中小企業のための「社員が辞めない」会社作り

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ポジティブシンキングは危険です。

2013年12月07日 | コンサルティング

いわゆる自己啓発セミナーなどでポジティブシンキングを身につけた「ポジティブ信者」の方々には申し訳ないのですが、あえてこう言わせていただきます。

ポジティブシンキングに関する本やセミナーでは、何かの問題に直面した時に・・・
「プラス思考で行きましょう」 
「どんな出来事も良い方にとりましょう」
「悪いことは忘れてポジティブに考えましょう」
・・・などと教えます。

目の前に危機が迫っているときはポジティブもネガティブもありませんが、リスク(危険性、問題が生じる可能性)に直面した時にポジティブシンキングを実践してしまうのは大変危険です。

以前このブログでも紹介しましたが、リスクとは「発生確率×影響の大きさ」です。

たとえば、台風が接近している状況で明日予定されている野外イベントをいち早く中止にすることはよくあります。

台風の中でイベントを行った場合1,000万円の損害が生じるとします。上記の式を使えば、台風の予報が当たる確率が80%のときは800万円、50%なら500万円がリスクの値となります。

私たちが仕事の中で直面する様々なリスクも、影響の大きさ(損害金額、対処するための労力や時間)を想定することは可能です。

台風ほどの大きな影響はないにしても、そのリスクが現実のものになった場合必ず損害が発生します。

ポジティブシンキングは、リスクの発生確率を低い方に誘導するバイアスになります。

もちろん過度に高く見積もる「ネガティブシンキング」も、決断を鈍らせリスクを大きくしてしまうかもしれません。

大事なことは、「発生確率」をできるだけ正しく推測するスキルを身につけることです。そのためには、日頃から「確率」を意識することが有効です。

リスクをきちんと推測した後で、なおかつポジティブに考えたいならばそれはそれで良いと思います。

宝くじに100万円つぎ込んだって、100万円以上当たるかもしれないのですから。

(人材育成社)