越中八尾、おわら風の盆。
その起源、元禄とも記されているとのことだが、
立春から二百十日、収穫を控えたこの頃に吹く強い風を鎮めるために、
三日三晩、人々が八尾の街を踊り歩いたのがその始まりだという。
胡弓に三味線、その哀愁を帯びた音色に合わせて未婚の男女が織りなす恋の踊り。
その情緒こそ、わずか三日ばかりの祭りに、
富山市の山あいに位置する小さな町へと、全国から25万人もの人が押し寄せる理由でもある。
拙い写真ではあるが、その祭りの雰囲気を少しでも感じていただけたなら幸いだ。
ところで、彼女たち。
その妖艶さの一方で...。
大きな髪飾りにうかがえる今風の感覚。
そして...。
出番を待つ間、膝を抱えて座るその姿。
大人の女性を演じきる踊りの合間に、なんとも言えない愛らしさ、さらにはあどけなさを感じた次第である。
さて、風の盆が明けた日。
台風が久しぶりに北陸を駆け抜けた。
大型の台風が北陸を直撃するのは25年ぶりとかで、ずいぶんと警戒したものだが、
結果的には、一部の地域で停電などの支障はあったものの、
人災など大きな災害とはならなかったようだ。
今朝のこと。
台風一過の青空を眺めながら、
「これも彼女たちのお陰かな」
ふと、そんなことを思ったりもした。
America - Sister Golden Hair