会議といえば、会社勤めの人間にとっては「生活の一部」のようなものです。
私も30年近い会社勤めの間、どれくらいの時間を会議で費やしたか想像がつきません。もしかすると、家族との会話よりも多くの言葉を会議の場で他人と交わしていたかもしれません。
ところで、会議とは調整と情報共有が主な目的であり、あまり生産的な感じがしません。しかも、あまり効率が良い感じもしません。
「会議は踊る、されど進まず」とは、1814年、フランス革命とナポレオン戦争の戦後処理を目的に開催されたウィーン会議を皮肉った言葉です。実際、ヨーロッパの主要各国の利害が衝突して、数ヶ月たってもなかなか結論が出ませんでした。もっとも、昼は会議をして夜は舞踏会をしていたというのですから優雅なものです。
日本の大企業で行われる会議もなかなか進まないことが多いのですが、ウィーン会議のような賑やかさはありません。
どちらかと言えば、「偉い人」に参加者が順番に何かを報告するというパターンが多いように思います。すなわち「御前会議」ですね。
私はそうした報告中心の会議は「会議」と呼ぶのを止めて「報告会」にすべきだと思います。情報共有や報告だけなら一堂に「会して」いるだけで、「議している」わけではないのですから。
「会して議する」なら、その結論(決めごと)を必ず成果物として求めてはいかがでしょうか。
分かりやすく言うならば、「会議とは、結論という製品を作る工場である」という定義です。
この定義ならば、結論の出ない会議は「製品を作らない工場」ということになります。そんな工場があって良いわけがありませんよね!
実は、大きな会社に勤めていた頃、よく会議中に居眠りをしながらそんなこと考えていました。
当時の自分のことはさておき、いまさらですが提言とさせていただきます。
(人材育成社)