恐懼に堪えない日々

【恐懼】(きょうく)・・・ おそれかしこまること。日々の生活は恐懼に堪えないことばかりですよね。

12/28(金)マンタ倶楽部落語会@なかの芸能小劇場

2018年12月29日 | 噺とか
新作落語の、しかもアウトドア派の面々が集結しての「マンタ倶楽部落語会」。
それぞれの新作の師匠方がよくマクラで話をされていたので、
なんとなく存在は知っていたのですが、こんな会があるとは。
ギリギリになって知ったので、予約したのもギリギリ。
白鳥・彦いち・きく麿・丈二・志ん五の各師匠の豪華メンバーが集結、
落語が短めながら各1席ずつと、旅の様子をスライドにしたものが公開されます。

白 鳥「スーパー寿限無」
きく麿「おもち」
丈 二「マクドナルト」
-仲入り-
志ん五「警察23時ごろ」
彦いち「舞番号」
スライドショー

開口一番は白鳥師匠。
池袋での「富Q」が疲れたと、軽い噺で。
いやー、池袋行きたかったんですけどねぇ。予定が合わず。
方々からの情報によればかなりの大入りだったそうで、
白鳥師匠もそのことに触れておられました。
しかしいくら何でも寄席の割りが1700円っていうのはねぇ。
満席立ち見でもそんなもんなんでしょうかねぇ。
「寿限無」の改作は円丈師匠もふう丈さんもやってますね。
円丈一門の得意技なのでしょうか。
軽い噺ながら会場を巻き込んで大笑いでした。

きく麿師匠は12月上席の末廣亭以来。
マンタ倶楽部のメンバーでありながら今回は不参加の彩大師匠の噺を少々。
寄席でネタにしたところ、彩大師匠からクレームがついたとかで、
それに関する話をあれこれと。芸人さんもいろいろですねぇ。
この方の不思議な新作、聞いているととても癖になります。
この噺も初めてで、二人の老人のとりとめのない噺から始まります。
これ、どうなるんだろうと思いつつも、ついつい引き込まれます。
「おもち好きですか」の妙なイントネーションも可笑しい。

丈二師匠は久しぶり。
たしか、この噺も以前「プーク」で聴いたことがあったような。
この師匠の新作、とてもいい作品が多いのにあまり聞く機会がないのが残念。
小ゑん師匠のようにあちこちで会でもあると嬉しいのですが・・・。
一見すると古典の設定のようですが、そこはしっかり新作の世界観。
前の二人が強烈だっただけに、やや会場の反応も・・・でしたが、楽しい噺です。

仲入りをはさんで志ん五師匠。
マクラではよく一緒に釣りに行くというアサダ二世さんとの話。
いやー、この噺も途中までは聞いたことがあったのですが、
東海汽船で釣りに行った際の食堂でのエピソードや、
カワハギそっくりの毒魚のエピソードなど、もうこれもすごい。
なかなか貴重な話を伺いましたよ。ええ。
本題のほうはよく寄席でもかかるポピュラーなものかな。
これはこれで完成されてて面白いですね。

落語のトリは彦いち師匠。
マンタ倶楽部のメンバーで対馬に行った際のエピソードを披露。
これまた彩大師匠にまつわる話が出てくるのですが、
これで株を上げたのが白鳥師匠ではないでしょうか。
あれこれ悩む彩大師匠に親身になって相談に乗り、
元気づけて一緒に落語しりとりまでする始末。
まるで中学生の修学旅行のようですが、そんな話もここならでは。
マクラが少したっぷりで、本題は「舞番号」。
近未来設定でマイナンバー制度がさらに突き詰められていくと…という噺。
もみじ家エリンギって、すごい高座名だよなぁ。
ちょいちょい古典落語ネタを入れてくるのもさすが。

一通り落語が終わって、お待ちかねのスライドショー。
山中湖でのワカサギ釣りの話から、西表島でのエピソードなど盛りだくさん。
私はあまりアウトドアには縁がないのですが、
写真を見て楽しそうな様子を見ると影響されてしまいそうですね。
特にセマルハコガメのエピソードは秀逸。
きく麿師匠の二日酔い姿と全裸写真の衝撃も、もうね。

落語は短めながらもあれこれと楽しい空気に包まれて良い時間を過ごせました。
さ、年内はこれで聞き納めになりそうです。

恐懼謹言。
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12/26(木)正楽のラストクリスマス19@池袋演芸場

2018年12月27日 | 噺とか
今年もこの季節がやってまいりました。
今いろいろと都合があったようで、クリスマスの翌日26日に開催です。
世の中ではクリスマスツリーなどが片付けられてしまっておりますが、
演芸場の木戸の前にはしっかりとツリーがありました。
昨年の反省もあり、仕事をさっさと終えて急いで向かいます。
また行列かなぁと思いつつ開場30分前につくと、行列がない。
何のことはない、開場を早めたのでしょう。
すでに十数人のお客さんが入っていました。いやーすごいなぁ、やはり。
彩大師匠と小傳次師匠が入り口での案内役を務められ、
例年通りの記念シールと抽選番号付きの飴を手渡しておられました。
で、開演までの約1時間をのんびり待ちます。
当然、開演時間にはほぼ満席になる盛況ぶりは変わらず。
で、プログラム。

紙遊び   正 楽
茶 番   鏡味仙志郎・翁家和助・柳家小太郎
紙切り   正 楽
落 語   扇 遊「一目上がり」
-仲入り-
太神楽   鏡味仙三郎社中
シルエット 正 楽

最初は正楽師匠がサンタクロースのコスチュームで登場。
軽妙に次々と紙を切り抜いて行かれます。
切ったのは、
・2人のサンタ(後ろ向きで!)
・2人のサンタとクリスマスツリー
・2人のサンタと門松
・イノシシ
・イノシシとクリスマスツリー
・イノシシと門松
でした。やはりこちらも切るだけで客席には渡されません。
紙を二つ折りにして切る形式であれこれと短い時間で切り抜かれる。
さすがですねぇ。

茶番はいつもながらの楽しさで安定です。
芝居の知識に疎いので、題材が何だったか忘れてしまいました。
毒殺の成功を祈願して鶴岡八幡宮でお祈りするという・・・。

茶番を終えていつも通りの正楽師匠へ。
鋏試しで「馬」を切り抜かれたのち、注文へ。
けん玉・除夜の鐘・年越しそば・ミッキーマウスの凧を上げるサンタ・
芝浜・鬼平犯科帳・高輪ゲートウェイ
計7枚を切り抜かれました。
常連さんの「凧あげ」がまた難しい注文ながら素晴らしい出来栄え。
その他の作品もどれも秀逸ですね。
寄席の妙技をたっぷり楽しませていただきました。

終えて、扇遊師匠の落語へ。「一目あがり」を口演されました。
マクラでは正楽師匠との若き日の思い出をあれこれと。
さらに「今日はちゃんとやりますよ!」の言葉に会場が大爆笑。
噺のほうもさすが、という調子で楽しませていただきました。

仲入りをはさんで、太神楽は昨年同様にクリスマスバージョン。
仙成さんは先日22歳になられたそうで。鞠の扱いに苦労されていましたねぇ。
クワにグラスを載せて回すのは昨年も見ましたが、やはりドキドキします。

ラストは「シルエット」と題したスライドショーです。
「川の流れのように」の唄にのせたスライドののち、
昨年同様に指揮をテーマにしたスライドが始まります。
昨年は前半まででしたので、今回が完全版。
秋の風景や冬の雪景色の様子など、笑いがありつつも感動する出来栄え。
やはり素晴らしい。

最後に例年通りの抽選会をやってお開き。
これが終わると今年も終わりかーという風物詩になりつつあります。
来年はいつも通り12/25だそうです。

恐懼謹言。
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12/22(土)鈴本演芸場昼席(主任:古今亭志ん輔)

2018年12月22日 | 噺とか
12月下席の鈴本演芸場昼席は「暮れの鈴本掛け取り三昧」として、
毎日トリが日替わりでの興行となっています。
当初、この日は白鳥師匠がトリの池袋へ行く予定でしたが、
代演多数だったこともあって鈴本へ行くことに。
昼席の鈴本は本当に久しぶりだなぁという感じです。
浅草もしかりなのですが、なんとなく昼席のガヤガヤした感じが・・・で、
自分の中でちょっと敬遠しているところもあるのですがね。
開場前からの大行列で、最終的には立ち見も多数出る盛況ぶりでした。
顔付けもいいですからねぇ。

小はだ「まんじゅうこわい」
馬 久「真田小僧」
紋之助「曲独楽」
文 菊「権助提灯」
歌 奴「佐野山」
にゃん子・金魚「漫才」
小ゑん「ぐつぐつ」
白 酒「粗忽長屋」
-仲入り-
小 菊「粋曲」
雲 助「身投げ屋」
文 蔵「道灌」
二 楽「紙切り」(バレリーナ・サンタクロース)
志ん輔「掛取り」

前座は小はださん。鈴本昼席の陽気なお客さんで笑いを取っていました。
発声もいいし、聞いていていい感じ。
先日のやまびこさんと比べちゃいけませんがね。

馬久さんはあまりお目にかからない感じですが、「真田小僧」を最後まで。
これまた先日のやまびこさんと比べちゃいけませんが、
ちゃんとやればこうやって面白い噺なんだよなぁと。

文菊師匠はいつものマクラから「権助提灯」へ。
なんとなく上品で、色っぽい女性が似合う文菊師匠ですが、
権助のようなキャラクターを演じでも面白いですね。
家人を呼ぶときの大きな声もまた癖になる感じ。

歌奴師匠の呼び出しのモノマネも久しぶりに聞きました。うまいですね。
この師匠の「掛取り」も面白いのですが、今日は相撲ネタで。
鈴本では1月下席にトリに入っているので、注目です。

小ゑん師匠は今季二度目の「ぐつぐつ」に遭遇。
これもやっぱり鉄板ネタで面白いですねぇ。
この後末廣亭のトリでは「鉄の男」をフルバージョンで演じられたそうで。

白酒師匠は相変わらずの毒舌ぶりを発揮して、これがまた面白い。
ネタは「粗忽長屋」でしたが、これまた素晴らしい出来。
サゲの部分がスタンダードのものと少しばかり変えてありますが、
まったく不自然さはないという。

雲助師匠の「身投げ屋」はあまり遭遇しない噺のように思いますが、
かつて同じく雲助師匠から聞いた記憶があります。
雲助師匠の演じる子供の役ってあまり見たことがないので、妙にかわいらしい。

文蔵師匠はお得意の「道灌」。
前座さんがよくやる話ですが、この師匠がやるとまた違った味があって面白いですね。
やたらと首を絞めたがる描写も文蔵師匠のキャラならでは。

トリの志ん輔師匠はネタ出しで「掛取り」。
昨今のお金をめぐるニュースPayPayの話題から、クレジットカード事情へ。
二つ目の林家扇さんが「クレジットカードがあればお金を持っていなくても買い物ができる」、
という恐ろしい勘違いをしており、気づいたらリボ地獄に陥ったというマクラへ。
37000円の買い物をクレジットのリボ払いにしたら、毎月手数料で1000円近くとられているそうな。
恐るべしリボ払い。
また、先日の「チコちゃんに叱られる」にも言及。
大みそかに掛取への支払いから逃げてしまえば借金がチャラになるとやっていたが、
あれは違うんじゃないか?とこれからやる演目と絡めてやりづらさを吐露。
会場は大いに沸いておりましたがね。
で、本題は狂歌→義太夫→芝居→喧嘩→三河萬歳の順で。
鳴り物もついて本格的な一席でありました。
それにしても、これを本当に楽しもうと思ったら古典芸能への教養が必要ですねぇ。

年の瀬の鈴本、にぎやかな昼席を久しぶりに楽しませてもらいました。
まぁ、しかしやっぱり落ち着いた夜席のほうが個人的には好みです。
年内、あともう一回ぐらいは寄席には足を運ぼうと思います。

恐懼謹言。
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12/19(水)第11回どんぶらこっこ:ゑ彦印~小ゑん・彦いち二人会~

2018年12月20日 | 噺とか
新作派で知られる小ゑん師匠と彦いち師匠の二人会です。
9月に参加して以来、これで2度目になります。
奇麗な椅子席の会場で、こじんまりとしつつもクオリティの高い新作が聞けるので、
前回から今日を楽しみにしておりました。

やまびこ「真田小僧」
彦いち「時そば」
小ゑん「主婦の恩返し」
-仲入り-
彦いち「チビ玉との遭遇」
小ゑん「チャルメラの恋」

前座のやまびこさんは「真田小僧」をやったわけですが、
途中からしどろもどろになったり、あれこれ抜けたりと散々。
いろいろな前座さんだったり、言い間違いなんかも見てきましたが、
さすがにここまでは初めて。
16分の持ち時間だったそうですが、10分で降りてしまう。
途中までずいぶんと時間に余裕があるし、
寄席でもないから後半までやるのかなと思ったら、前半で終わり。
いやー、どうしたのでしょう。

その後、焦って上がってきた彦いち師匠。
ご自身のお弟子さんのことながら、こればかりは予想外だったようで。
散々にこれをいじってからマクラへ。
末廣亭の楽屋入り前に立ち寄る喫茶店での出来事で会場を温めつつ、
何をやるのかなぁと思っていたら「時そば」へ。
確かに前回も一席目は「青菜」で古典だったし、こういうもんなのかな。
型としては上方のものなのだそうで、あまり聞かない展開でした。
普段は定番の型の「時そば」を聞いているせいなのか、
はたまた彦いち師匠の中で十分に練られていないのか、
面白いには面白いのですが、もう一歩笑いの波が欲しいところでした。

かわって小ゑん師匠は先代小さん師匠宅での内弟子時代の思い出をマクラに。
風呂焚きをしくじって風呂釜を壊してしまったあとの小さん師匠の対応が、
なんともいい話で、人間の器ってこういうものなのだなぁと。
で、そんなところから本題の「主婦の恩返し」へ。
初めて聞く噺なのですが、ここに出てくる主婦のキャラクターがまた強烈。
最後の仕返しのところからサゲのところまで、なんとなく展開が読めそうで、
いやでもそう来るか、というところも楽しいところでした。

仲入り後は再び彦いち師匠。こちらの噺も初めて聞くのですが、
旅回りをする芝居の一座に属する「チビ玉」のエピソード。
ストーリーを展開する中で、新作審議委員会(?)が登場し、
噺の無理なところに突っ込みを入れるという手法は新しいですかね。
そもそも新作落語を大真面目に見ていると突っ込みどころはたくさんあるのですが、
それをあえて織り込むというのも新鮮な感じかもしれません。

トリは小ゑん師匠で「チャルメラの恋」でした。
クリスマスに沸き立つ町とイルミネーションに関する苦言を呈しつつ本題へ。
こちらはタイトルこそ見たことはありますが、聞くのは初めて。
実際にチャルメラを持参して吹いて見せる小ゑん師匠。
噺の合間合間に吹くあたりは「ぐつぐつ」と似ていなくもないような。
ところどころにマニアックな知識が差し込まれているのも小ゑん師匠らしいところ。

というわけで、前座さん以外すべて初めて聞く新作ばかり。
21時20分ごろに終演となりました。
今回もそこそこの入りの中でゆったりと、そしてのんびりと楽しむことができました。
次回の予告がないのが心配ですが、やはり時間をやりくりしてここに来なければ。
第12回に期待です。

恐懼謹言。
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12/15(土)葛西イオン寄席(林家つる子・柳家喬の字)

2018年12月15日 | 噺とか
江戸川区にあるイオン葛西店で開かれている無料の落語会です。
以前は今年の8月に初めて参加しており、今回は2回目ということになります。
地域の高齢者の方を中心に多くの集客があり、
前回は30分前に会場についたものの、良席はほとんど埋まっていたため、
今回はもう少し余裕を持って行ったのですが、状況は変わらず。
若手の二つ目が2人登場するということでも状況は同じなんですねぇ。

林家つる子さんは各種メディアでもちょいちょいお見掛けしますし、
喬の字さんは来年の9月に真打昇進が決まっており、
どちらも人気のある顔付けだったことも関係しているのかもしれません。
で、演目。

つる子「初天神」
喬の字「つる」

どちらも軽いネタではありますが、持ち時間の関係からマクラはたっぷり。
つる子さんの場合、初心者向けの小噺などをたくさん振って様子をうかがう。
本編の「初天神」は、あまり聞かない感じの展開が多く、
心なしか会場の笑いも少なめだったような。
決して下手ではないのですが、他の噺家さんが工夫してあれこれ演じており、
どうしてもそちらの印象のほうが強いのか、
それとも父親の演じ方がいまいちなのか、
ともかく不完全燃焼のような感じでした。

喬の字さんもたっぷりとマクラを振ってから「つる」へ。
これも何度も聞き馴染んでいる噺なんですが、細部の違いがあるんですね。
・首長鳥の由来を教えるのはご隠居ではなく先生
・つー、るー、のくだりのところは講談調に
・そのためマクラで講談・講釈に関する情報を入れておく
・マネする八公、火箸を張り扇に見立てて膝から出血

いや、くすぐりの部分もあるんでしょうけど。
こうして聞いてみると、同じ噺でもいろいろな違いに気づかされます。

1時間程度の短い落語会ではありますが、
以前も書いたように、無料にしてはクオリティが高いのではないかと思います。
もちろん、ざわついていたり、通行人が目に入ったりはありますが、
短い時間で楽しむにはうってつけの会ではないでしょうか。

恐懼謹言。
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12/10(月)末廣亭夜席 仲入り前から(主任:林家きく麿)

2018年12月11日 | 噺とか
今年の12月上席は、どこの寄席も豪華メンバーの顔付け。
池袋は昼が天どん師匠、夜が一之輔師匠だし、立ち見必至の顔付け。
初日に池袋の初日に足を運んだわけですが、
その時から末廣亭の夜席は気になっておりました。
トリはきく麿師匠で、そこに至るまでの新作派の顔付けがもうすごい。
休日に行けば間違いなく混雑することは予想されていたため、
平日の行ける日に、と思っていたらついぞ楽日になってしまいました。
仕事を早々に片づけて、18時45分ごろに末廣亭の木戸へやってくると、
すでに10人を超える行列。
こりゃーどうかなぁと思って入場すると、ちょうど木久扇師匠の「明るい選挙」。
8割以上の入りの客席でしたが、うまい具合に良席を確保。
仲入り前から楽しませてもらいます。

木久扇「明るい選挙」
小里ん「にらみ返し」
-仲入り-
駒 治「レモンの涙」
翁家社中「太神楽」
天どん「拾っちゃった!」
文 蔵「時そば」
正 楽「紙切り」(門松とサンタクロース、クイーン)
きく麿「スナックヒヤシンス」

小里ん師匠の「にらみ返し」は、まさに見事そのもの。
過去に龍玉師匠で拝見していますが、これは生で見ないといけません。
借金取りを追い返すときの表情がもう絶品。
ついつい笑いに引き込まれてしまいます。

駒治師匠は、プロレスを題材にした「レモンの涙」。
初めて聞いた噺ですが、これもうまくできていますね。
この後出てくる噺家さん、みんなこれをネタにする。
きっかけを作ったのは天どん師匠でしょうが。

翁家社中の太神楽はいつもの和助さんと小花さん。
ただ、いつもと違うのは、「傘で回してみた」とか、「曲芸が生まれた瞬間」など、
普段の寄席では見ない展開があったこと。
調べてみると、今回が新作の落語メインなので、それに合わせたとか。
新鮮な楽しさがありました。

天どん師匠は池袋の昼トリを終えての出番。
こういう出演の仕方もあるんですねぇ。
自分のトリではないから気楽にできると、「拾っちゃった!」でした。
これもうまくできた話で好きなんです。
きちんとレモンティアーズドロップをいじる。
そして、噺中に出てくる煽りで文蔵師匠は時そばへ。
こういう寄席のノリっていいですよねぇ。

トリのきく麿師匠は「スナックヒヤシンス」。
出囃子はクイーンのWe will rock youで。
初めて聞く新作なのですが、これもやはり引き込まれますねぇ。
「山田ですぞ!」のセリフが耳に残ります。
一席終わった後で、小林旭のモノマネショー。
こちらは写真も許可されて、開場が大盛り上がり。
終わって、いったん幕を占めて出演者総出のカーテンコールあり。
初トリとのことで、粋な計らいですね。

19時からの割引料金で入りましたが、こんなに満足感のある寄席も珍しい。
会場は大勢のお客さんで立ち見も出るありさま。
それでも2階席はあけないんですねぇ。
と、いいつつも大熱狂の12月上席の夜でした。
こういうことがあるから寄席がよいがやめられないのです。

恐懼謹言。
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12/1(土)池袋演芸場昼席(主任:三遊亭天どん)

2018年12月02日 | 噺とか
12月上席の池袋は昼席に天どん師匠、夜席に一之輔師匠という完璧な布陣。
なんでも昼夜でのコラボ企画なんていう風に銘打っているわけなのですが。
時間さえ許せば昼夜居座りを覚悟していたのですが、
あいにくこの日は夜に別の用が入っているため、昼席だけで撤収。
後ろ髪を引かれる、というのはこの日のようなことをいうのだと思いますが。

ごはんつぶ「狸の札」
粋 歌「すぶや」
緑 助「やかん」
のだゆき「音楽パフォーマンス」
彩 大「上司ホスト」
玉の輔「財前五郎」
二 楽「紙切り( サンタクロース・天どん師匠とケーキカット)
小ゑん「ぐつぐつ」
しん平「初天神」(?)
ホンキートンク「漫才」
小はん「親子酒」
-仲入り-
駒 治「鉄道戦国絵巻」
 茜 「好き好き金右衛門さま」
ストレート松浦「ジャグリング」
天どん「友引寄席」

前座のごはんつぶさん、かつて天どん師匠の独演会でお見掛けしたことがあり、
そのときはまだ高座名は決まっていなかったように記憶しています。
今回は定席での前座さんとしてはじめてお目にかかりました。
なんとなく言い回しとか、師匠に似るもんですよねぇ。

粋歌さんは新作の「すぶや」。
これも何度か聞いていますが、うまくできていて飽きません。

彩大師匠の「上司ホスト」も過去に何度か聞いていますが、くすぐりなどが今風にアップデート。
新作のつくりとしてとても面白いと思うのですが、あまり多くお目にかからないのが残念。

しん平師匠、トリが天どんだから気が楽でいい、というところから始め、
だからこそ今日は古典をやるというまさかの驚き発言。
はじまって、ああ初天神かと思ったらそれが大間違い。
金坊の年齢が38歳というところからもう無茶苦茶で、
どう収拾をつけるんだからわからない展開で話は進み、
会場は爆笑の渦に巻き込まれます。
しん平師匠、恐るべし。

ホンキートンクのオープニング漫才コントは新作を披露。
アルフィーネタをふんだんに盛り込んだもので、とても楽しく聞かせてもらいました。
聞いたことのあるネタでも面白いホンキートンク、
これでレパートリーが増えてますます楽しみに。

しん平師匠、ホンキートンクが会場を盛り上げたのち、
ベテランの小はん師匠が渋く「親子酒」で会場の空気を戻します。
これも円熟の業だなぁ。

天どん師匠の「友引寄席」は過去に何度か聞いていますが、やるたびにパワーアップしてますね。
できることならクリスマスネタを聞きたいところでしたが、
これはこれでもう笑わせていただきました。

昼席が終わってそれなりに多くの人が荷物をもって退席していきました。
満席たちもの会場は、ほとんど一之輔ファンかなとも思いましたが、
天どん使用目当ての方もそれなりに多くいたようです。
私もその一人なのですがね。

満席立ち見でにぎやかな池袋でしたが、その雰囲気、やはりいいものです。

恐懼謹言。
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