コロナ禍につき、4月の離退任式は放送で行うらしい生徒の目の前で話せないのでは甲斐がないので、欠席するつもり。今日学年集会で話す機会をもらったので、これが千葉県教員としての最後のスピーチになる。
こんにちは すーさんです
この度60歳の春を迎え、退職することになりました。4月からは海を越えて、中国の私立高校に勤務します。中国の若者たちに日本語と理科を教える予定です。今日は、日本で成国の生徒のみなさんにお話をする最後の機会を学年主任のI先生からいただきました。がんばってお話ししようと思います。
35年間の教員生活で、私が一番頑張ってきたことは何かな―っ?て考えたとき、「やっぱ部活だなー」って思いました。35年のうち32年、私は卓球部の指導にたくさんの時間とエネルギーを注いできたんです。幸いなことに、県大会でベスト8に9回、ベスト4に3回勝ち残ることができ、関東大会に5回出場できました。こうやって言うと、立派な指導者!って感じですが、実は前半16年は本当にダメダメな「しくじり先生」だったんです。今日お話ししたいのはその頃のことです。
当時私は生徒に、「県大会ベスト8以上目指そう」と息巻いてました。でも実態は、地区ではけっこう勝つけど、県大会では勝てない。それどころか、時々部員がごっそりやめてしまうこともあるというチーム状況で、ぱっとしませんでした。
「なぜ、あと一歩の殻がやぶれないのか?」「なぜ、志半ばで退部してしまうのか?」
もっと根性ある子が来てくれれば良いのに… 私はすべてを生徒のせいにしていました
ある年、とても頑張り屋のキャプテンを中心にけっこう強いチームができました。最後の総体でベスト8決定戦に進出、接戦の末、勝負の行方はキャプテンにゆだねられました。私も声をからして応援します。
“よし!ナイスボール” “OK、ドンマイドンマイ” “おちついて、マイペース”“あ、何やってんだよ” “バカ、それは練習しただろ” “違う、何でできない?”
タイムアウトで作戦を指示しようとすると キャプテンが苦しそうに言いました。
「先生、おちついて下さい (口汚くわめくのは)やめて下さい」。
今まで口答え一つしてこなかった頑張り屋が言うのです。きっと本当に嫌だったのでしょう。そのときやっとはじめて、私は自分のしくじりに気が付いたのです。
最初は生徒を励まそうとしていた、発奮させようとしていたはずが、いつの間にか自分の感情のままに、ただ生徒を罵倒してるだけになっていた…。
オレの指導って全部こんな感じで空回りだったんじゃね?
厳しい勝負で勝つためには、チームの雰囲気ってとっても大事です。けれど、ウチのチームの雰囲気を一番壊していたのは、監督である私だったんです。
その日、チームは敗れました。それは選手のせいではありません、やっとわかりました。そしてそれからが 本当の意味での指導のはじまりでした。
「良いチームをつくろう!」選手といっしょに考える日々が始まりました。
そこにいることで 苦しいときも一緒に頑張れる
そこにいることで 弱いやつも強いやつも向上できる
そこにいることで 充実感と誇りが得られる
そんなチームをつくるために 今みんなは何をすればよいと思う?
まっすぐな心で生徒たちに問いかけると、彼らは真剣に考えて行動してくれます。
私も彼らとともに考え言動を改善しました。
それまで監督の一方的な押し付けでは変えられなかったものが変わっていきます。
2年後、そのチームは県大会3位になり関東大会出場を果たすことができました。良いチームをつくることで壁を打ち破ることができたのです。
しくじり先生だった私が生徒から学んだこと、それは
「部活動で大事なのは、目先の勝利にこだわることではなく、良いチームをつくること、そして良いチームは、最初から与えられるものではなく、みんなの努力で作り上げるものだ」ということです
考えてみるとこれは部活だけでなく、様々な人間関係にもあてはまります。例えばクラス(ホームルーム)。学校生活で大事なことは良いホームルームをつくること
そこにいることで 苦しいときも一緒に頑張れる
勉強できないやつもできるやつも向上できる
充実感と誇りが得られる
そんなホームルームは 与えられるものではなく みんなの努力で作り上げるものだ
ね、あたってると思いません?高校生活で苦しいこと・つらいことは必ずあると思います でもあなたが良いチームや良いホームルームをつくろうと努力していけば、必ず乗り越えられます。ぜひ頑張って下さい。
今私は成国を去ります。私の願いは、あなたがこの成国での経験を活かし、良い友人関係、 良い恋人、良い夫婦、良い家族、良い地域社会をつくり、素晴らしい人生を歩んでくれることです。成国に行ったおかげで人生が豊かになったと胸を張ってくれたら先生方は嬉しいと思います。
長い話聞いてくれてありがとう。これからも私は海の向こうからみなさんの成功を祈っています。それじゃ
See you again on Youtube. Good luck!
こんにちは すーさんです
この度60歳の春を迎え、退職することになりました。4月からは海を越えて、中国の私立高校に勤務します。中国の若者たちに日本語と理科を教える予定です。今日は、日本で成国の生徒のみなさんにお話をする最後の機会を学年主任のI先生からいただきました。がんばってお話ししようと思います。
35年間の教員生活で、私が一番頑張ってきたことは何かな―っ?て考えたとき、「やっぱ部活だなー」って思いました。35年のうち32年、私は卓球部の指導にたくさんの時間とエネルギーを注いできたんです。幸いなことに、県大会でベスト8に9回、ベスト4に3回勝ち残ることができ、関東大会に5回出場できました。こうやって言うと、立派な指導者!って感じですが、実は前半16年は本当にダメダメな「しくじり先生」だったんです。今日お話ししたいのはその頃のことです。
当時私は生徒に、「県大会ベスト8以上目指そう」と息巻いてました。でも実態は、地区ではけっこう勝つけど、県大会では勝てない。それどころか、時々部員がごっそりやめてしまうこともあるというチーム状況で、ぱっとしませんでした。
「なぜ、あと一歩の殻がやぶれないのか?」「なぜ、志半ばで退部してしまうのか?」
もっと根性ある子が来てくれれば良いのに… 私はすべてを生徒のせいにしていました
ある年、とても頑張り屋のキャプテンを中心にけっこう強いチームができました。最後の総体でベスト8決定戦に進出、接戦の末、勝負の行方はキャプテンにゆだねられました。私も声をからして応援します。
“よし!ナイスボール” “OK、ドンマイドンマイ” “おちついて、マイペース”“あ、何やってんだよ” “バカ、それは練習しただろ” “違う、何でできない?”
タイムアウトで作戦を指示しようとすると キャプテンが苦しそうに言いました。
「先生、おちついて下さい (口汚くわめくのは)やめて下さい」。
今まで口答え一つしてこなかった頑張り屋が言うのです。きっと本当に嫌だったのでしょう。そのときやっとはじめて、私は自分のしくじりに気が付いたのです。
最初は生徒を励まそうとしていた、発奮させようとしていたはずが、いつの間にか自分の感情のままに、ただ生徒を罵倒してるだけになっていた…。
オレの指導って全部こんな感じで空回りだったんじゃね?
厳しい勝負で勝つためには、チームの雰囲気ってとっても大事です。けれど、ウチのチームの雰囲気を一番壊していたのは、監督である私だったんです。
その日、チームは敗れました。それは選手のせいではありません、やっとわかりました。そしてそれからが 本当の意味での指導のはじまりでした。
「良いチームをつくろう!」選手といっしょに考える日々が始まりました。
そこにいることで 苦しいときも一緒に頑張れる
そこにいることで 弱いやつも強いやつも向上できる
そこにいることで 充実感と誇りが得られる
そんなチームをつくるために 今みんなは何をすればよいと思う?
まっすぐな心で生徒たちに問いかけると、彼らは真剣に考えて行動してくれます。
私も彼らとともに考え言動を改善しました。
それまで監督の一方的な押し付けでは変えられなかったものが変わっていきます。
2年後、そのチームは県大会3位になり関東大会出場を果たすことができました。良いチームをつくることで壁を打ち破ることができたのです。
しくじり先生だった私が生徒から学んだこと、それは
「部活動で大事なのは、目先の勝利にこだわることではなく、良いチームをつくること、そして良いチームは、最初から与えられるものではなく、みんなの努力で作り上げるものだ」ということです
考えてみるとこれは部活だけでなく、様々な人間関係にもあてはまります。例えばクラス(ホームルーム)。学校生活で大事なことは良いホームルームをつくること
そこにいることで 苦しいときも一緒に頑張れる
勉強できないやつもできるやつも向上できる
充実感と誇りが得られる
そんなホームルームは 与えられるものではなく みんなの努力で作り上げるものだ
ね、あたってると思いません?高校生活で苦しいこと・つらいことは必ずあると思います でもあなたが良いチームや良いホームルームをつくろうと努力していけば、必ず乗り越えられます。ぜひ頑張って下さい。
今私は成国を去ります。私の願いは、あなたがこの成国での経験を活かし、良い友人関係、 良い恋人、良い夫婦、良い家族、良い地域社会をつくり、素晴らしい人生を歩んでくれることです。成国に行ったおかげで人生が豊かになったと胸を張ってくれたら先生方は嬉しいと思います。
長い話聞いてくれてありがとう。これからも私は海の向こうからみなさんの成功を祈っています。それじゃ
See you again on Youtube. Good luck!