恐懼に堪えない日々

【恐懼】(きょうく)・・・ おそれかしこまること。日々の生活は恐懼に堪えないことばかりですよね。

1/25(土)季節寄席@大田文化の森ホール

2020年01月27日 | 噺とか
連雀亭のワンコイン寄席から移動して大森へ。
天気も悪くなかったので、15分程度の道のりを散歩程度で会場まで。
過去にこの落語会には3度ほど足を運んでいますが、
いずれも車で出かけたこともあって電車で来るのは初めて。
本当は会場の目の前までバスが出ているようですがね。
到着するとすでに地元ご常連が集まっておりました。
いずれも高齢者が中心ですが、地元密着の会であることがうかがえます。
木戸銭が前売り1000円とお値打ちなのもいいですよね。
私のように東京東部からくる人間は稀でしょう。
開場時間になって列をさばくのがボランティアの皆さんなので、
多少の混乱はありましたがここで文句言っちゃいけませんね。
開演時間にはほぼ満席になる盛況ぶりでした。

杏 寿「元犬」
柳 朝「井戸の茶碗」
-仲入り-
ロケット団「漫才」
柳 朝「磯の鮑」
-抽選会-

前座の杏寿さんは高座返しで見たことはあっても噺を聞くのは初めて。
世之介師匠のお弟子さんで、以前にこの会に来たときは姉弟子の乃ゝ香さんで、
その時もネタは「元犬」だったように思いますが。
発声もよく、安心して聞いていられるのですが、移動の疲れもあって少しウトウト。
失礼いたしました。
しかし杏寿さん、沖縄の出身なんですねぇ。

柳朝師匠の一席目はマクラもそこそこに「井戸の茶碗」へ。
2席やる中でいきなり飛ばしてきたなぁという感じ。
軽い噺で来るかなぁと思いきや、ダレることなくたっぷりと。
改めて柳朝師匠の語りの軽妙さと、意外なことに顔芸の面白さを堪能しました。

仲入りをはさんでロケット団がゲスト出演。
通常の寄席での出番と違ってたっぷりと時間があるためか、
今まで聞いたことのあるネタを中心にゆったりと、
かつパワフルにネタを披露しておられました。
高齢者がネタを理解するのに時間がかかるためか、
ボケがあってから笑いまで少し間があるため、そういう配慮もあったのかも。
ホンキートンク(旧)が寄席から姿を消し、ロケット団の漫才はやはり安定そのもの。

柳朝師匠の2席目は「磯の鮑」でした。
この噺自体を聞くのが初めてだったのもあって、新鮮な気持ちで聞きました。
与太郎さんの繰り広げる吉原でのドタバタがなんとも楽しい噺ですね。
高齢者も多い中で、こういう噺は好まれるのかもしれません。
師匠の一朝師匠や、弟弟子の一之輔師匠ともまた違った魅力のある柳朝師匠。
時間があればぜひともまた足を運んでみたい地域寄席でした。

※座席のご近所さんが噺の中でいちいち頷いたり合槌打ったり、
はたまた過剰な笑い声や拍手でいたことが少し難点。
座席選びも重要ですね。特にこういうところでは・・・。

恐懼謹言。
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1/25(土)連雀亭ワンコイン寄席

2020年01月26日 | 噺とか
この日は池袋演芸場の駒治師匠を見に行こうと心に決めていたのですが、
前日の段階で顔付けが出たところで、天どん師匠や楽一さんが代演で出ないと知り、
気持ちが変わってしまいました。
結局、大田区で行われている「季節寄席」に行くと心変わりをしたのですが、
開演が14時半というちょっと遅い時間でもあったため、
乗り換えがてら連雀亭のワンコイン寄席に行くことにしました。
トリの吉緑さんは、独演会にも足を運んだことが何度かあり、
期待を込めての連雀亭ワンコイン寄席です。

鯉 津「犬の目」
志ら鈴「替り目」
吉 緑「締め込み」

鯉津さんは新年のお正月中継の話をあれこれと。
数年前に高座返しをしていたら爆笑問題の太田に体当たりされたのが全国放映され、
ちょっとした有名人になってしまったエピソードをあれこれと。
初めてお目にかかるお方ですが、なかなか面白いですね。
本題は「犬の目」でした。
これも落語協会の師匠でよく聞く噺ですが、芸協の方がやるとちょっと印象も違います。
古典といえば古典なのでしょうが、気楽に聞けるこの噺、結構好きです。

志ら鈴さんも初めてお目にかかります。
昨年はわけあって二つ目から前座に降格させられてしまった不幸なお一人。
開演前の前説でも登場していましたが、実年齢よりお若く見えますね。
マクラでは立川流の新年会での話。
前座は余興をやらねばならないが、二つ目になるとそれからも解放され、
紋付を着ることが許されるのもうれしい、と。
そりゃ二つ目になっていきなり前座に落とされたらねぇ。
酒の話題から酔っぱらいのエピソードで「替り目」へ。
立川流だとちょっと細かいところの描写も違うんですね。

トリは吉緑さん。
酔っぱらって家に帰ったら鍵をなくして、鍵開けのレスキューを呼ぶエピソードをあれこれと。
この方、以前もマクラで自宅で救急車を呼んだ噺をされていましたが、
真偽はともかく楽しいマクラで場内を和ませます。
そんなところから泥棒への話へと入っていきます。
最初は「置き泥」かとも思いつつ、「締め込み」でした。
この二つの泥棒噺を比べると後者のほうが好きなので、個人的にはラッキー。
確か以前の本所での独演会でネタ出しされていたので、
その時のネタなのでしょうかね。
今日の3人の中でやはり一番笑いをとっていたように思います。
夫婦喧嘩のシーンなど、軽妙な言い立てが何ともいえずいい感じ。

ワンコインでコンパクトに楽しむのもなかなかいいもので。
満足しながら会場を後にして、大田区の大森へ。

恐懼謹言。
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1/18(土)日本講談協会初席@上野広小路亭(主任:神田松鯉)

2020年01月18日 | 噺とか
講談だけがかかる寄席、しかも定席公演には初めての参加になります。
蒲田で行われている粋歌さんの新作の会と迷ってこちらへ。
と、いうのも2月に真打昇進して6代目伯山を襲名する神田松之丞さんが出るのと、
その師匠で2019年に人間国宝となった神田松鯉先生の出演があるから。
まぁ言ってみれば完全にミーハーなわけなんですがね。
でなきゃ落語だけじゃなく講談の会もちょっと足を突っ込んでみよう、
というどちらにせよそんなものです。
東京はあいにくの雪が舞う悪天候の中ですが、
整理券の出る30分前にはすでに長い行列。
いっそのこと並ぶのをやめて蒲田に行こうとも思いましたが、
ここは並んで整理券を入手、上野広小路亭の中へと入ります。
ちなみにここに来るのも初めてなのでありました。近くには何度も来てるけど。

講談の演題はあまり詳しくないので、ネットの情報などを参考に書かせていただきます。

子太郎「三国志・桃園の誓い」
陽 菜「勇婦巴御前の働き」
紅 佳「振袖火事」
 紅 「日本号と母里太兵衛」
 紫 「奴の小万の生い立ち」
 蘭 「豊竹呂昇」
- 仲入り-
松之丞「鮫講釈」
昌 味「報恩出世俥」
松 鯉「出世の春駒」

普段講談を聞くとなると寄席の定席で落語の間に挟まって、という程度で、
ここまでたっぷり講談づくめだったのはこれが初めてでした。
人間国宝の神田松鯉先生は以前国立で拝見したことがありますが、
広小路亭の距離感で見るとまた印象も変わるというもの。
つい落語界の人間国宝と比べてしまうのですが、
なんとなく雰囲気作りがこの上なく上手で、柔和な人柄がにじみ出ているような。
「出世の春駒」自体は何度も聞いたことがあるのですが、
その間に入るエピソードのあれこれもほほえましいもので引き込まれてしまいました。

伯山を襲名する松之丞さんもこれで3度目ぐらいなのですが、
やはり人気者なのがわかる一席でした。
真打になるとこんな話はできなくなるので、なんて言いながらの「鮫講釈」。
元ネタが落語なのがよくわかるストーリーですが、
松之丞さんなりのアレンジでこれまた引き込まれる一席でした。
今日の広小路亭のお客さんにはおなじみだったようですね。

他の演者の皆様の話もあれこれと印象に残るところもあったのですが、感想は割愛。

仲入りに周囲での会話などを聞いていると、周囲には講談ファンが多かったようで。
落語を聞きに寄席に通い始めた時と似たような気持になりました。
講談の会に足繁く運んでいたらもっと笑えるところもあったのだろうなぁ、とか。
寄席には何度も足を運んでいても、落語と講談ではまた違った世界がありました。

恐懼謹言。
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1/11(土)末廣亭正月二之席

2020年01月11日 | 噺とか
末廣友の会に入会して久しいのですが、ここでいただける招待券の期限が1月末まで。
そんなこともあって、ここ3年ぐらいずっとこのタイミングで末廣亭に足を運んでいます。
正直なところ、初席や二之席は顔付けこそいいのですが、
顔見世興行ということもあって落ち着いて話が聞けないのが難点で、
積極的に足を運ぼうとも思わないのですが、まぁ、そこは目をつぶって。

11時ごろに着くと末廣亭の前にはすでに長蛇の列ができていました。ざっと60人以上。
この日は夜席に小三治師匠が出演するということもあるのでしょう。
私はこの日、昼席だけで帰る予定だったので関係ないのですが、
実際のところ、かなりのお客さんが昼から夜まで残っていたような。

彦 星「からぬけ」
天 歌「暴走族」
ストレート松浦「ジャグリング」
歌武蔵「支度部屋外伝」
勢 朝「勢朝作用」
鉄 平「三平小噺」
丸山おさむ「ものまね」
花 緑「倉庫番」
小ゑん「ぐつぐつ」
小さん「親子酒」
二 楽「紙切り」(ねずみ、カルロス・ゴーン)
歌る多「宗論」
円 丈「強情灸」
燕 路「幇間腹」
美智・美登「奇術」
伯 楽「みそ豆」
馬 風「楽屋外伝」
-仲入り-
歌る多一門「松づくし」
圓太郎「漫談」
正 蔵「漫談」
文 楽「漫談」
金 馬「不健康自慢」(?)
橘之助「浮世節」
圓 歌「B型人間」

天歌さん、頭が丸坊主になっていました。
お盆にプークで見た時はこんな感じではなかったような。
新作「暴走族」は軽いながらも面白い噺。もっと評価されてもよさそう。

花緑師匠は脳内を題材にした新作。
ラグビーがやたらと流行した昨年の世相をうまく入れ込んでますね。

円丈師匠はどういうわけか20分ぐらい高座にいたような。
いつものマクラをあれこれとやって、アンケートで降りるのかと思いきや、
まさかの古典「強情灸」でした。
とはいってもアレンジされていますし、サゲも通常のものとは違う。
そしていつも高座に置いている見台も途中で下げてしまう。
新作でなければ読む必要もないということでしょうね。
なかなか斬新な「強情灸」でしたが、長くやりすぎたと見えて、
この後出てくる演者が軒並み漫談で降りる事態に。

金馬師匠は今年で御年91歳とか。
体調を考慮してか出入りの際にはいったん幕が下りるようになっていました。
晩年の歌丸師匠なんかの時と同じですね。
体調不良のことについてはあれこれと聞いていますが、
話始めると元気だなぁと思います。
噺は新作でしょうか、不健康をお互いに自慢するというもの。
こういう軽い噺もいいですね。

トリの圓歌師匠の時には立ち見があちこち出るありさまになっていました。
なかなか落ち着いて話を聞く環境でもないかもしれませんがね。

桟敷席で4時間座っていると足にも腰にもお尻にも堪えます。
イス席に恵まれ、時間にも余裕があれば夜まで居たかったなぁ。

恐懼謹言。
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1/6(月)連雀亭日替り寄席(主任:田辺いちか)

2020年01月06日 | 噺とか
世間では仕事始めの一日ですが、昼下がりのオフィス街に連雀亭を訪ねます。
昨日も黒門亭に足を運んでいますが、平日の昼に動けるなんてめったにないので。
連雀亭も昨日まではお正月興行だったわけですが、今日からは通常営業。
落語協会の芝居にばかり足を運んでいる私ですが、
連雀亭になると普段はお目見えしない方々の話を聞けるので、それも新鮮。
開場して15分ぐらいして入場すると、すでに先客が10人程度。
やはり顔付けの良さもあるのでしょうかね。
トリの講談師・田辺いちかさんのもぎりを受けて客席へ。

伸 三「七段目」
小はぜ「黄金の大黒」
竹千代「うらのうら」
いちか「生か死か」

開口一番の桂伸三さんはすでに今年の真打昇進が決まっています。
前名である春雨や雷太さんの時に一度聞いた記憶があります。
師匠との落語観の違いから師匠を代わって「移籍」したそうですが、
細かいことは素人の私にはわかりません。
実際のところ初めて聞くようなものなので。
噺の本題は「七段目」。芝居の素養があるとより楽しめそうですがね。
そうでなくても、細かい所作なんかもしっかりと演じこまれていて、
しっかりと噺の世界に引き込んでくれました。

2人目の柳家小はぜさんは6日前に駒込落語会でお会いしたばかり。
この日はマクラもそこそこに「黄金の大黒」へ。
先日が軽い噺だったので、ここでしっかりと聞かせてくれる噺でありがたし。
「黄金の大黒」も寄席で聞くと途中で切られてしまうことが多く、
最後まで聞いたのはこれが初めてだったかもしれません。
んー、最後まで聞いてやはり途中で切る演者が多いのもわかる気がしますが、
とにかく今日も安定感のある高座でした。

続いて芸協の桂竹千代さん。この方も連雀亭で過去に見たぐらい。
チラシやネットの情報を見ると精力的に活躍されているようですね。
どうも落語協会の情報ばかりが頭にある私からすると、この辺の情報に疎いという。
鹿児島の仕事にLCCの飛行機会社を使ってえらい目に遭ったマクラから、
新作の「うらのうら」という噺へ。
誰しも胸に秘めている思いがあるものの、なかなかそれを出すのは難しい。
それがましてや上司と部下なら・・・という感じ。
喬太郎師匠の「夜の慣用句」みたいな噺かなと思いきや、
それぞれの立場から立体的に描かれる構成がお見事。
こういう計算された新作も素敵ですね。
古事記を題材にした落語もやっているそうで、こちらも面白そうですね。

トリは講談師の田辺いちかさん。この方は初見です。
予備情報を全く入れずにきたので、どんな内容かなと思いましたが、
これが昭和の戦後を題材にとった講談でした。
絶望したゴム屋の金兵衛が死のうとするも・・・という内容。
調べてみるとあまり解説してあるところが少ないのですが、
まとめてあるところにはあるものですね。素晴らしい。
昨日の茜先生の新作講談もよかったのですが、こういう時代設定の講談もあるんですね。
まだまだ知らないことがたくさんあります。

1000円で1時間半、コンパクトながら満足な時間を過ごすことができました。
帰りがけに演者さん方のお見送り姿を一枚撮らせていただきました。


さて、いよいよ正月気分もなくなって日常生活がスタートです。

恐懼謹言。
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1/5(日)黒門亭1部(主任:三遊亭金時)

2020年01月05日 | 噺とか
正月特別番組の黒門亭です。
去年も1日だけ彦いち師匠がトリの際に足を運びました。
正月興行ということで顔付けもよく、抽選会もあるのはいいですね。
今年も初日の白酒師匠がトリをとったときには早々に札止めだったそうで、
余裕をもって開演1時間半前に足を運びます。
それでも既に行列ができていましたが、幸い早い段階で整理券が出て、
寒い中で延々と並ぶという事態は回避されました。
かゑるさんに感謝です。

市童・緑太「ラップで落語」(転失気・芝浜)
小三太「寿限無」
かゑる「ものまね大百科」
 茜 「初恋閻魔」
-仲入り-
文 菊「長短」
金 時「鰍沢」

オープニングは市童さんと緑太さんが「ラップで落語」を披露。
初めて知ったのですが、YouTubeに動画があるんですね。
黒紋付にサングラス姿、高座にスピーカーを置いて落語のストーリーをやる趣向。
多分かなり練習したんだろうなぁ。
一度失敗してやり直すハプニングもありましたが、これはこれで面白い。
時間があるときにYouTubeを覗いてみようっと。

小三太師匠は初めてお目にかかります。
小ゑん師匠のTwitterなどの中でお名前を拝見した程度。
寄席でもあまりお見掛けしない師匠だと思います。
この日は扇子を忘れてきて高座に上がるも、扇子を使うような噺はしない、
と、どこか泰然としている様子。
最近はぬか漬けにはまっているというマクラから「寿限無」へ。
うーん、まぁ、とにかく師匠の人柄の良さは伝わってきました。
油断したところで時事ネタのくすぐりを入れるあたりもなかなか。

本来の出番ならここで文菊師匠なのですが、わけあってこの時間に到着しておらず、
黒門亭番頭のかゑるさんがここで時間繋ぎ。
足利に行く際に電車の中で遭遇したおばさんの話をマクラで。
そこから噺に行くか、ものまねで行くか客席で決をとってものまねへ。
話題の松之丞さんやら、馬玉さん・三三師匠のモノマネなど、
なかなかハイクオリティなものまねで会場を沸かせておりました。さすが。

講談の茜先生、初めて聞く新作講談でした。
自作の張り扇をいくつか高座で披露されておりました。まぁネタでしょうけどね。
強欲なおばさんがひょんなことから閻魔大王の前で裁きを受けるも、
ひょんなことから若いころの初恋の話にエピソードが及ぶと・・・という感じ。
茜先生の新作は「幸せの黄色い旗」や「好き好き金右衛門さま」に続いて3つ目。
どれも温かくていい感じ。

仲入りをはさんで出番の変わった文菊師匠は平身低頭で。
周りの人間が出演時間になってもいない現場に居合わせたことがあっても、
まさか自分がその当事者になろうとは・・・と反省しきり。
その影響もあってか持ち時間も短めで、
いつもの寄席でよく見かける「長短」でしたが、
いつもより間近に見られる分、しっかりと楽しませてもらいました。

トリの金時師匠はこの秋に5代目「金馬」を襲名されます。
当代が高齢とはいえ健在な中で、名跡を継ぐというのもなかなか珍しいですね。
5代目は大したことない、なんて言われないように頑張りますと意気込みを。
そこから、最近は御朱印集めにはまっているというエピソードから信心の話、
そして本題の「鰍沢」へ入っていきました。
この噺を聞くこと自体が2回目なのですが、全体を通じて笑いは少ないんです。
金時師匠のこの噺を聞いているとどんどん引き込まれていきまして、
寒い雪の降る風景や、家の中で火に当たって暖をとるシーン、
玉子酒を飲み干すシーンなど、情景が浮かんでくるのは素晴らしいなと。
30分ほどの噺でしたが、あっという間に感じられました。
秋の襲名披露が楽しみであります。

その後のお年玉抽選会では演者の手ぬぐいや色紙、
黒門亭のクリアファイルをめぐってじゃんけん大会。
私も何とかありがたくクリアファイルをいただいて帰ることができました。
イス席ではなく、腰への負担が多い黒門亭ですが、今年も足を運んでいきたいものです。

恐懼謹言。
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1/3(金)駒込落語会プレゼンツ金曜午前寄席

2020年01月03日 | 噺とか
2020年の落語の聞き初めはここから。
かといって定席の顔見世興行に行く気もせず、
お値段の高いホール落語も敬遠。
何かいいものはないかと「かわら版」を見ていると、
10時半といういささか早い時間から「駒込落語会」の字に目がとまります。
「かわら版」以外にもたびたび目にしていた会ではありましたが、
思い切ってここに行ってみようと足を運びます。

会場は駒込駅と田端駅の中間地点あたりにある住宅街の中に。
個人宅を改造したのでしょうか、20人入ると満席という、
コンパクトな会場に足を踏み入れ、木戸銭500円を支払います。
会場はほぼ満員の盛況ぶりでございました。
高座との距離も非常に近く、なかなか迫力があります。
本日の出演は、柳家小はぜさんと桂しん乃さんの両名。
演目は、

しん乃「あくび指南」
   (踊り:越後獅子・猫じゃ猫じゃ)
小はぜ「道灌」

の1席ずつでした。

しん乃さんはかつて「三遊亭日るね」の高座名でお見掛けしています。
芸術協会に移籍してからは改めて前座修行に励んでおられます。
しん乃さんになってからはお見掛けするのは2度目でしょうか。
細かい事情はネットの各所に書いてあるので割愛しますが、
相変わらずのふわっとした空気に和まされます。
ここに来るまでに寝坊しそうになった話やら、
昨年の夏に屋外で「王子の狐」をやらせれて散々だった話から、
本題の「あくび指南」へ。
やはり師匠が違うと噺の細部にも違いが出るのでしょうか、
聞き馴染んだものとは少し違いましたが、
これもまた楽しませてもらいました。
高座の後には手狭な高座の上で踊りも披露されました。
やはりこの辺、普通の前座さんとはわけが違いますね。

小はぜさんは、この高座が新年初高座。
マクラではしん乃さんとの関係をあれこれと。
入門して初めて寄席に入ったときの立前座がしん乃さんだったそうで、
色々とお世話になったりならなかったり、という話をあれこれと。
わけあって芸術協会に移籍する前は「アネさん」と呼んでいたのに、
移籍後に前座になるとにわかに自分が「アニさん」と呼ばれるようになる。
このあたり、上下関係の厳しい社会のしきたりだとは言っても、
どうにもしっくりこないという悩みを吐露されておりました。
そして極めつけは、このお正月の期間中に真打や二つ目が前座に渡す「お年玉」。
かつての先輩にお年玉を渡すべきなのかどうなのか、これも悩ましいという、
何とも複雑な悩みを語っておられました。
いやはや、こういうことって一般社会ではなかなかないことですもんね。

そんなマクラから「道灌」へ。
ここで前座噺?とつい思ってしまいましたが、
「道灌」は柳家の噺家さんが最初に稽古してもらう演目であることが多いらしい、
との話を思い出して、ここは初心に帰って、ということなのかと思うと合点がいきます。
よく聞くこの噺ですが、演者によって受ける印象も様々。
小はぜさんはきっちりと正攻法でこの噺をかけてきたという印象。
こういう噺をしっかりとやるって大切なんだと思います。

満員の会場ではお菓子や飲み物も振舞われ温かい空気で会は終了しました。
地域の方に愛されている、そんな落語会だなぁと感じました。
通常は金曜の午前中にこの会をやっているそうなので、
なかなか足を運ぶことはできませんが、新たな発見もあった新春の1日でした。

恐懼謹言。
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