中小企業のための「社員が辞めない」会社作り

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繰り返し行うことが良策?

2013年12月12日 | コンサルティング

 1時間後に44%、1か月後には22%しか覚えていない。

これは、心理学者のエビングハウスの忘却曲線で示される数値です。

この忘却曲線は、1時間後に記憶したことの56%を忘れてしまうという意味ではなく、経過時間ごとの節約率を表しています。節約率とは、一度記憶した内容を再び完全に記憶し直すまでに必要な時間をどれくらい節約できたかを表す割合のことです。

例えば、最初にあることを覚えるまでに10分を要し、20分後に覚え直すと4分を要したとすると、覚え直すのに最初と比べ6分を節約したことになるので、節約率は 6(節約された時間)÷10(最初に要した時間)=0.6=60% となるということです。

しかし、エビングハウスの実験で使用されたのは、相互に関連を持たない無意味な音節ですから、仕事で必要となる知識や学問などの体系的な知識では忘却はこれよりも緩やかになると考えられます。

では、この節約率を少しでも上げるためにはどうすれば良いのか?それには、記録したり復習するなどして、記憶の作業を繰り返し行うことが有効です。事がらを記録することでそれが中期記憶になり、さらに繰り返し行うことで長期記憶に移行するのだと思います。

学生時代、暗記科目は一夜漬けでなくても試験前の数日間、ひたすら覚えまくって試験に臨んだことがありました。それによって、取りあえず試験ではある程度の点数を取ることができましたが、残念ながらそれ以降覚えたはずのことを何かで生かすことは、ほとんどできませんでした。

なぜなら、試験終了のチャイムと同時に憶えた全てをきれいに忘れ去ってしまうからなのです。まるで賞味期限が切れてしまった食品のように、全てがモノにならなくなってしまうのです。

しかし、そうした中でも比較的憶えているのは日本史です。もともと他の教科と比べ、関心があったということもあるのかもしれませんが、日本史に関することは大河ドラマや時代劇などで目にすることが多く、繰り返し知識を確認できるチャンスがあるからなのだと思います。

大河ドラマが放送された次の日、友人とドラマの内容と史実について盛り上がって語り合うことがよくありました。そういう中で、記憶が確実に長期記憶に移行して今も覚えているのだと思います。

ならば、仕事で憶えなければならないことをできるだけ楽しみつつ、確実に記憶できる方法はないものかといつも思っているのですが、これがなかなか見つかりません。

どなたかよい方法をご存知ありませんか?

(人材育成社)