恐懼に堪えない日々

【恐懼】(きょうく)・・・ おそれかしこまること。日々の生活は恐懼に堪えないことばかりですよね。

11/27(水)鈴本演芸場夜席(主任:古今亭志ん陽)

2018年11月29日 | 噺とか
なんとなく仕事に疲れて癒しを求める週の真ん中、
少し早めに仕事を終えて鈴本へ。
平日の夜席ならではの、のんびりと贅沢な空間に身を委ねます。

駒 六「子ほめ」
志ん吉「桃太郎」
翁家社中「太神楽」
志ん丸「鈴ヶ森」
扇 遊「たらちね」
小 猫「物まね」
志ん輔「夕立勘五郎」
歌 奴「掛取風景」
-仲入り-
ホンキートンク「漫才」
駒 治「ガールトーク」
二 楽「紙切り」(キンシオさん・イノシシ)
志ん陽「井戸の茶碗」+かっぽれ

前座の駒六さん、ときどきお見掛けしますが、聞き心地がいいですね。
聞きなれた「子ほめ」ですが、あまり聞かない言い回しも。
いろいろなパターンがあるものですね。

志ん丸師匠、あまり寄席ではお見掛けしません。
丸々とした恰幅の良さで泥棒噺の「鈴ヶ森」を演じました。
間抜けな泥棒の掛け合いが笑いを誘います。

扇遊師匠の「たらちね」は何回か聞いていますが、
前座噺であるこの噺をとても面白く演じます。
噺もやり方次第でここまで面白くなるのだなぁとある意味不思議な感じがしますが。

歌奴師匠、年末になるとしばしばこの噺をかけますね。
途中に出てくる、「男はつらいよ」好きの寅屋の旦那のくだりがもうすごい。
私の世代はぎりぎりこの映画がわかる年齢だと思いますが、
これを聞いてしまうともうダメですね。
歌奴師匠の芸の幅、恐るべし。

駒治師匠は真打になってから初めて寄席でお目にかかります。
鉄道落語を期待したのですが、そこは鈴本。
本編は短めで、驚くべき早口ですが、噺の面白さはさすが。
次こそは鉄道落語に期待です。

トリの志ん陽師匠は、「井戸の茶碗」でした。
のんびりとした贅沢な空間でゆったりと楽しむにはもってこいです。
笑いどころも随所に入りつつ、しっかりと聞かせる噺だなぁと。
気が付くとあっという間に時間がたっている。
そんな時間を忘れて引き込まれてしまう噺でした。
噺の後には躍り出かっぽれを披露。
失礼ながら、外見からは想像もつかないようなキレのある踊りはさすが。

※緞帳が故障しているためと見えて、開演から仲入り、そして終演まで緞帳が開きっぱなし。
 こういう機会も珍しいのでしょうか。

恐懼謹言。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

11/16(金)池袋演芸場 昼席途中から夜席まで

2018年11月17日 | 噺とか
仕事を午前中で終えて、昼下がりの池袋へ。
白酒師匠がトリの末廣亭と思案したのですが、顔付けなどを考えて池袋へ。
平日の昼だというのに8割程度の入りでございました。

【昼の部】
琴 調「鼠小僧次郎吉 少年時代」
おしどり「漫才」
圓太郎「五人廻し」
-仲入り-
志ん陽「置泥」
伯 楽「猫の皿」
小 菊「俗曲」
志ん輔「子は鎹」

圓太郎師匠は仲入りの出番で「五人廻し」を披露されました。
このタイミングで聞けるっていうのも持ち時間のある池袋ならでは。

志ん輔師匠の「子は鎹」、やはりほろっと来るいい噺です。
子供の名前は亀ちゃんじゃなくて金坊、
頭をたたくのはゲンノウではなくて金づち。
細かいところや言い回しの違いはやはりあれこれあるのでしょうかね。

【夜の部】
市 若「牛ほめ」
市 楽「やかん」
扇 蔵「元犬」
正 楽「紙切り」(七五三・伊豆の踊子・ライザップ・稀勢の里)
龍 玉「もぐら泥」
天どん「不良クラブ」
ニックス「漫才」
白 酒「権助魚」
小ゑん「レプリカント」
-仲入り-
小平太「猫と金魚」
歌武蔵「黄金の大黒」
アサダ二世「奇術」
市 馬「三十石」

天どん師匠の噺は数を聞いていますが、これは初めて聞きます。
調べてみると、先日の新作の会「せめ達磨」で披露されたようです。
こういう力の抜けたキャラクターづくりが癖になります。
また改めて聞いてみたい噺です。

小ゑん師匠も同様に初めて聞いた「レプリカント」。
酔うと何でもかんでも家に持ち帰ってしまう大学生・八木が、
ある日ケンタッキーフライドチキンのカーネル像を盗んできてしまい・・・、
というこちらも攻撃力のある新作を聞くことができました。

新真打の小平太さんがさらっと「猫と金魚」、
そのあとの歌武蔵師匠がしっかりと「黄金の大黒」でしめて、
トリの市馬師匠は、昨日の交通支障の影響で欠席したアサダ先生をいじりつつ、「三十石」。
のんびりした上方の旅風景と舟歌がいいものです。

やはり平日の寄席のゆったりとした雰囲気がいいですね。特に池袋。

恐懼謹言。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

11/10(土)大井寄席 春風亭正太郎独演会

2018年11月10日 | 噺とか
ふじみ野市で行われている地域寄席で、大井公民館の視聴覚室という、
何ともこじんまりとした、かつ地元密着な落語会に行ってきました。
その前に、同じく埼玉県内にある智光山公園でのお祭りイベントに足を運び、
林家二楽師の紙切りと江戸家小猫先生のモノマネ芸を堪能して参りました。
ある意味でのダブルヘッダーですがね。
屋外で立ったままの紙切りと、持ち時間30分の動物モノマネもレアでした。
これで無料なのだからかなりの太っ腹。

で、昼食ののちふじみ野市の中央公民館へ。
どういうわけか会場周辺に尋常ならざる人数の警察官が警戒しており、
??という感じだったのですが、同じ敷地内で某政党の演説会が行われており、
どうもそちらの警備だったみたい。
このことは正太郎さんもマクラでネタにしておられました。
15時開演で、開場は満席で札止め。
聞くところによると150回近く続く伝統的な会のようです。
木戸銭が前売り500円、当日600円というのも破格ですね。
長く続く会は地域の方からの支持が不可欠なのも頷けます。
さて、演目は、

・桃太郎
・引っ越しの夢
・二番煎じ

の3席でした。

長いこと続いている会でも、出ていない演目もあるとのことで、
1席目は軽いところの「桃太郎」。
よく聞く噺ながらも、やはり演じ手が変わると印象も変わります。
ムキになって子供を寝かしつけようとするお父さんと、
理路整然と反論する金坊の飄々とした語り口が面白く、
会場を沸かせておりました。

2席目は「引越の夢」。
こちらも出てくる登場人物の個性がしっかりと描かれており、
なんといってもその表情が面白い。
耳で聞いて、目で見て楽しめる噺ですね。

仲入りをはさんで、最後に「二番煎じ」。
そろそろ秋も深まり、冬の噺をということでしょうが、
いかんせん会場が生暖かい空気で、イマイチその季節感が・・・
とはいえ、夜回りする町人の可笑しななやりとりから、
番屋の中で酒と鍋をつつくシーンを見ると、やはりいいですね。
寒い日の鍋が恋しくなる噺です。

冬の噺がかかり始めるそんな時期、今年もカウントダウンの時期でしょうか。

恐懼謹言。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする