中小企業のための「社員が辞めない」会社作り

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「ワイフと一緒に出掛けました」

2013年12月28日 | コンサルティング

「ワイフが・・・」

仕事でお世話になっている60代の男性がいらっしゃるのですが、この方は自身の配偶者のことを「ワイフ」とおっしゃいます。

それがあまりにも自然で、お聞きするたびに聞き惚れてしまいます。いつ頃からそのようにおっしゃっているのかはわかりませんが、堂に入っているように感じます。

では、日本人の場合、自分の配偶者をどのように表現することが多いのでしょうか?

男性の場合は「女房」や「家内」、「妻」、女性では「主人」、「だんな」、「夫」などがポピュラーではないかと思います。

どう表現するかはあくまで個人の選択の問題ですが、今から10年以上前にある自治体の研修担当者から、男女共同参画の視点からは「夫」や「妻」、もしくは男女に関係なく使用できる「パートナー」が良いと教えていただきました。

それでは、他人の配偶者のことはどのように表現すれば良いのでしょう?と聞いたところ、「お連れ合い様」とのことでした。

それからは、私は努めて「お連れ合い様」と表現するようにしているのですが、「お連れ合い様はお元気ですか?」と伺うと、大抵の場合は「えっ?」とか「はい?」と聞き返されます。「お連れ合い様」はなかなか一般的になっていないように感じます。

それはなぜか?

そもそも「お連れ合い様」を教えていただいたきっかけは、研修中に講師が使う表現として、「ご主人様」や「奥様」というのは其々主従を感じさせる表現である、また一方を奥と表現することで、もう一方は表を連想する表現である。そういう言葉は男女共同参画の視点では誤解を招く可能性もあるので、使用を避けて欲しいということだったのです。

ならばどう言えばよいのでしょうかとお尋ねして、教えていただいたのが「お連れ合い様」だったのですが、この話の背景を知らないと、敢えて「お連れ合い様」という言葉を使うきっかけに至らないのだと思います。

この話を知り合いの男性に話をしたところ、「人の配偶者をお連れ合い様?そして自分の女房のことはパートナー?そんな表現は恥ずかしい」とのことでした。やっぱり日本においては配偶者のことを他人に言うのに「私のパートナーは・・・」というのは、少々気がひけてしまうのでしょう。「お連れ合い様」も多分同じような感じなのでしょうね。結局この男性は、先ず自分の配偶者を妻と表現することから始められたようです。

こんな話をすると、言葉の選択の話?要は気持ちじゃないの?という声が聞こえてきそうです。確かにその通り。どんなに適切な言葉を使ったとしても、それに気持ちや考えがついていかなければ、あまり意味のないことになってしまいますから。

でも、その気持ちを表に出して伝えるのは、やっぱり言葉なのです。

ですから、慣れない表現でもまずは使ってみること。使い慣れないうちは恥ずかしいなと感じる言い方でも、使い続けることでだんだん気持ちも乗って自然になってくるということもあると思います。

年末年始は人に会う機会が増えます。どうでしょう、ご自身の配偶者のこと、また人様の配偶者について、今までとは違う言い方にトライしてみませんか?

 (人材育成社)