恐懼に堪えない日々

【恐懼】(きょうく)・・・ おそれかしこまること。日々の生活は恐懼に堪えないことばかりですよね。

品質か、速さか

2005年06月22日 | 所感とか
新宿南口にやすべえというつけ麺をウリにした店があります。
昼にはサラリーマンの行列、夜遅くでも一杯飲んだ後の客で賑わうあたりからも、
この店の人気振りというものを推察することができますが、
まぁ実際に食してみてもレベルはなかなか高いように思います。
特にラーメン激戦区の新宿でこれだけ繁盛するというのもその証左ですが。
私もこの店とバイト先が近いということもあり、勤務後に夕食をとるため、
今日のようにこの店に立ち寄ることが多いわけなのですが、
しばしばこの店に疑問を抱くことがあるわけなんです。

まぁ何が疑問かといえばその提供の速さにまず驚かされます。
今日は食券を店員に渡して1分とたたないうちにつけ麺中盛が提供されました。
いや、吉野家でカレー丼を頼んでこの速さなら文句はありませんが、
仮にも味をウリにした店なのであればこの速さはどうなんでしょう。
つまり何が言いたいかというと、麺を茹で置きしてるんじゃないかってことです。
別に私はラーメン業界に詳しい人間ではありませんが、
普通に客が来るか来ないかわからないのに前もって麺を茹ででおく、
という行為自体があまり気持ちのいいものじゃないんですよ。
ラーメンやつけ麺という料理の特質上、注文を受けてから一杯ずつ作る、
というのが、もはやこの業界での暗黙の了解になっているのかと思っていましたが、
中には本格派を気取る店でもこのようなことがあるんですな。

なぜこのようなことが起きているのか推察すると、
まずこのやすべえという店、店内がお世辞にも広いとはいえないんです。
席は全てカウンターで、その数はおおよそ15席ぐらい。
それでも一応人気店に分類されるであろうこの店には、
客が絶えることなく、次から次へと押し寄せてくるわけです。
そうなってくると店を運営する側にしてみれば、いかに客の回転を良くするか、
ということになってくるのだろうと思います。
で、行き着くところの結論として、素早く料理を提供するため、
あらかじめ見切り発車的に麺を茹でておくということになるのでしょう。
これが昼のピーク時で、外まで行列ができている状況なら納得できますが、
今日私が訪れた時間帯は夜の11時で店内も空席がある状況なのに、
これと同じような回し方をしていることは果たして是か非か。

確かに客の心理としては待ち時間はなるべく少ないほうがいいに決まってます。
しかしそれにも多少の許容範囲というものがあるわけで、
提供があまりに速いと逆にこうした疑問が湧いてしまうわけです。
当然、麺を茹で置きしておけばその品質が落ちるのも免れませんからね。
やはりここで究極の選択になってきますね。質を取るか時間を取るか。
しかし先にも述べたように、この店は仮にも味をウリにしている店。
そこまで時間を重視したいんだったらみんな立ち食いそばに行きますよ。
ここに来る客っていうのはそれなりに品質を求めてくるのだから、
その客の思いに応えるべく、こだわる所はこだわってもいいんじゃないかと。
スピード提供によって店の権威が落ちる、ということも有り得るので。

なんかここまで書いてて他人事じゃないような気がするのは私だけでしょうか。
恐懼謹言。
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2 コメント

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Unknown (jun)
2005-06-23 08:21:38
ラーメン部の私と致しましても、これは黙っていられませんな!!!
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Unknown (JAKO)
2005-06-24 01:07:00
是非一度訪問してみてください。味は悪くないです。

ただやはりその店の中の人が、客に出す料理とどれだけ真剣に向き合っているか、

ということを考えると素直に美味しいものを美味しいと感じられなくなってしまうわけで。

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