恐懼に堪えない日々

【恐懼】(きょうく)・・・ おそれかしこまること。日々の生活は恐懼に堪えないことばかりですよね。

2/20(土)理科系落語「ハンダの涙」(柳家小ゑん)

2021年02月20日 | 噺とか
先週に引き続き、高円寺演芸まつりへ。
例年、柳家小ゑん師匠の「理科系落語」の会が行われているようで、
今年はコロナの影響を考慮して13名限定のこじんまりとした会に。
細かいことですが、人数が半減したためなのか、
木戸銭が昨年までの倍額2000円になっておりました。
そもそも1000円が破格なのだと考えればいいのですが・・・。

演目は、1席目が「江戸会話教室」で、そのあとにネタ出しの「ハンダの涙」でした。
「江戸会話教室は」師匠のTwitterなどでよく目にする演目なのですが、
聞いたのはこれが初めてでした。
寄席などでもたびたびかけられているようで、面白く作りこまれています。
今日もここに来る前の浅草でこの噺を一席やってからきたそうですが、
これも公募作品の台本がもとになっているんですね。

短い仲入りの後、ネタ出しの「ハンダの涙」。
小ゑん師匠の体験をもとにしたという半ば実話の落語なんだそうですが、
中身はもう相当マニアックな内容満載で、小ゑん落語の真骨頂といったところですね。
ステレオの配線を依頼された中学生の富田くん(小ゑん師匠の本名)が、
憧れの女の子の家に招かれて、あれやこれやとうんちくを披露していく場面で出てくるワードなど、
どれだけの人が完全に理解しているのやら。
「鉄の男」や「アキバぞめき」などと同様、マニアックで豊富な知識がもとになっており、
わからない人には何を言ってるんだかさっぱり、な場面もたびたび。
それでもやはり噺の世界には引き込まれてしまうもので。

「理科系落語」とはいいながらも、そこまで理系な空気もなく、
こじんまりとした空間で小ゑんワールドを贅沢に満喫できました。
オフィシャルでは15:30~17:00とありながらも、16:40ごろの終演だったので、
欲を言えば、もう1席ぐらい短い噺を聞けたらなぁ、などと思いましたが、
まぁその辺はいろいろな事情があるのでしょう。
2週連続、高円寺で演芸を楽しませていただきました。

恐懼謹言。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2/13(土)二楽劇場in高円寺

2021年02月13日 | 噺とか
高円寺演芸まつりのイベントの一環で行われている、
林家二楽師匠による紙切りのイベントです。
これで第6回とのことですが、私はこれで5回目の参加。
通常だと夏に内幸町ホールで本家の「二楽劇場」があって、
そのスピンオフ的な感じでこの高円寺のお寺で開催されるのですが、
コロナの影響でそちらは中止に。
約1年ぶりの「二楽劇場」となりました。

開口一番「平林」  八楽
注文紙切り     二楽
          ~芸者さん、桃太郎全員、春一番、長屋の花見~
紙切りストーリー  二楽

前座の八楽さん、このイベントでは恒例の前座さん。
昨年は「初天神」でグダグダになってしまいましたが、
今年は伯父である桂小南師匠に教わったという「平林」でした。
伯父と甥の関係だけあって声色のモノマネがうまいですね。
おつかいに行くのが定吉ではなく、権助というパターン。
こういうのもあるんですね。
中身は・・・まぁ、それなりでございました。

続いて二楽師匠。
ご注文紙切りと題して普段の寄席と同じように切り抜かれます。
鋏試しはオリンピック需要をにらんで「Japanese芸者」の練習をしているので、
いつ外国人から注文されてもいいように、と。
髪を切っている最中のトークも寄席のものとは異なり、ほぼアドリブ。
IOCの森会長騒動に関する件にはじまり、
彦いち師匠と仕事で出かけた旭川空港での珍事など、
紙切りのみならず、トークも絶好調なのでありました。

紙切りストーリーも今年の新作ですかね。
ひょっこりひょうたん島に始まり、笑いあり涙ありの名作でした。
途中、OHPが消えてしまうアクシデントや、
音楽が出てこないなどのハプニングもありましたが、
それも全く気にならないぐらいのクオリティでした。
年々パワーアップさえしていると思います。

コロナの影響でやや客席も少なめかなと思いましたが、
それでも程よい人数で大いに盛り上がりました。
ぜひ今年の夏は内幸町ホールでの「二楽劇場」が開催できるといいのですが。

恐懼謹言。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

映画「電車を止めるな!」

2021年02月07日 | 日記とか
たまには日記でも。
元いすみ鉄道の社長で、現在はえちごトキめき鉄道の社長鳥塚亮さんのブログで、
銚子電鉄を題材にした映画があることを知って、
機会があれば見に行こうと思っておりました。

もともとの経営難から、ぬれ煎餅を売っている銚子電鉄ですが、
そんな銚子電鉄のある意味で自虐的な要素をちりばめた映画で、
映画の製作費用500万円もクラウドファンディングで集めたとか。
出演者もほとんど知らない方々ばかり。
一部の鉄道マニア向けのコアな映画かなーなどと思いつつ、
個人的には何度も銚子電鉄に足を運んでいることもあり、
半ば怖いもの見たさで予約して行ってきた次第で。

いわゆる大規模な映画館では上映しておらず、
あれこれと公式HPで検索してちょうどよく見つかったのが、
KKRホテル東京なる都心のホテル。場所は宴会場なんです。
当然ながら映画を上映するための施設ではなく、
開場にそれとなく椅子が並べられている即席の会場。

割引料金などもなく、2000円というのは割高だなぁとは思いながらも、
こういうことでもなければ都心のホテルの宴会場にも来ませんからね。
おまけに皇居を目の前に臨む抜群の眺望はなかなかのもの。

そんな会場で10人ほどの観客の中、上映開始。
ホラーとコメディとが入り交じり、序盤はどうなるのかなぁなどと思いつつ、
ひょっとしたらこれはハズレを引いてしまったかなぁなどと思っていましたが、
後半以降の展開が非常に素晴らしく、
特にラストシーンに至る展開ではいい意味で裏切られました。
90分弱という短い上映時間ということもあり、
終わってしまうともう終わり?というぐらいあっという間でした。

映画の鑑賞券は銚子電鉄の一日乗車券として利用することができ、
映画の上映に際して記念品の配布もありました。
この記念品、上映後に開けるようにと言われ、
物自体も映画の展開に関係する粋な計らいの一品なのでありました。
ぬれ煎餅やまずい棒などの物販もあり、こちらも購入。
鉄道好きはもちろん、そうでない人も楽しめる、そんな映画でした。

経営に苦しむ中で、追い打ちをかけるようなコロナ禍。
そんな中でも転んだままではいない銚子電鉄。
こりゃー緊急事態宣言が明けたら銚子電鉄に乗りにいかねば。

恐懼謹言。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2/6(土)連雀亭ワンコイン寄席

2021年02月06日 | 噺とか
2週続けての連雀亭です。今週はワンコインだけ。
末廣亭や池袋の夜席が魅力的なのですが、
緊急事態宣言が延長される中、そこは自粛。
短い時間でコンパクトに楽しむことにします。

「浮世床-夢-」   吉馬
「みそ豆」      かしめ
「からし蓮根の由来」 ふう丈

コンパクトながらなんとも充実感あふれる3席でした。
吉馬さんは連雀亭で3回目、よくお見掛けするようになりました。
厳密な古典はこの1席だけだったかもしれませんね。
「浮世床」も本のほうはよく聞くイメージながら、
夢のほうはそこまでたくさん聞かないかな?

かしめさんは初めてお目にかかります。
そもそも立川流の人を見かけるのも連雀亭ぐらいで。
高座に上がる30秒前にトリのふう丈さんから飴玉をもらって、
それを口に入れたまま上がるという。
で、着替え中のふう丈さんがマクラの最中に高座へ乱入。
てっきり仲良しなのかと思ったら、これでほぼ初対面という。
ネタは「みそ豆」ですが、実際のところはほとんど改作。
「みそ豆」ならぬ「ヒ素豆」とでも言いましょうか。
本来の筋は残しつつ脱線しまくる、いや、こういうはない嫌いじゃないです。
でもって、吉馬さんの「浮世床」ネタを入れ込んだくすぐりもある。
楽しい一席でした。

ふう丈さんは先日の神楽坂での独演会以来。
なんでもR1グランプリの予選に出場したんだそうで、
その時に披露した2分ほどのネタを冒頭で。
熊本弁あるある的なネタで、なかなか面白いんですが、
層が厚いR1の予選だとやはり厳しいんですかね。
そんな熊本弁の話から「からし蓮根の由来」へ。
これは初めて聞きます。
新作も古典も、精力的に取り組んでいるふう丈さんのネタらしく、
やはり聞いていて面白いですね。
この噺もちょいちょい「ヒ素豆」なんかをくすぐりに入れて、
会場の笑いを誘っておりました。

つ離れギリギリ、10人の会場は大いに盛り上がってお開き。
人数も時間も、これぐらいのコンパクトさがいいですね。

恐懼謹言。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする