恐懼に堪えない日々

【恐懼】(きょうく)・・・ おそれかしこまること。日々の生活は恐懼に堪えないことばかりですよね。

12/27(月) 連雀亭昼席(主任:林家はな平)

2021年12月29日 | 噺とか
久しぶりの連雀亭です。
コロナがおさまりつつあるものの、連日のオミクロン株の報道もあり、
相変わらずの席数制限と高座のアクリル板。
座席も前回よりもさらに減らされていたような。
それでも最終的には10人少々のそれなりの入りでした。

「雑俳」    市寿
「地蔵の散髪」 ぽん太
「やかん」   あお馬
「明烏」    はな平

開口一番は市寿さん。
二つ目になって日が浅いものの、人生経験がものを言うのか、
いつもなかなかに味わいのある噺をされます。
この日の雑俳も軽いながらも面白く。
もっと聞きたくなる噺家さんです。

続くぽん太さん。
橘家文吾、柳亭信楽、三遊亭ぽん太、立川かしめの4人でユニットを組んでいるらしく、
それぞれに担当があるという。
文吾さんは古典、信楽さんは新作、かしめさんは改作。
でもってぽん太さん当人は珍品落語の担当なのだそう。
よくある話ですが、珍品になるにはそれなりの理由がある、と。
なので、今日もそこまで期待しないでくださいといいつつ、「地蔵の散髪」へ。
前置きでは下品な噺であるとは言っていましたが、
まぁ確かにその通りかも。下ネタだもんね。
間違っても鈴本なんかではできない噺だと思います。
もとは上方発祥のようですが、まぁこういう噺もありですよね。
サゲでまた、あっ、と言わされるのもいい感じ。

3番手にあお馬さん。この人も若いのに力のある人ですね。
トリのはな平さんを念頭に置いてか、
コロナ禍における真打の披露目に関してあれこれ。
これだけで10分少々あり、初席ならこれで完結するようなものですが、
当然これで終わらず、「やかん」へ。
最終盤の講談調の場面では熱演に次ぐ熱演のあまり、
扇子を落としてしまうというハプニングも。
代演ながら見事な一席でした。

続くはな平さんは来年3月の真打昇進が決まっています。
そのため、連雀亭の出番もあとわずかということで。
前のあお馬さんの扇子を落とした件に絡めて、
自身も船徳を演じているときに扇子を落としてしまい、
扇子なしで船を漕ぐ所作をしたエピソードを。
で、本題は「明烏」。
おそらくは披露目の際のトリネタになるのかな?
この話も廓噺のなかではちょいちょい聞くネタですね。
ベテランの師匠が演じるイメージのネタではありますが、
この日のはな平さん、お見事な一席でした。
かつて「初演の会」という落語協会の2階で定期的に行われている落語会に、
足繁く通っていた時、はな平さんもレギュラーで出演されていましたが、
あの頃はまだ若手というイメージがありました。
真打昇進が決まって、噺の深みが出てきたのかなぁ、と。

4人とも個性溢れる熱演、満足な1時間半でした。

恐懼謹言。
コメント
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