恐懼に堪えない日々

【恐懼】(きょうく)・・・ おそれかしこまること。日々の生活は恐懼に堪えないことばかりですよね。

3/30(火)鈴本演芸場 三遊亭れん生 真打昇進披露興行

2021年03月30日 | 噺とか
こちらも久しぶりの鈴本演芸場です。
3月下席が始まるまで、約2か月休業していました。
おまけに夜席は当面の間休止で、月曜定休になるという。
そんな鈴本の真打昇進披露興行にどこかで行っておこう、
ということで仕事も比較的休めそうなこのタイミングで鈴本へ。
前日の正太郎改め柳枝師匠の興行は前売りで完売だったそうですが、
めぐろ改めれん生師匠の2日目の披露目である今日はそこそこ余裕がありました。
やはり平日の昼席はこれぐらいの余裕があるといいですね。

「狸の札」     扇ぽう
「奇術」      アサダ二世
「ざいぜんごろう」 玉の輔
「初音の鼓」    正朝
「漫才」      ロケット団
「松山鏡」     正蔵
「高砂や」     市馬
「浮世節」     橘之助
「棒鱈」      菊之丞
 -仲入り-
 口上
「無精床」     権太楼
「同棲したい」   喬太郎
「紙切り」     正楽
「にわとり」    れん生

真打昇進披露興行に来るのも久しぶりでしたが、
全体的におめでたい雰囲気がいいですね。
出演者も大物が名前を連ねており、贅沢な顔付け。
円丈師匠はなんでもここのところ体調がすぐれないらしく、
口上には参加せず、手紙で参加して玉の輔師匠が代読されました。
定席でそれぞれ別のパターンを用意されているようです。
なお、口上には玉の輔(司会)・喬太郎・権太楼・正蔵・市馬の各師匠が登場。

全体的にとても落ち着いていましたが、
やはり喬太郎師匠(一之輔師匠の代演)の破壊力はさすがといったところ。
久しぶりに拝見しましたが、やはりすごいですねぇ。
「濃厚接触」の小噺も時節柄ヒットしました。
「同棲したい」は有名どころながら初めて聞きました。

れん生師匠はマクラで名前の由来をあれこれと。
円丈師匠から提示されたのが「めぐろ家小ばち」だったそうな。漢字は不明ですが。
「めぐろ」の名前を10年近く使っていたからそれを捨てるのはもったいない。
そして、寄席のトリに出てくるのではなく、居酒屋のお通しの小鉢のように、
最初に出てくるような芸を、とのことらしいですが、
当然ながら不満を伝えると、続いて「めぐろ家千住」を提案されたそうな。
出身の目黒と、師匠の住む足立区の千住に由来し、
「中目黒と北千住を結ぶ日比谷線のような芸人」になるように、
というよくわからない理由を提示され、これも却下。
その後、弟弟子のわん丈さんとふう丈さんの提案もあり、
「れん丈」になりかけたそうですが、古典の腕前もなかなか、ということもあり、
圓生師匠の「生」を入れて「れん生」が候補に上がり、
どちらとも決めきれず、最終的にはタロット占い師に決めてもらったそうで。
ともかく芸人の名前を決めるっていうのも難しいもんですよね。

本題は以前に聞いたことのある「にわとり」でした。
鶴の恩返しのようなストーリー展開で、軽めの噺といえます。
れん生師匠の独特の世界観が伝わってくる楽しい噺で、
これからも楽しい新作をたくさん聞いてみたいと思うのでありました。
久しぶりの平日の昼席、そして披露目を満喫しました。

恐懼謹言。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

3/27(土)池袋演芸場 落語協会新作台本まつり

2021年03月27日 | 噺とか
3月下席の池袋は恒例の新作台本まつり。
寄席の定席でありながら、まるで新作の会の様相を呈しています。
この池袋に約3か月ぶりぐらいに足を運びました。
この芝居、日替わりで顔付けも変わるのですが、足を運べるのは今日ぐらい。
にもかかわらず非常に魅力的な顔付けで、期待は高まります。
それなりに席も埋まるかなとも思いましたが、
ちょうど左右一席ずつぐらい空けて座れるぐらいのちょうどいい感じ。

「つる」         ひこうき
「1パーミルの恋人」   丈二
「龍馬伝」        圓歌
「はじめての確定申告」  天どん
「太神楽」        翁家和助
「糖質制限初天神」    馬るこ
「寝かしつけ」      きく麿
 -仲入り-
「時の過ぎ行くままに」  清麿
「フィッ!」       小ゑん
「粋曲」         小菊
「旅のかかし」      はん治

こうしてみると前座さん以外すべて新作。すごいもんですね。

丈二師匠はすごく久しぶり。
この師匠の新作はどれも素晴らしい出来なのですが、なかなか出会う機会がなく。
この「1パーミルの恋人」も間違いなく代表作の一つ。
久しぶりに聞くいことができてよかった。

浅い出番での圓歌師匠は久しぶり。
普段はすっとネタに入るのですが、
丈二師匠の血液型ネタから自分自身の「B型人間」のようなマクラへ。
すべて計算の上で高座に上がっている印象の圓歌師匠ですが、
このマクラはそんな感じでもなくかなり即興だったような。
そんなこともあってかかなり伸びてしまいました。

延びてしまった後の天どん師匠、こんなことは慣れっことばかりに、
本題「はじめての確定申告」へと入っていきます。
この噺、演題は見たことあれど、初めて聞きました。
時期的に確定申告で忙しいこの時期のお話。
税務署に確定申告にやってきた一見普通の主婦が実は殺し屋、という。
天どん師匠らしい楽しい一席でした。

馬るこ師匠はおなじみの「糖質制限初天神」でした。
マクラでは、最近デビューしたArakezuriなるアーティストのMVに出演した話を。
撮影の苦労話から笑い話までありましたが、
このあとちょっとMV見てみようと思います。

きく麿師匠も安定の「寝かしつけ」で楽しませていただきました。
また、マクラで披露された正雀師匠、はん治師匠、雲助師匠のモノマネが秀逸。
YouTubeでもどんどんやってほしいものです。
マクラと本題合わせて今日で一番笑ってしまったような。

清麿師匠から小ゑん師匠と新作のベテラン勢を経てトリのはん治師匠へ。
ネタ出しで「旅のかかし」という新作台本の選に入った作品。
これで口演されるのが3回目とのことですが、そこはベテラン。すっと噺に入ります。
演題だけではどんな話か想像つかなかったのですが、
なんとなく古典の世界にありそうな、そして昔ばなしにもありそうなほのぼのとした噺。
仕事はしたくない、でもおいしい思いはしたいというだらしのない男が、
流れ流れて各地を転々と移動しながら、ある畑に入って盗みを働こうとするところを見とがめられ、
とっさの嘘をつくところからストーリーが始まります。
自分は畑で盗みをしていたのではなく、かかしになっていたのだ、と。
実質15分程度のコンパクトな噺でしたが、
もっと寄席でもかかってよさそうな感じ。

期待も大きかったのですが、実際の満足度も非常に高い池袋でした。
座席も余裕とゆとりがあり、のんびりゆったりといい時間が過ごせました。
4月の上席、昼が天どん師匠、夜は一之輔師匠。
こんな感じなら1日いても苦にならないはず。

恐懼謹言。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

3/13(土)連雀亭昼席

2021年03月13日 | 噺とか
先週に引き続き、午前中の仕事ののち連雀亭へ。
この日、東京は春の嵐ともいうべき雷と大雨に見舞われたこともあってか、
客席も極めて少人数でありました。
いろんな落語会に参加をしていますが、おそらく経験する中での最少人数。
記事を書いたら特定されてしまいそうですが。

「野ざらし」    あお馬
「アブラカタブラ」 とむ
「寿限無女子」   だん子
「小言幸兵衛」   市若

あお馬さんは落語会や寄席でたびたびお目にかかります。
この日の4席の中で最も良い落語だったなぁと思います。
マクラもなく、余計な入れ事もなく、それでいて噺に引き込まれる。
なんとも幸先の良いスタート。

続く、三遊亭とむさんは、昨日女の子が誕生したというおめでたい話題から。
過去に芸人をしていたということは知っていたのですが、
その時のエピソードをあれこれ。
詳しくはwikiなどにも記載があるのですが、
小道具を使った一発ギャグがお得意だったそうな。
今回の新作もそんな芸人時代のギャグが元になっているようです。
面白かったのは面白かったのですが、どうにも詳細が思い出せず。
んー、こういうこともあります。

女流落語家の立川だん子さんは初めてお目にかかります。
これまたwikiの情報ですが、20年以上社会人経験をされたうえで、
談四楼師匠に入門された経歴を持つ落語家さん。
「寿限無」の改作なのですが、残念ながら同様の改作と比べると・・・。
円丈師匠の「新寿限無」やふう丈さんの「ライザップ寿限無」が秀逸なだけに、
もう一捻りほしいなぁなどと思うのでした。

トリは柳亭市若さん。前座さんの頃こそよくお見掛けしましたが、
二つ目になってからは初めてかもしれません。
マクラで話されていましたが、オランダ生まれなんですねぇ。
オランダと五反田をネタにするのはホンキートンクと被りますが。
で、本編では「小言幸兵衛」をかけられました。
ところどころ滑舌が怪しくなるところが気になる以外は、
楽しく聞かせていただきました。
途中で大雨と雷の音が会場内に響き渡りましたが、高座には影響なし。
とはいえ、終演時間よりも10分弱早く終わってしまいました。
先週、希光さんが「あんまり早く終わってしまうとそれとなく注意される」といっていましたが、
その辺のところどうなんでしょうね。
大ネタをかけると時間の配分から延びることもあるのでしょうが、
逆に早く終わってしまうこともあるのかも。

これといって目当ての芸人さんがいるわけでもないながら、
ふらっと立ち寄る連雀亭ではいつもいろいろな発見があります。

恐懼謹言。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

3/6(土)連雀亭昼席

2021年03月06日 | 噺とか
午前中に仕事があり、どこかの寄席へでもと思い、
お手頃に楽しめる連雀亭のきゃたぴら昼席へ。
近頃、ぼんやりとYouTubeで視聴しているraku-bang
にも出演されている笑福亭希光さんも顔付けされており、
落語は拝見したことがないもので、そのあたりも楽しみにしつつ。
客席はなんとかつ離れしている状況で、
昼席前のワンコインのお客さんは3人だったとか。

「代脈」   あんこ
「堀の内」  萬丸
「一眼国」  花飛
「喧嘩長屋」 希光

開口一番は、あんこさん。
「代脈」という噺もあまり聞かないかなーという印象。かなり久しぶり。
それになりに笑いどころもあるんですが、どうも客席が堅いのもあって、
盛り上がりきらなかったような印象。

続く圓楽党から萬丸さん。
「堀の内」もよく聞く噺なのですが、
家を出てからお祖師様まで行く過程がかなり細かく描写されており、
家に帰ってくるところで切ってしまいます。
寄席なんかの短い出番ではこういう切り方もあるんでしょうが、
だとすれば序盤から前半の部分が冗長に感じるところもあり、
もう少し刈り込んでおけば気持ちよく最後まで行けたのかなぁ、などと。
ここでもやはり客席は堅めでありました。

続く花飛さん。この方も連雀亭でたびたびお目にかかります。
うっかりマスクをしたまま高座に上がりかけておられました。
テイストが変わって「一眼国」をかけられました。
この噺は扇辰師匠から聞くイメージが強いのですが、
たくさんの笑いを求めるというより、客席をぐっと話に引き込むイメージ。
無理に笑いを取りにいかず、自然体で語り、
かつ話にぐっと引き込まれる感じは、さすが花飛さん。

トリの希光さん。この日はやりたい噺があるものの、
10分程度なのでマクラたっぷりでご勘弁を、ということで、
約20分程度がマクラに費やされました。
コロナ禍での芸人さんのさまざまな苦労話を中心に、
YouTube動画に関するあれこれから、
芸術協会つながりの伯山先生のエピソードなどなど。
とても楽しく聞かせていただきました。
本題は「喧嘩長屋」で、これも元々上方の噺なのですかね。
あまり聞いた覚えのない話ですが、楽しい噺ですね。
ときどきではありますが、上方落語を聞くのもいいものです。

しかしまぁ仕事をしてからの落語はどうも睡魔との戦いになってしまいます。
まして昼食後のこの時間は危ない危ない。
人数の少ない連雀亭のような客席だと演者さんからも見えてしまいますからね。
落語を聞きに行く際にも体調は万全でないと。

恐懼謹言。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする