひろしのおっかけ節」という、今回が2回目という新しい噺。
氷川ひろし(こおりかわひろし)なるアイドルと、
その追っかけのおばさまの話。
実際に氷川きよしのコンサートなんか、こんな感じでパワフルなおばさまがいるんでしょうね。
駒治落語に出てくる女性の描き方も毎度楽しくて面白いですね。
今後も寄席でかかるのかな?
途中で携帯鳴ったのが残念。

トリは馬石師匠で、「唐茄子屋」。
これもやはり暑い夏の日の噺ですね。
噺の冒頭、若旦那が勘当されるあたり、
ちょうど来週の四万六千日にかけて、
「船徳」かなと思ったのですが、
普段あまり聞かない「唐茄子屋」でした。
放蕩者の若旦那と、面倒を見るおじさん。
唐茄子を売る手伝いをする町人まで、
みんな憎めない、人間らしさのあるそんな人たちの生き様が面白いですね。

季節感たっぷりの夏の噺と、
出来たばかりの新作を満喫できて、
久しぶりのスタジオフォーは大当たり。
4のつく日になかなか来ることはできないものの、
魅力を改めて感じた1日でした。

恐懼謹言。


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突発性難聴 発症から約半年

2022年07月02日 | 突発性難聴療養生活
久しぶりの更新になります。

3ヶ月ぶりに通院してきました。
1月に突発性難聴を患って入院し、
その後は通院と並行して鍼治療に通い、
聴力の回復に努めてきました。
途中から、回復のスピードも鈍り、
右耳の聴力は完治しない状態です。
久しぶりの通院に際し、
聴力検査を行ないましたが、
ごくわずかに低音域が回復している程度。
お医者様曰く、まだ回復の途上なので、
3ヶ月後に再び経過を見たい、とのこと。

正直、最近は聴力が回復した実感もなく、
鍼治療も30回目の治療を機にストップ。
自分の耳は完治しないんだなと悟り、
そんな現状を受け入れつつある中で、
通院も今日が最後かなと思っていました。
そんな中で、僅かながらでも回復しているというのは、嬉しい話です。

日常生活の中で不便さを感じることは今も続いており、
そんな自分の症状を受容して生きていかなければならないわけです。
人との会話に支障をきたすのは、
特に困ったことと言えます。
それでもなんとか、今の仕事を続けてはいますがね。

耳が聞こえるという、健常者にとっては当たり前のことも、
この半年間で色々考えさせられました。
あと3ヶ月たって、今よりもなお回復していることを祈ります。
薬もちゃんと飲まないと。

恐懼謹言。
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