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ホーソン実験という底なし沼

2013年12月13日 | コンサルティング

ホーソン実験とは、シカゴにあるウエスタン・エレクトリック社のホーソン工場で1924年~1932年に行われた、労働者の作業効率に及ぼす要因についての実験です。

実験では、工場内の照明の明るさを変えるなど、作業環境の変化が生産効率にどのように影響を与えるのかを調べました。

その結果、影響を与える要因は物理的環境よりもインフォーマル組織(職場の人間関係)であることがわかりました。

そこではリーダーのあり方が注目され、「リーダーシップ」の研究が始まったのです。

職場内の非公式な人間関係が労働意欲に影響するという、言わば当たり前のことを「発見」したというのですから、今から考える何とも大げさな話です。

とはいえ、当時は近代的な生産方式がようやく確立した頃でしたから、徒弟制度とは違った工場という組織は未知のものだったのです。

さて、ホーソン実験から90年近く経った現在、はたして「人間関係論」はどれほど進歩したのでしょうか。

申し訳ないのですが、様々な学術論文で示された知見に関しては「だから、何なの?」という感想しか出てきません。

職場における人間関係について「科学的な」分析を学者がやればやるほど、底なし沼に沈んでいくように思えます。

さらに、私(平野)の個人的な意見ですがリーダーシップ論に至っては三流SF小説(ヒーローを描いたもの)とあまり区別がつきません。

これを読まれている企業の人材育成、研修担当者の方々、「人間関係論」は要注意です。

特に「人間関係論」を信奉している研修講師がいたら避けておいた方が良いでしょう。

(人材育成社)