一日遅れたが、立春に寄せて。
金沢は相変わらず断続的に雪が降り、今朝は久しぶりの積雪となった。
立春とは名ばかりの気候だが、それでも、暦に「春」の字が入るだけで
気持ちは明るくなるものだ。
そして・・・。
立春だから、というわけでもないだろうが
我が家に雛人形が飾られた。
今年3歳になる孫のすみれ。
日増しに女児らしくなる、その姿を家内が思い浮かべたのか
数年ぶりに飾り付けたのだ。
この雛人形、長女が生まれた時に父が買ってくれたものだが、
その時いちばん喜んだのは家内。
父を引っ張るように出かけ、選んだのがこれだった。
以来、母娘で楽しんできたのだが、その長女も今年39歳になる。
長女は狭い貸家住まいなので、今は我が家に飾っているが
いずれ、この雛人形は長女の家へと移り、
そして、すみれへと引き継がれていくのだろう。
ところで・・・。
立春、いや2月4日といえばもうひとつ思い出すことがある。
Carpenters, The Royal Philharmonic Orchestra - Superstar
偶然見つけ、見入った動画。
何年か前、リチャード・カーペンターが
ロンドンのロイヤル・フィルハーモニック・オーケストラを従えて
カーペンターズの楽曲をリメイクしたCDが発売された。
その録音風景、もしくはリハーサルの一部だと思う。
そこに、カレンの映像が重なっているのだが、
この模様を眺めながら、ふと「カレンが亡くなったのはいつだったろう」と、気になり始めた。
それで、すぐに調べてみたところ、それが1983年の2月4日だった。
今でも時々、カレン・カーペンターの歌声を耳にする。
それゆえにカレンが亡くなったのが、ついこの前のように思っていたのだが
実に39年もの年月が、「あっ!」という間に流れている。
一方で、1983年、つまり昭和58年は長女が生まれた年でもある。
幼かったころのこと。就学。大学受験。就職。結婚。
そして出産と、折々を思い出すと39年は長い。
雛人形とともに積みあがった時間に
カレンが亡くなってからの「あっ!」という間の時間を重ねながら、
時間感覚の不確かさ、あるいは不思議さを感じずにはいられなかったのである。
さて。カレンが存命なら72歳。
「今頃、どんなおばあちゃんになっていただろう」などと
つまらないことを考えて、思わず頬を緩めていたりもした。