共 結 来 縁 ~ あるヴァイオリン&ヴィオラ講師の戯言 ~

山川異域、風月同天、寄諸仏子、共結来縁…山川の域異れど、風月は同天にあり、諸仏の縁に寄りたる者、来たれる縁を共に結ばむ

ハイドンの最高傑作 交響曲第101番ニ長調《時計》

2015年07月12日 20時55分55秒 | 音楽
今日は演奏会本番でした。今回は前半にベートーヴェン、メインにハイドンの交響曲第101番《時計》を置いた古典プログラムでした。

この《時計》という作品は、ハイドンの作曲した交響曲全104曲の中でも最高傑作の呼び声高い名作にして、古典派の交響曲全体においても金字塔的作品でもあります。《時計》というサブタイトルは第2楽章の伴奏形に対して後の世に付けられたものですが、それがためにより親しみやすい曲となったようです。

第1楽章はハイドン特有のカオス的な重々しい序奏に始まった…かと思いきや、主部に突入すると一転して軽やかな疾走感の明るいメロディが滑り出します。長調と短調、フォルテとピアノの対比も絶妙で、ワクワクさせられます。

第2楽章の変奏曲は、時計の刻みに乗せた何とも可愛らしくコケティッシュな主題メロディが魅力です。第1変奏はハイドンお得意の短調による疾風怒濤のような荒々しさを見せますが、その直後の第2変奏では一転してヴァイオリンと木管楽器だけで軽やかさを演出してみせます。と、突然無音の1小節を挟んで、いつの間にか変ホ長調に転調するというお洒落なこともやってのけます。この辺りも聴きどころです。

第3楽章はいかにもハイドンらしい典雅なメヌエットです。しかしトリオの部分では、弦楽器が弱奏でドミソを弾いている上にフルートが「ドレミファソラシドレ・レ・レ・レー…」という、ともするとドミソとぶつかってしまうレの音を使ったメロディを奏でるので、聴いている方は一瞬『えっ?!』と耳を疑います。しかし、もう一度同じメロディが現れた時には、弦楽器の伴奏がソシレを演奏するため、一回目の『えっ?!』という感覚は二度と味わわせてもらえません。この辺りも心憎い演出です。

第4楽章は、いかにもハイドン一級のウィット感の効いた楽しいロンドです。しかし、楽しげなメロディをは裏腹に、実際に楽譜に書いてあることはものすごく緻密で複雑な構造になっています。そういうことを感じさせないようにさらりと書いてあるあたりが、この作品をして『ハイドンの最高傑作』と言わしめる要因の一つになっていますが、演奏する方は転調あり、強弱の対比あり、フガート(旋律の追いかけっこ)ありで、ものすごく大変です(汗)。

もし「ハイドンの曲で何かオススメは?」と聞かれたら、私は間違いなくこの《時計》を選びます。そういった意味で知っておいて損はない曲ですので、是非聞いてみて頂きたいと思います。

いくつかあった動画の中から、リチャード・エガー指揮、シンフォニカ・デ・ガリシアの演奏動画を転載してみました。若干やり過ぎな演出も見受けられますが、それはそれで面白いので御覧になってみて下さい。

F.J. Haydn: Symphony n�・ 101, "The Clock" - Egarr - Sinf�・nica de Galicia
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