ゲートボール(GB)日記

まちなかの公園でGBを楽しんでいます。GBは老若男女一緒に楽しめる数少ないスポーツの一つです。まちびと

思い出の中のゲートボール(GB)仲間5

2022年07月06日 | Weblog
区のGB大会に参加するようになってすぐ気づきましたが、試合中、非常に激しい口調で自分のチームの主将の作戦を批判している老人男性がいました。

昔は隣町の一つにあるGB部に所属し、長年GBを楽しんできたS氏です。しかし彼のGB部が解散してしまい、残ったGB好きは周辺の町のGB部に転入しました。彼もその一人でした。受け入れてもらえたのですから、遠慮して部長、あるいは主将を立てればよかったのですが、作戦に自信があったようで、思わず、試合中に大声で主将を批判したのでしょう。主将は、自分が主将だから静かに指示に従ってほしいと何度も言っていました。

やがて彼は部を追い出され、別の部に行きました。同じことが起こり、その部も追い出さてしまいました。

そして最後に私達の部に入れてほしいと言ってきました。すでにその時彼は足腰が弱くなって練習試合に来るには歩行補助具を使う状態でした。練習試合はいいのではないかと考え、受け入れました。

GBをやると元気になるようで練習試合では補助具を使わず、自分の足で立って競技を行いました。80台後半でしたが、打撃上手、作戦上手でした。さすがGB好きと思いました。いろいろな打撃テクニックを教えてもらいましたが、彼の一番の得意技は、ラインの近くにスライドができる短距離コンビを作り、コートのどこでも自球をもっていくことでした。ライン近くなら短距離コンビでも相手に狙われにくい、短距離だとスライドが正確になると言っていました。勉強になりました。

しかし一番私が彼に感謝したことは、彼が私達の公園のコートを見て、「何だ、このコートは」と怒り、自分でコートの表面に出ているたくさんの石を取り除きはじめたことです。この公園広場は土石を埋め立てて造った広場のため、砕石や石が半端ではありませんでした。私たちは表面にちょっと見えている石は慣れっこになってGBをやっていましたが、外から来た彼にはひどいコートに見えたようです。

すぐ私達は反省して毎回練習試合前にみんなで表面の石を取り除く作業をやりました。大きな砕石、石がいっぱい取れました。今では砂と泥が混じっただけの平面性の高いコートになっています。S氏の叱責のおかげで公式GB試合ができるようないいコートが実現しました。

(注)コート管理は現在も注力しており、平面性を維持するように砂泥管理をやっています。大雨後も水たまりができることはありません。水はけのため周辺を低くしていますが、勾配を極力小さくする改善を試みています。傾斜でボールが転がり、アウトボールになるということがないようにしています。

大会で見た彼とはまったく違う、よきGB先輩のS氏と楽しくGBをやっていましたが、彼は足腰の悪化が進み、やがて動けなくなり、病院に入院し、そして他界してしまいました。