中小企業のための「社員が辞めない」会社作り

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「今日から私も『小林さん』です。」

2013年12月20日 | コンサルティング

小林製薬の「さん」付けキャンペーンです。

(このブログで小林製薬について書くのはこれで3度目、私は自称小林製薬の「広報部長」です。(笑))

小林製薬は1995年に組織改革を行っているのですが、そのうちの一つが「フラット組織」の導入で、10段階あった階層を5段階に半減し、同時に全社員を「さん」付けで呼ぶことにしたそうです。

小林製薬はいわゆるオーナー企業で、社内には「小林さん」が何人かいらっしゃるそうですから、役職で呼ばないとするとどうやって呼ぶのか気になるところです。その場合はそれぞれの下の名前のイニシャルを呼んでいる、例えばKさんというように呼ぶとともに、書類にもKと表示されるのだそうです。

制度導入の1995年には、「今日から私も「小林さん」です」と記された社長の写真を使ったポスター掲示したそうです。(冒頭の写真はそのイメージ)

やると決めたことは、社長自ら先頭に立って進めていらっしゃるわけで、以前書いた理念の共有といい提案に対するフィードバックといい、さすがは小林製薬、何事も徹底されていますね。

かつて外資系企業に勤めていた私にとっては、「さん」付けは特に抵抗はありませんが、長い間役職名で呼んでいた企業風土では途中で呼び方を変更することはとても大変だと思います。

特に、職位の下の人が上の人を「さん」付けで呼ぶことには、慣れないうちは結構勇気がいることだと思います。

昨日までA課長、B部長と呼んでいたものをいきなりAさん、Bさんと呼ぶのは、ちょっと馴れ馴れしく感じられてしまうのではないかと思います。

そうした懸念を払しょくするのには、やはり社長自らが「小林さんと呼んでください」と言うのが一番手っ取り早く、有効だと思います。

呼び方を変えることがそんなに大変なの?と思う方もいらっしゃるかと思いますが、呼び方も組織の文化や風土なのです。長い間培われた文化を変えることには、やはりかなりのエネルギーが必要です。

フラットな組織に変えると言っても、簡単に変わるものではありません。ですから、まず形から変える、つまり呼び方を変更することから始めるというのは意味のあることです。そしてそれが徐々に浸透することで、少しずつフラットな組織も出来上がっていくのだと思います。

(人材育成社)