国立演芸場は建て替えのため、
深川江戸資料館の小ホールでの興行。
以前はつる子師匠の披露目で紀尾井ホールへ足を運びましたが、
こちらの会場は初めて。
本日が梅朝師匠トリの千秋楽、
会場はほぼ満席の盛況でした。
初天神 市若
猫の皿 柳朝
奇術 夢葉
財前五郎 玉の輔
鮑のし 一朝
−仲入り−
真打昇進披露口上
天狗裁き さん喬
太神楽 勝丸
唖の釣り 梅朝
市若さんの初天神は独自のくすぐり多め。
声も大きく会場を沸かしていました。
一朝門下惣領弟子の柳朝師匠も噺の中に母説を織り混ぜながら丁寧な猫の皿。
夢葉先生の手品もいつもより時間長め。
流れるようなセリフと共に脱力させつつ、
しっかりやるところはしっかりの奇術。
玉の輔師匠は口上の司会として前回も顔付けされていました。
いつものマクラから定番の財前五郎。
安定の面白さです。
出番が変わって仲入り前に一朝師匠。
お祝いの意図もあるのか、鮑のし。
鸚鵡返しも啖呵も気持ちのいい一席。
口上は玉の輔師匠の司会で、柳朝・一朝・さん喬の各師匠。
おめでたい雰囲気と共に、口を揃えて新真打の梅朝さんのことを落ち着きない、と。
とはいえ、落ち着きないのは色々なことに気がつくからであり、
そんなキャラクターは誰からも愛される。
彼の悪口を言う人は一人もいない、と、
その人柄がよく伝わってきました。
なお、梅朝というのは古い名前で、
明治期には鶯春亭梅朝という噺家がいたそうですが、亭号な感じが難しい他の理由で春風亭になったとか。
仲入り後はさん喬師匠の天狗裁き。
こちらも安定の面白さ。
勝丸さんの短い太神楽を経てトリへ。
この時点で10分程度押していたこともあるのか、梅朝師匠は当初予定していたネタがあったのですが、と前置きしてから唖の釣りへ。
トリネタとしては少し軽めながら、
この日の客席の雰囲気として人情話よりもこちらの方が合っていたと思います。
後半のジェスチャーで語るあたり、
コミカルでとても楽しませてもらいました。
披露目のお祝いムードはいつきても良いものです。
普段から特別に追いかけていた噺家さんではありませんが、
大きく飛躍することを願いたいものです。
恐懼謹言。
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