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猿のリーダーは逃げない

2013年12月26日 | コンサルティング

猿知恵、猿まね、猿も木から落ちる。

「猿」を使った言葉ですが、いずれもどちらかというとマイナスの意味です。

最近、私が時々伺っている神奈川県湯河原町。東京の奥座敷と言われ、海あり、山あり、温泉ありと良いこと尽くしの湯河原ですが、実は以前から住民は「招かれざる客」との攻防に苦労しているのだそうです。

さて、この「招かれざる客」の正体とは一体何でしょうか?

答えはニホンザルです。湯河原町周辺には2つの群が生息し、その数は40頭にもなるそうで、度々民家の周辺に出没してはいろいろな「いたずら」をして、住民を困らせているのです。

湯河原町在住の知り合いの話によると、家の2階で物音がしたので見に行ったところ、何と猿が碁盤をひっくり返して碁をうっていたとかいないとか。(笑)

また、ある時はお店の自動ドアから侵入し、ドアが閉まらないように片手?片足?で押さえた状態で、食べ物を物色することもあるのだそうです。まさに敵も「サルもの」です。

日頃サルは群れで行動していて、移動する時は先頭をメスザル、しんがりはオスザルが務め、子ザルを真中にサンドイッチにします。途中、子ザルがはしゃいで列を乱したり列から離れて寄り道をすると、しんがりのオスザルが叱って渇を入れ、そうすると子ザルは慌てて元の列に戻るのだそうです。

いろいろ悪さをしでかすサル達に対し、人間もただ手をこまねいているわけではありません。サルが山から下りてきて民家に近づくと、花火を打ち上げて近隣住民に「サルが出たぞ」と知らせたり、空砲を打ってサルを追い払ったりしています。

そうした攻防を繰り返してきた住民とサルですが、時々ばったり鉢合わせしてしまうこともあるようです。そういう時はなるべく視線を合わせない、またその場から立ち去る時は猿に背中を見せないなどの対応しているとのこと。クマに出くわした時と同様ですね。

もし目が合ってしまった時は双方睨み合いとなり、根競べ状態?になってしまうのだそうです。しかし、そうした時のサルのボス(リーダー)の対応には見習うべきものがあります。

ボスは決して逃げ出したりせず、ウーとかキーとか奇声を発して人を威嚇し、群れを守るために闘う姿勢を全身にみなぎらせるのだそうです。もし、そこで仲間を置いて逃げ出そうものならボス失格でしょうから、必死なのでしょう。

先日、このブログで新入社員が願うたった一つの上司の条件は「逃げない」ということを書きましたが、まさにサルのボスは「逃げない」を地でいっているのです。

敵もさすがに「サルもの」、サルに学ぶ「逃げないリーダー」にはいろいろ学ぶところが多いです。

冒頭で紹介した猿を用いた言葉に、今後はぜひプラスの引用も付け加えたいと思います。

(人材育成社)